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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

部活動の地域移行 実証事業にみる① 生徒の自主性を尊重

2023-01-17 07:11:09 | スポーツ・運動について
部活動の地域移行 実証事業にみる① 生徒の自主性を尊重

学校での部活動について政府は、2023年度から地域への移行を進める計画です。当面、土・日の部活動指導を地域のスポーツ団体やボランティア、民間業者などに委ねるというもの。教員の負担軽減などが理由ですが、地域に受け皿がないなど批判が噴出し、当初の25年度までに移行という目標を取り下げました。実情はどうか、文部科学省の実証事業で昨年度から地域移行を開始した中学校を取材し、考えました。
(井上拓大)

「きつい練習もありますが、練習の目的が明確で、部員の意見も聞き入れてくれる指導なので、自分から挑戦したいという思いが強くなります」



練習する稲枝中学校のソフトテニス部(同校提供)

以前から協力
滋賀県彦根市の市立稲枝中学校でバドミントン部に所属する2年の生徒は、地域移行になった土・日の練習についてこう語りました。「なぜこの練習をするのか」をちゃんと指導者から教えてもらえることが魅力で、とても楽しく、成長を実感しているといいます。
バドミントン部顧問の教員(25)は「生徒たちはイキイキし、とても上達した生徒も多い。私自身も地域指導者から競技に関する知識を教わることができた」と語りました。
稲枝中では22年度の時点で、バスケットボール(男女別)、卓球(男女混合)、ソフトテニス、剣道、バドミントン、バレーボールの七つの部活について土・日の活動の指導を地域に移行しています。
指導しているのは会社員、保護者、元同校教員など。同校の卒業生もいます。活動場所は同校の体育館やグラウンドが中心です。
地域部活動の運営主体になっているのは稲枝地区学校支援協議会です。木村輝男事務局長は、以前から地域の人たちが部活動に協力的であり、ボランティアで顧問とともに生徒を見守っていたため、円滑に地域移行を進めることができたと説明します。「担当する部活への深い知識だけでなく、生徒たちのことを理解した指導力があります」と話します。

楽しい指導を
稲枝中の北村功校長も、「地域指導者には教員経験のある人も多く、子どもたちの人間性を育てることを意識して指導しています」と強調します。活動目標の一つに「多様な学びの場であり、自主的な取り組みの場である」を掲げています。
ソフトテニス部の顧問を務める教員(41)は、当初は先生と地域指導者のどちらの指導を優先すればよいか困惑する生徒もいたが、生徒と話し合う中で、解決していったといいます。地域の指導者とはよく対話し「勝つためだけの指導にはしないでほしい」と伝えました。
「生徒たちの『スポーツが楽しい』という気持ちを尊重する指導をお願いしました。自主性を尊重し、楽しい指導で生徒たちはとても満足しています」と述べました。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年1月15日付掲載


滋賀県彦根市の市立稲枝中学校でバドミントン部に所属する2年の生徒は、地域移行になった土・日の練習についてこう語りました。「なぜこの練習をするのか」をちゃんと指導者から教えてもらえることが魅力で、とても楽しく、成長を実感。
地域部活動の運営主体になっているのは稲枝地区学校支援協議会です。木村輝男事務局長は、以前から地域の人たちが部活動に協力的であり、ボランティアで顧問とともに生徒を見守っていたため、円滑に地域移行を進めることができた。
でも、それはまれな例ではないでしょうか。

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