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日本共産党兵庫県委員会で働いています。

どうみる 「安全神話」、菅内閣巡る“不信任劇” 原発と時代の転換期

2011-06-10 21:04:20 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
どうみる 「安全神話」、菅内閣巡る“不信任劇”
原発と時代の転換期


 日本共産党の不破哲三社会科学研究所所長の講演「『科学の目』で原発災害を考える」(5月10日)がマスコミでも注目されています。不破氏の講演記録を読んだ元「朝日」コラムニストの早野透・桜美林大学教授に、原発災害、菅内閣をめぐる不信任問題について聞きました。 三浦誠記者、撮影・野間あきら記者

はやの・とおる 1945年生まれ。朝日新聞入社後、政治部次長、編集委員、コラムニストを歴任。現在、桜美林大学教授(メディア・政治ジャーナリズム)

不破哲三さんが、「『科学の目』で原発災害を考える」と講演されました。どういうことだろうと、興味深く「赤旗」(5月14日付)で読んだんです。面白く、サスペンスあるストーリーで、一気に読んでしまいました。



戦争のための未完成な技術
 「そうか!」と思ったのは、もともと原子炉は潜水艦の動力として戦争のために急いで開発されたがゆえに未完成な技術だ、ということです。このことが今日にいたるまでの根本的な問題状況なんだということを教えられました。テレビ番組でこの話をすると、司会の愛川欽也さんが非常に感心して「なるほど」と。(笑い)
 もうひとつ感心したのは、不破さんが1976年から、国会で根本的な問題提起をしていたということ。
 ―日本では原発の安全審査は大学の先生がアルバイトでしている。スリーマイル島(米国)原発事故の根源には「安全神話」があった。危険を知りながら地震地帯に浜岡原発を設置。原発の推進と規制の分離もできていない・・・
 使用済み核燃料は、10万年も管理が必要だとも。今から10万年前というと、ネアンデルタール人の時代だそうですな。
 いま問題になっていることは、一連の質問で全部とりあげられていたんだな。と。




大手メディア「第二の敗北」
 この問題でメディアはどうだったのでしょうか。1945年8月15日の日本の敗戦がメディアの「第一の敗北」とすると、2011年3月11日は「第二の敗北」です。
 前者は、いうまでもなく国策としての戦争を「日本の生命線」とメディアがあおったこと。戦後、メディアはコ一度と加担しない」と再出発したはずです。
 戦後は経済成長が国策になり、原子力発電はいわばその中枢的なテーマになりました。メディアもちょっと首をかしげながら応援し、今度は「経済が日本の生命線」だとあおった。
 とくに大手メディアは、原発に警告を発してきた学者を、ほとんど登場させなかった。国策をうのみにし、結局、今日の事態に至ったことを思うと、第二の敗北です。不破さんのいう「科学の目」で考えると、「安全神話」には合理性がないとまず気づくべきでした。
 今後は、原発から撤退する方向で着実に推進していくしかない。原発事故で住んでいたところを去らねばならない人のことを思うと、いま隣に原発を建てることを認める人はいませんよ。
 脱原発を次なる国是にしていくような時代の転換期です。次の国政選挙は、原発を大きなテーマにしたらいいと思っています。

中曽根、田中体制が破たん
 原発を推進した政治家は、自民党の中曽根康弘さん。それを一種の地域開発に結び付けたのが田中角栄さん。乱暴に言えば「札束でほっぺたをひっぱたく」ことと、「安全神話」で住民を納得させてきた。今の事態は、中曽根プラス田中の政治体制の巨大な破たんなんですね。
 東京電力というのは、日本資本主義のいわば正規の主流です。公益事業であり、すべての産業の基盤であり、かつ地域独占である。一種のエネルギーファシズムですよね。それが「財界」というものの中心にどかんと座っていた。
 自民党が一番堂々と後ろめたくなく付き合える相手が東電だった。東電の利益と自民党の利益は「日本経済の発展」という名目で、離れがたく結びついていた。原発事故は、その結末だったのでしょう。

民主と自民がメルトダウン
 私も、何度か被災地にいきました。炊き出ししたり、がれき処理に必要なスコップを持っていったり。
 避難所では元看護師の女性が、男性陣を従えてプールからトイレに水を運ぶパイプを作っていました。みんな家族を失ったり、家を失ったりすさまじい体験のなかで生きている。それでも、自分より人の命を気遣っています。
 被災地で一番しっかりしているのが普通の人々。次に必死にがんばっているのが自治体の長。まったく無能力をさらしたのが中央政治。菅内閣への不信任騒ぎで、無残に暴露されました。政治のメルトダウンです。
 共産党は不信任決議案に棄権しましたね。あの騒ぎで、どっちかに加勢するというのは、恥ずかしいことですよ。棄権して本当によかったと思います。
 今回は自民党と小沢一郎民主党元代表が、とりあえず「菅おろし」で一致して手を組んだ。大義のない話は、やっぱり破たんするんです。猿芝居というとサルに悪い(笑い)ので「三文芝居」だといいましょう。
本当に国民を第一に思いやる政治ではなかったとしか言いようがない。政治は被災地のために力あわせてやってよ、というのが被災者の願いでしょう。
 共産党には、震災を材料にした政争には加わらず、批判と監視の目を向け続けてもらいたい。まさに国家の危機、国民の危機です。みんなの知恵を出し合う以外にありません。しっかりした意見を言い続けてほしいですね。


「しんぶん赤旗」日曜版 2011年6月12日付掲載


不破哲三氏の講演「『科学の目』で原発災害を考える」は5月10日、日本共産党本部で開かれた「第4回古典教室」で時事的な補講として話したもの。全文と資料はパンフレットとして発行されています。講演は党ホームページでも見ることができます。

【「科学の目」で原発災害を考える】



「しんぶん赤旗」に元とはいえ、朝日新聞の有名コラムニストがコメントを写真入りで寄せるってことは時代の変化なんでしょうか・・・

今は昔、「朝日新聞」は進歩的と言われた時代がありました・・・。しかし、特に1980年の「社公合意」以降、体制よりの報道に変わっています。
今回の原発事故の初動報道でも「朝日」の反動ぶりは抜きんでていました。
まさに「安全神話」を体現化したものでした。


東日本大震災 「福島第一原発の炉心溶融」 各紙の報道の違い・・・(2011.3.13 My Blog)


その元朝日のコラムニスト、早野透さんが、「安全神話から抜け出せなかった政府の問題」「メディアも敗戦に続く「第二の敗北」だ。国策を鵜呑みしたこと」「次の国政選挙は「脱原発」をテーマに」「その中で、自民と民主が政権をあらそって「猿芝居」をした。猿と言ったら猿に悪いので、「三文芝居」」と・・・。


いろんな立場の人から、「脱原発」「自然エネルギーへの転換」など世論を起こしていけるでしょうね・・・

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