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米同時テロ9・11 20年 報復戦争の教訓 対テロ戦争① 戦線広がり 増えたテロ

2021-09-15 07:11:34 | 国際政治
米同時テロ9・11 20年 報復戦争の教訓 対テロ戦争① 戦線広がり 増えたテロ
世界を震え上がらせた2001年9月11日の米同時多発テロ事件から20年が過ぎました。米国が事件への報復として同年10月に始めたアフガニスタンに対する一方的な攻撃は同国史上最長の戦争となりました。米軍は先月末の撤収で一区切りをつけたものの、この20年にテロは各地に広がり、「対テロ戦争」は収まっていません。報復戦争は米国と世界にどのような教訓をもたらしたのか―。シリーズで考えます。

米同時多発テロ
2001年9月11日、米国上空で民間旅客機4機がほぼ同時にテロリストによってハイジャックされ、ニューヨークの世界貿易センターに2機、ワシントン郊外の国防総省に1機が激突、ペンシルベニア州の原野に1機が墜落し、約3000人の死者を出した史上最悪のテロ事件。当時のブッシュ政権はサウジアラビア出身のウサマ・ビンラディン容疑者(11年5月殺害)率いる国際テロ組織アルカイダの犯行と断定し、「対テロ戦争」を宣言しました。(時事)

米ブラウン大学ワトソン国際公共問題研究所によると、米国は20年の時点で世界85カ国を「対テロ戦争」に巻き込み、国軍の訓練や支援、無人機を含めた空爆などを実施しています。



9月9日、米ニューヨークの世界貿易センタービル跡地の記念碑にバラを供える人(ロイター)

虚偽主張で侵略
同時多発テロ当時のブッシュ(息子)大統領はアフガニスタンを侵略後の03年3月、「大量破壊兵器がある」という虚偽の主張でイラクを侵略しました。
ブッシュ政権の戦争を批判して誕生したオバマ政権は戦線をイエメンやシリアにも拡大。無人機や特殊部隊を使った戦争を地球規模に広げました。トランプ政権は、核兵器以外の通常兵器では最強レベルの爆弾をアフガンで使用するなど、作戦をいっそう残虐なものにしました。
一方で米国が占領したイラクは、首都バグダッドの国連施設で大規模な自爆テロ(03年10月)が起きるなどテロの温床になっていきました。14年からは、イラクからシリアにかけて過激組織ISが勢力を拡大。15年11月にはパリでISによる同時多発テロが発生するなど、テロの波は欧州諸国にも押し寄せるようになりました。

自己破滅的行為
ポストンにあるノースイースタン大学のバレンタイン・モガダム教授は、20年間を振り返って、「結局のところ『テロをなくす戦争』というのは全くの偽善であり、自己破滅的な行為だった」と批判します。「特にISは米国自身がつくり出したものだ」と強調しました。
アフガンでは米軍が撤退を急ぐなかで8月26日に過激組織IS系武装集団による自爆テロが発生。米兵を含む約180人が犠牲になりました。バイデン政権は翌27日には無人機で報復攻撃を実施しました。バイデン氏は撤退完了を宣言した31日の演説でテロに加わる者を「地の果てまで追い詰めて代償を支払わせる」と述べました。
フォーダム大学ロースクールのカレン・グリーンバーグ教授は米誌『ネーション』で、対テロ戦争は休戦協定を結ぶ相手のある通常の戦争とは違うと強調。テロに武力で報復するというやり方では「戦争が永遠に続くだろう」と指摘しています。
前出のモガダム教授は「20年間の失敗について検証が必要だ。米軍の介入で世界を不安定にさせた責任について、米国民は共和・民主の歴代政権の責任を問わねばならない」と話します。
(ワシントン=島田峰隆)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年9月11日付掲載


同時多発テロ事件の数カ月後、アメリカブッシュ政権はアルカイダの犯行だと断定。その本拠地のアフガニスタンを空爆。それまで聞いたことのなかった「アルカイダ」という組織。
当時、「良く判ったな」「すごい情報網だな」と言う思いと、なぜ国際政治で批判することなく、いきなりアフガニスタンを攻撃するのかという憤りがありました。
20年経ったいまもテロは無くなっていません。バイデン大統領もアフガニスタン、イラク戦争の反省の色なし。

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