2024年度 概算要求の焦点③ 公共事業 軍事強化インフラ整備
公共事業関係費の国土交通省分は、2023年度当初予算から19%増の6兆2909億円を要求しました。
内容は示さず
概算要求には、新たに「国民保護・総合的な防衛体制の強化等に資する公共インフラ整備」を盛り込みました。昨年12月、岸田政権が国民の批判を押し切り閣議決定した「安保3文書」(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)のうち「国家安全保障戦略」等に基づきます。経費は要求額を提示しない事項要求とし、しかも取り組みの具体的な内容は示していません。デュアルユース(民生技術の軍事利用)、滑走路の延長・強化など空港・港湾を軍事にも利用できるようにするものです。
21年度から始まった「防災・減災、国土強じん化のための5カ年加速化対策」関連予算も事項要求です。気候変動による水害、土砂災害等の激甚化に対応する河川整備など「流域治水」の加速化・強化に同26%増の8002億円を計上しました。
治水ダムの建設、利水ダムも含む既設ダムの徹底活用なども「流域治水」対策の一つです。国は、広島県の太田川にダムを新設するなどの計画に着手します。自治体向けの防災・安全交付金に、9943億円を計上。5月施行の盛土規制法に基づく、盛り土の安全確保対策を含みます。


東京外環道陥没事故の地盤補修を行う工事現場=東京都調布市
大型開発温存
大企業優遇の大型開発予算は、依然として温存しています。東京都調布市で陥没事故を起こし、地盤補修工事によるあらたな健康被害が起きている東京外環道を含む三大都市圏環状道路の整備推進などに、同20%増の4471億円を求めました。
整備新幹線の整備には、同額の804億円を要求。今春の着工を断念した北陸新幹線の延伸計画について、本来なら工事認可後に取り組む調査を「先行的・集中的に行う」としています。「着工先にありき」の姿勢です。
来年4月からトラック運転手の時間外労働の上限が規制される「2024年問題」。担い手の確保・育成や物流の効率化などに183億円を計上しました。モーダルシフト(トラック輸送を鉄道輸送等へ移行)は事項要求としました。
公共施設の管理・運営を民間任せにするPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)/PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)の推進では、昨年、宮城県で水道民営化が強行される中、上下水道・工業用水道事業を対象にした「ウォーターPPP」に約40億円計上しています。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年9月14日付掲載
21年度から始まった「防災・減災、国土強じん化のための5カ年加速化対策」関連予算も事項要求。気候変動による水害、土砂災害等の激甚化に対応する河川整備など「流域治水」の加速化・強化に同26%増の8002億円を計上。
大企業優遇の大型開発予算は、依然として温存。
来年4月からトラック運転手の時間外労働の上限が規制される「2024年問題」。担い手の確保・育成や物流の効率化などに183億円を計上。
公共事業関係費の国土交通省分は、2023年度当初予算から19%増の6兆2909億円を要求しました。
内容は示さず
概算要求には、新たに「国民保護・総合的な防衛体制の強化等に資する公共インフラ整備」を盛り込みました。昨年12月、岸田政権が国民の批判を押し切り閣議決定した「安保3文書」(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)のうち「国家安全保障戦略」等に基づきます。経費は要求額を提示しない事項要求とし、しかも取り組みの具体的な内容は示していません。デュアルユース(民生技術の軍事利用)、滑走路の延長・強化など空港・港湾を軍事にも利用できるようにするものです。
21年度から始まった「防災・減災、国土強じん化のための5カ年加速化対策」関連予算も事項要求です。気候変動による水害、土砂災害等の激甚化に対応する河川整備など「流域治水」の加速化・強化に同26%増の8002億円を計上しました。
治水ダムの建設、利水ダムも含む既設ダムの徹底活用なども「流域治水」対策の一つです。国は、広島県の太田川にダムを新設するなどの計画に着手します。自治体向けの防災・安全交付金に、9943億円を計上。5月施行の盛土規制法に基づく、盛り土の安全確保対策を含みます。


東京外環道陥没事故の地盤補修を行う工事現場=東京都調布市
大型開発温存
大企業優遇の大型開発予算は、依然として温存しています。東京都調布市で陥没事故を起こし、地盤補修工事によるあらたな健康被害が起きている東京外環道を含む三大都市圏環状道路の整備推進などに、同20%増の4471億円を求めました。
整備新幹線の整備には、同額の804億円を要求。今春の着工を断念した北陸新幹線の延伸計画について、本来なら工事認可後に取り組む調査を「先行的・集中的に行う」としています。「着工先にありき」の姿勢です。
来年4月からトラック運転手の時間外労働の上限が規制される「2024年問題」。担い手の確保・育成や物流の効率化などに183億円を計上しました。モーダルシフト(トラック輸送を鉄道輸送等へ移行)は事項要求としました。
公共施設の管理・運営を民間任せにするPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)/PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)の推進では、昨年、宮城県で水道民営化が強行される中、上下水道・工業用水道事業を対象にした「ウォーターPPP」に約40億円計上しています。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年9月14日付掲載
21年度から始まった「防災・減災、国土強じん化のための5カ年加速化対策」関連予算も事項要求。気候変動による水害、土砂災害等の激甚化に対応する河川整備など「流域治水」の加速化・強化に同26%増の8002億円を計上。
大企業優遇の大型開発予算は、依然として温存。
来年4月からトラック運転手の時間外労働の上限が規制される「2024年問題」。担い手の確保・育成や物流の効率化などに183億円を計上。
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