2020年11月25日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[英国EU離脱 フランス漁業者は経営破綻を恐れる]
英国EU離脱にともない、漁業分野のほか、双方の経済、外交等の条件を決める同国とEUの交渉がまとまらず、目標妥結期限の延長を繰り返す中、刻々と移行期間の終了が迫ってきている。
かかる状況下、合意なき離脱の場合、EUの漁業海域における漁船は過密状態となり、フランス漁業者は経営破綻することを恐れている。
フランス大統領Emmanuel Macronは、英国漁業海域への自国漁船のアクセスを維持しようと試み、貿易交渉が始まって以来、これが議論の中心となっている。
先に、Emmanuel Macronは、フランス漁業者のために、戦うことを誓っている。
フランス漁業者は、合意が成立せず、英国海域にアクセスできなくなった場合、生活に甚大な影響を与える可能性があると考えている。
漁業情報機関のデータによると、英国海域における漁獲量は、英国漁船が32%、EU漁船は43%、そして非EU加盟国のノルウエーが21%となっている。
このデータはEUの国々が英国海域に強く依存していることを示している。
フランスは、2012年-2016年、年間12万トン、1億9,200万ユーロ(240億円:¥200/kg)相当を漁獲している。
また、オランダとデンマークも、ぞれぞれ1億100万ユーロ相当となっている。
一方、英国漁船が、同期、フランス海域で漁獲した金額は1,900万ユーロ(23億7,500万円)に過ぎない。
フランス漁業団体は、合意なき離脱の場合、EU漁船の活動海域がいかに狭まるかを指摘、小さな漁場にEU各国の漁船が集中し、資源の争奪が始まり、一機に共倒れ、破綻に向かうと危惧している。
(報告担当者 原口聖二 1ユーロ:125円で換算)
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