きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

周体制10年 「強さ」と「ひずみ」 中国共産党大会を前に④ 権力集中 個人崇拝強まり懸念

2022-10-14 07:03:52 | 国際政治
周体制10年 「強さ」と「ひずみ」 中国共産党大会を前に④ 権力集中 個人崇拝強まり懸念
16日に開会する第20回中国共産党大会では、習近平総書記の3期目続投が確実視されています。
党総書記は、中国国家主席と中央軍事委員会主席も兼ねるのが慣例で、従来の党大会であれば「2期10年」という国家主席の任期に基づき、党のトップも交代する節目でした。しかし、2018年の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、国家主席の任期を撤廃する憲法改定が行われ、制度上の障害がなくなりました。社会的議論もほとんどなく、異論の発表を許さない形の憲法改定でした。

指導体制の集中
12年の党大会で発足した習指導部は、安全保障、改革、経済、インターネット対策など党中央に10以上のさまざまなグループを立ち上げました。それらのトップには習氏が就任し、あらゆる分野の方針を指導する体制ができました。
中国共産党の中央委員会は16年、習氏を「核心」に位置づけることを決定。17年の第19回党大会で決まった党規約改定で、習氏個人の名前が入った「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」が「行動指針」として盛り込まれました。同大会後、党中央政治局員や政府の幹部が年1回、習氏に仕事を書面で報告する制度がつくられました。
党や国営メディアは連日のように、習氏の動向や発言などを報道。地方政府トップらは「習総書記の全党の核心、人民の領袖(りょうしゅう)、軍隊の統帥の地位と権威を断固守る」(李鴻忠〈り・こうちゅう〉天津市党委書記)などのたたえる発言を繰り返しています。「領袖」との呼称は建国の父・毛沢東にも使われたもの。中国人が毛沢東を思い浮かべる「領袖」の表現で、習氏の地位を毛沢東に近づけるものだとみられています。



習近平氏をたたえる「周思想」の教科書

「習思想」授業も
昨年9月に小学校低学年から「習思想」の授業が必修化されました。教科書には「習おじいさんは仕事で忙しいのに、私たちの活動に参加し、私たちの成長に関心を持ってくれている」との記述もあります。
匿名の元大学教授は「過去に、毛沢東への個人崇拝が文化大革命(文革、1966~76年)という悲劇を招いたため、当時を知る知識人は個人崇拝や権力の集中に反対だ」と語ります。
あるベテランの中国共産党員は「党内に異論はあるが、ほとんどの人は口を閉ざしている。トップに権力が集中し、党がすべてを指導する仕組みは、1人の人物が国家を動かすことになる。政策の柔軟性が失われ、間違った政策の修正もできなくなる」と懸念を語りました。(つづく)(北京=小林拓也)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年10月13日付掲載


中国共産党の中央委員会は16年、習氏を「核心」に位置づけることを決定。17年の第19回党大会で決まった党規約改定で、習氏個人の名前が入った「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」が「行動指針」として盛り込まれました。
昨年9月に小学校低学年から「習思想」の授業が必修化されました。教科書には「習おじいさんは仕事で忙しいのに、私たちの活動に参加し、私たちの成長に関心を持ってくれている」との記述も。
個人崇拝、権力の集中は政策の間違いが正されない懸念が。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿