逃げる政権迫る野党 臨時国会40日① 菅首相答弁拒否111回
新型コロナウイルス対策や日本学術会議会員候補の任命拒否問題などが「焦眉の大問題」となった第203臨時国会。逃げ回る菅政権を野党がどう追い詰め、どんな成果が生まれたのか。
「お答えを差し控える」―菅義偉首相の“お得意”となったフレーズです。菅首相が臨時国会中に「答弁」や「説明」などを「控える」として答弁拒否した回数を本紙が集計したところ、11月30日まで計111回にのぼりました。
このうち学術会議関連が最も多く51回を占めます。「学問の自由」を保障するため、首相の任命は「形式的」だとしてきた解釈を百八十度変え、6人の会員候補を任命拒否した重大問題でした。
首相はその理由を問われ、「総合的・俯瞰(ふかん)的観点」「多様性の確保」などくるくる説明を変更。日本共産党の志位和夫委員長の衆院予算委質問(11月4日)では、「6人を任命すると(学術会議の)『総合的・俯瞰的活動』に支障をきたすのか」と問われ、「人事に関することでお答えは差し控えたい」。「多様性の確保」を挙げながら、なぜ女性研究者を拒否したのか、その大学から1人の候補を拒否したのか、いずれも答えられず、根拠は総崩れとなりました。そのたびに「答えを差し控え」たのです。
参院では「推薦前の調整が働かず、結果として任命に至らなかった」と新たなウソまで持ち出す始末。11月6日の予算委では、小池晃書記局長から「露骨な『政治介入宣言』だ」と糾弾されしどろもどろに。この質問では、「人事のプロセスの説明は差し控える」と壊れたレコードのように14回も繰り返し、ついに答弁に立てなくなりました。
次々と差し出される役人のメモの棒読みに、議場は「自分で答弁しろ」「自助、自助」のヤジで騒然となり、審議はたびたび中断しました。
国会終盤に再浮上した安倍晋三前首相による「桜を見る会」疑惑でも、菅首相の答弁拒否は20回を超えました。
答弁に立てず、職員からのメモを受け取る菅義偉首相
もともとコロナ危機のもと、就任(9月16日)から足掛け40日も政権の所信を示さなかった菅首相。記者会見も就任会見以来、短時間の「ぶら下がり会見」を除き、閉会前日まで開かず、国民への説明責任も果たしませんでした。H
コロナ感染「第3波」といわれるなか、感染爆発の阻止や、「年を越せない」という国民の苦難への緊急対応などの議論を放棄し、野党の会期延長要求も無視して、短い会期のまま閉会を強行した政府・与党。
志位氏は「菅首相の前任者を上回る強権ぶり、冷酷さ、そして国民に説明する意思も能力もない。そういう姿勢が早くも浮き彫りになりました」(12月4日、党国会議員団総会)と指摘しました。(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年12月6日付掲載
派閥の力で総裁に選ばれた菅さん。
官房長官の時も記者会見でまともに応えなかった菅さん。
首相になると委員会で一対一の質問に応えないといけない。もともとその能力がなかったってことかな。
新型コロナウイルス対策や日本学術会議会員候補の任命拒否問題などが「焦眉の大問題」となった第203臨時国会。逃げ回る菅政権を野党がどう追い詰め、どんな成果が生まれたのか。
「お答えを差し控える」―菅義偉首相の“お得意”となったフレーズです。菅首相が臨時国会中に「答弁」や「説明」などを「控える」として答弁拒否した回数を本紙が集計したところ、11月30日まで計111回にのぼりました。
このうち学術会議関連が最も多く51回を占めます。「学問の自由」を保障するため、首相の任命は「形式的」だとしてきた解釈を百八十度変え、6人の会員候補を任命拒否した重大問題でした。
首相はその理由を問われ、「総合的・俯瞰(ふかん)的観点」「多様性の確保」などくるくる説明を変更。日本共産党の志位和夫委員長の衆院予算委質問(11月4日)では、「6人を任命すると(学術会議の)『総合的・俯瞰的活動』に支障をきたすのか」と問われ、「人事に関することでお答えは差し控えたい」。「多様性の確保」を挙げながら、なぜ女性研究者を拒否したのか、その大学から1人の候補を拒否したのか、いずれも答えられず、根拠は総崩れとなりました。そのたびに「答えを差し控え」たのです。
参院では「推薦前の調整が働かず、結果として任命に至らなかった」と新たなウソまで持ち出す始末。11月6日の予算委では、小池晃書記局長から「露骨な『政治介入宣言』だ」と糾弾されしどろもどろに。この質問では、「人事のプロセスの説明は差し控える」と壊れたレコードのように14回も繰り返し、ついに答弁に立てなくなりました。
次々と差し出される役人のメモの棒読みに、議場は「自分で答弁しろ」「自助、自助」のヤジで騒然となり、審議はたびたび中断しました。
国会終盤に再浮上した安倍晋三前首相による「桜を見る会」疑惑でも、菅首相の答弁拒否は20回を超えました。
答弁に立てず、職員からのメモを受け取る菅義偉首相
もともとコロナ危機のもと、就任(9月16日)から足掛け40日も政権の所信を示さなかった菅首相。記者会見も就任会見以来、短時間の「ぶら下がり会見」を除き、閉会前日まで開かず、国民への説明責任も果たしませんでした。H
コロナ感染「第3波」といわれるなか、感染爆発の阻止や、「年を越せない」という国民の苦難への緊急対応などの議論を放棄し、野党の会期延長要求も無視して、短い会期のまま閉会を強行した政府・与党。
志位氏は「菅首相の前任者を上回る強権ぶり、冷酷さ、そして国民に説明する意思も能力もない。そういう姿勢が早くも浮き彫りになりました」(12月4日、党国会議員団総会)と指摘しました。(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年12月6日付掲載
派閥の力で総裁に選ばれた菅さん。
官房長官の時も記者会見でまともに応えなかった菅さん。
首相になると委員会で一対一の質問に応えないといけない。もともとその能力がなかったってことかな。
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