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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

米同時テロ9・11 20年 報復戦争の教訓 対テロ戦争④ 自殺兵士 戦死の4倍

2021-09-18 07:28:39 | 国際政治
米同時テロ9・11 20年 報復戦争の教訓 対テロ戦争④ 自殺兵士 戦死の4倍
「アフガニスタンから米軍は撤退しました。しかし兵士を家族に持つ人々にとっては、これからが仕事の始まりです。兵士たちは『何のための戦争だったのか?』と自間しています」
米兵家族の反戦団体「声をあげる兵士家族の会」(MFSO)の全国コーディネーター、パット・アルビソさんはこう語ります。海兵隊所属のアルビソさんの息子は、同時多発テロ後の対テロ戦争で、イラクとアフガニスタンに合計6回派遣されました。
最初の派遣では現地の子どもたちと交流しようとサッカーボールを荷物に詰めました。しかし戦場では、恐怖におびえる女性や子どもばかりいる家に押し入り、「テロリスト」を捜索する日々。帰国後もトラウマに苦しんでいます。「息子はまったく困惑した状態でした。帰還兵の自殺者統計に自分の家族が入るのではと毎日心配している人は多くいます」とアルビソさんは語ります。



アーリントン墓地内のイラク・アフガン戦争派遣兵のための地区で、おいの墓石前に座る女性=9月11日、米バージニア州(ロイター)

戦闘で心病み
米ブラウン大学ワトソン国際公共問題研究所によると、今年6月までの集計で、対テロ戦争をたたかった現役・退役の米兵3万177人が自殺したと見積もられます。実際の軍事作戦で死亡した米兵は7057人です。
研究所は、自殺者が軍事作戦による死者の4倍超に達し、増加傾向にあることについて、「軍と米国社会が兵士のメンタルヘルスをうまく管理できていない」と指摘します。
背景には、凄惨(せいさん)な戦闘経験による心的外傷後ストレス障害(PTSD)、社会生活への復帰の困難に伴うストレス、銃を入手しやすいことなどが指摘されています。

何度も戦地に
医療技術が発達し、負傷した兵士が治癒後に何度も戦地に派兵された事例が目立ちます。戦争が長期化し、大手メディアも報道しないなか、一般国民が兵士の“貢献”に無関心になっている無力感もあるといわれます。
バイデン大統領はアフガンからの米軍撤退完了を宣言した8月31日の演説で自殺者の多さに言及。「帰還兵とその家族は地獄の苦しみを味わってきた」と語りました。一方で今は「過去ではなく将来を見る時だ」などと述べました。
MFSOで活動するメアリー・ラドキーさんは「アフガン戦争についてごまかして語ってはならない。壊滅的な損失と悲劇を世界に広げた戦争だ」と強調。「今の課題は戦争の本当の歴史を語り、遂行した人々に責任を取らせることだ」と話しています。
(ワシントン=島田峰隆)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年9月15日付掲載


対テロ戦争をたたかった現役・退役の米兵3万177人が自殺したと見積もられる。実際の軍事作戦で死亡した米兵は7057人。
背景には、凄惨(せいさん)な戦闘経験による心的外傷後ストレス障害(PTSD)、社会生活への復帰の困難に伴うストレス、銃を入手しやすいことなどが指摘。

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