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日本共産党兵庫県委員会で働いています。

米同時テロ9・11 20年 報復戦争の教訓 対テロ戦争② 空からの爆弾 怒り増幅

2021-09-16 07:14:33 | 国際政治
米同時テロ9・11 20年 報復戦争の教訓 対テロ戦争② 空からの爆弾 怒り増幅
「食べ物も十分にない人々の頭上に爆弾を落とすことは、テロ撲滅のたたかいには役立たない。罪のない人々を無数に犠牲にした対テロ戦争は、むしろテロを助長した」
アフガニスタンの女性を支援する米国の非営利団体「アフガン女性基金」のファヒマ・ガヒーズ議長は、米国が進める対テロ戦争の問題点をこう語ります。戦争が人々の生活を破壊し、怒りや悲しみを生み、テロの土壌を広げてしまっているという指摘です。
米軍はアフガニスタン戦争で、一定の地域に大量の爆弾を投下し、無差別に攻撃する「じゅうたん爆撃」を実施しました。駐留米軍は「テロリスト」を掃討するとして、住民の自宅への夜襲を繰り返しました。
国際刑事裁判所(ICC)のベンスダ主任検察官は2016年11月の報告で米軍と米中央情報局(CIA)がアフガンで戦争犯罪に該当する拷問を行ったと信じるに足る「十分な根拠がある」と指摘。ICCは20年3月、戦争犯罪の有無について「真実追究」捜査を実施すると決めました。



ファヒマ・ガヒーズ議長=8月30日(オンライン企画のスクリーンショット)


マハ・ヒラル氏=9月1日(オンライン企画のスクリーンショット)

「青空は嫌い」
オバマ政権下の無人機攻撃は民間人犠牲を広げました。13年12月にイエメン中部で、結婚式に向かっていた一行をテロ集団の車列と誤認して攻撃し、多数の死傷者を出した事件はその一例です。トランプ政権は攻撃基準を緩和して無人機の作戦を続けました。
無人機攻撃で祖母を殺害されたパキスタンの少年は13年10月に米議会で次のように話しています。
「僕はもう青い空は嫌いです。灰色の空の方がいい。曇りだと無人機が飛ばないからです。短時間だけど緊張や怖さが和らぎます」
イスラム教徒に対する憎悪とたたかう団体「ジャスティス・フォー・ムスリム・コレクティブ」のマハ・ヒラル氏はこの少年の発言を例に挙げて、「対テロ戦争の問題点はイスラムの人々を全く非人間的に扱っていることだ」と指摘します。

違法視点欠く
ヒラル氏は、アフガン撤退を宣言したバイデン米大統領の演説について「そもそも違法な戦争を行ったという視点が欠けている。標的にされた国々では戦争は終わっていない」と批判しました。
報復戦争への疑問は米議会内でも聞かれます。サラ・ジェイコブズ下院議員(民主)は8月下旬のカブールでの自爆テロの後、次のように表明しました。
「この事件への回答が戦争や暴力、効果もなく責任も問われない対テロ作戦であってはならない。そうでなければ、われわれはこの20年から何も学んでいないことになる」
(ワシントン=島田峰隆)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年9月12日付掲載


アフガンの少年。「青空は嫌い」とは。
日本では「青い空は青いままで♪♪」と歌われるのに…。
無人機の攻撃が少年の心を閉ざす。
アフガン撤退を宣言したバイデン米大統領の演説についてさえ、「そもそも違法な戦争を行ったという視点が欠けている。標的にされた国々では戦争は終わっていない」と。

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