ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
http://kisenren.com
一般社団法人北洋開発協会

国際指名手配 極東のカニ王アレッグ・カンの死亡情報をミディアが伝える

2023-03-02 12:30:53 | 日記

 

2023年03月02日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[国際指名手配 極東のカニ王アレッグ・カンの死亡情報をミディアが伝える]

国際指名手配を受けている極東のカニ王と称されたアレッグ・カンの死亡情報を現地ミディアが一斉に伝えている。

死因は膵臓癌とされている。

但し、公判を抱えている司法当局は、公式的な情報を確認できていない。

アレッグ・カンには2014年から2015年、カニを輸出する際、製品価値を過小評価し脱税した疑いがかけられている。

製品はパナマの会社への通関価格で輸出申告されたが、実際には、はるかに高い価格で日本の企業へ輸出され、ロシア国家の損害は2億1,300万ルーブルと見積もられている。

また、アレッグ・カンには、2010年にウラヂオストクで殺害された同業他者ワレリイ・プヒデンコ事件への関与の疑いがかけられている。

アレッグ・カンは、1967年ネヴェリスク生まれで、日本との合弁企業を振出に、カニ漁業にかかわり、極東の“カニ王”と呼ばれるまでになった。

さらに、ウラヂオストクの大型商業施設を所有する実業家になったものの、かかる状況下、自身は海外に滞在しているとされていた。

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日本のロシア造船業界への制裁措置が更新される

2023-03-01 15:22:35 | 日記

 

2023年03月01日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[日本のロシア造船業界への制裁措置が更新される]

日本政府は2023年2月28日、ウクライナ情勢に関するロシアへの追加制裁として、48個人、74団体、そして“ロスバンク”(Росбанк)に対する資産凍結、輸出禁止等を決定した。

これにより、ロシアの造船、船舶運輸業界の対象は次のとおりとなる。

(造船業界)

①“バルチスキー工場”(Балтийский завод)

②“アドミラルテイスキー造船所”(Адмиралтейские верфи)

③“TsKB MT ルビン”(ЦКБ МТ "Рубин)

④中央船舶修理“ズヴェズドチカ”(Центр судоремонта "Звездочка")

⑤“船舶輸出”(Судоэкспорт)

⑥“ラハタ・パルク”(Лахта парк)

(船舶運輸業界)

⑦国営単一企業“アトムフロート”(ФГУП "Атомфлот")

(“アトムフロート”:世界で唯一の原子力砕氷船を運用する企業でありロスアトムの子会社)

先に EUが ロシアの造船・船舶修理業界に制裁措置をとっていた。

これらは、設計、舶用機器メーカ、業界研究機関等、造船所ばかりでなく、関連業界にも影響を与えている。

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ロシア スケトウダラ高次加工製品 国内市場 ほぼ完全に国産代替

2023-03-01 13:16:52 | 日記

20223年03月01日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア スケトウダラ高次加工製品 国内市場 ほぼ完全に国産代替]

昨年2022年、ロシア漁業におけるスケトウダラ製品は、国内市場において、輸入製品をほぼ完全に代替し、国産製品に置換、当該漁業の高次加工化戦略の結果を見せた。

これまで、ロシア漁業は洋上でH&G(ドレス)を中国へ輸出し、中国がそれを原料にフィレ加工することを主流としてきた経緯があり、一部製品が逆輸入されていた。

また、ロシアのカニカマ・メーカは、2014年のクリミア併合にかかる制裁措置以前は米国から、それ以後は日本などから原料として冷凍すり身を輸入していた。

昨年2022年、ロシア漁業は、国内市場に18万3,000トンのスケトウダラ製品を供給した。

輸入は、フィレ134トン、すり身24トンで、わずか158トン、市場の1%未満にとどまった。

2014年以降、輸入スケトウダラ製品の供給量は、1/130に減少したことになる。

昨年2022年、ロシア漁業は、H&G等冷凍スケトウダラ、フィレ、ミンス、すり身等の製品を98万7,000トン生産し、18万3,000トンを国内市場へ供給した。

これは、原魚ベースでロシアのスケトウダラの漁獲量の20%(報告担当者 原口聖二:歩留まり50%と推察)に相当し、国民1人あたり約2.6kg、水産物製品全体の約12%の消費量となっている。

価格も一定水準で現在、安定をみせている。

インデクスとなるH&G/25cmアップ卸売価格(ウラヂオストク倉庫前)については、中国税関当局が、2022年1月10日から、コンテナ積み替え物流ばかりでなく、要件を満たすロシア冷凍運搬船の水産物製品の受け入れを再開したことで、ロシア業界のマインドに影響を与え、低迷価格が底を打ち、86ルーブル/kgとなり、回復への傾向が確認された。

その後、2022年3月までの間、86ルーブル/kgが維持され、それより先の同年2月24日に始まったロシアのウクライナへの軍事行動により、韓国等、海外市場に調達不安、先行きの不透明感が広がり、その余波を受け同年4月中旬、瞬間風速的に価格は103ルーブル/kgに達した。

しかし、それも落ち着きを見せ、2022年5月中旬に94ルーブル/kg、同月末には84ルーブル/kgまで下がり、その後やや上向き8月初め90ルーブル/kgとなって10月中旬までこれが維持された。

10月末には92ルーブル/kgに再び上向き傾向を見せ、11月上旬に100ルーブル/kgとなり、その後、同中旬に95ルーブル/kgに下がり、再び90ルーブル/kg水準に戻って、12月中旬に78ルーブル/kgとなったが、長期的にみて高水準で、2023年明けから2月中旬でもこれを(1.8円/ルーブル:約140円/kg)維持している。

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