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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

UD(ユニバーサルデザイン)フォント 使ってみませんか より多くの人が読みやすい書体

2023-10-07 07:41:14 | パソコン
UD(ユニバーサルデザイン)フォント 使ってみませんか より多くの人が読みやすい書体
より多くの人が文字を読みやすいように作られた書体、ユニバーサルデザイン(UD)フォントの需要が高まっています。BIZUDシリーズやUDデジタル教科書体などを開発した、書体デザイナーの高田裕美さんに聞きました。(重村幸)

書体デザイナー 高田裕美さんに聞く
たかた・ゆみ 書体デザイナー歴32年。現在は、教育現場における書体の重要性や役割を普及、推進。著書に『奇跡のフォント 教科書が読めない子どもを知って―UDデジタル教科書体開発物語』(時事通信社)。




Q UDフォントとは?
多様な人びとが利用可能な設計
ユニバーサルデザイン(UD)は、障害の有無、年齢、性別、人種等にかかわらず、多様な人々が利用しやすいように設計することです。
UDフォントは、老眼や弱視などでも、より多くの人が読みやすく、間違えにくいように工夫された文字です。一般的な書体に比べ、字面(じづら)(文字の大きさ)は大きく、ふところといわれる空間は広く作ります。(図1)




また、一般的な明朝体では細い横線を太くし、文字の太さを均一にします。図2の「す」のように文字の輪になった部分をつぶれないように大きくしたり、「や」のように線のつながりをとって明るく見せたりするなどの工夫もしています。



英数字の「38S6」や「I(アイ)l(エル)1(イチ)7(ナナ)」など、形が似た文字を区別しやすくすることも重要です。お年寄りが飲み薬を3錠と8錠と読み間違えたら、大変ですよね。

Q 教育現場のための「UDデジタル教科書体」の特徴は?
困難ある子ども学びやすく工夫
ロービジョン(弱視)や、読み書きに限定した障害があるディスレクシアといわれる子どもにとっても、読みやすく、文字を学びやすいように工夫した書体です。
教育現場では、読むだけでなく、子どもたちが文字の形や画数、筆の運び方などを学ぶ必要があるので、一定の線の太さは保ちながら、一般の教科書体にそった字形にしました。一般的な教科書体の文字のとがった先端や筆を押し付けた形状は、視覚過敏や視覚認知に困難がある子どもには、ストレスになることがあるため、はねやはらいの特徴は残しながら、丸みを帯びたデザインにしています。(図3)




ロービジョンや学習障害の専門家、当事者、教員やボランティアなどの意見を聞き、個々の文字の判別しやすさや文章になったときの読みやすさの実証実験も経て、開発を進めました。

Q UDフオントについて望むことは?
自分に合う書体選べる環境こそ
BIZUDシリーズとUDデジタル教科書体が、WindoWs10以降のパソコンに標準搭載され、一般の人も使いやすくなったと思います(モリサワ社のウェブサイトでもBIZUDフォントの無償版を提供)。公的な文書など、より多くの人に正しく伝える必要があるものには、積極的に取り入れてほしいです。
ただ、誰にとっても、どんな場面でも読みやすい完壁な書体はなく、UDフォントにもいろいろなタイプがあるので、目的にあった使い方をよく考えることが大事です。
教育現場では、UDデジタル教科書体は読みやすいと評価されていますが、他の書体の方がよいという子どももいます。真っ白なノートに黒い文字がまぶしく、読みにくいという子もいます。紙での学習がよい子も、タブレットがよい子もいます。自分にあった書体や学び方を選べる環境になってほしいです。

Q 読みやすいビラなどの紙面を作るには?
読む人の思いを意識しながら…
書体を選ぶだけでなく、文字の大きさや行間なども調整する必要があります。本当に読みやすいかよく見て、対象者の意見を聞くことも大切です。読む人がどう思うかを意識して、ただ文字を流し込むのではなく、フォントの特徴、文字数や内容などのバランスを考えて作ってください。


「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年10月4日付掲載


UDフォントは、老眼や弱視などでも、より多くの人が読みやすく、間違えにくいように工夫された文字。一般的な書体に比べ、字面(じづら)(文字の大きさ)は大きく、ふところといわれる空間は広く作ります。
英数字の「38S6」や「I(アイ)l(エル)1(イチ)7(ナナ)」など、形が似た文字を区別しやすくすることも重要です。お年寄りが飲み薬を3錠と8錠と読み間違えたら、大変ですよね。
BIZUDシリーズとUDデジタル教科書体が、WindoWs10以降のパソコンに標準搭載され、一般の人も使いやすくなった(モリサワ社のウェブサイトでもBIZUDフォントの無償版を提供)。
ビラを作るときにも、読む人がどう思うかを意識して、ただ文字を流し込むのではなく、フォントの特徴、文字数や内容などのバランスを考えて作ること。


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