ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
http://kisenren.com
一般社団法人北洋開発協会

2024年09月12日付“みなと新聞ニュースレター”は、同年漁期、北海道の秋サケ漁の出足が低調で、ロシアのシロザケも振るわないとリポートしている

2024-09-13 12:12:23 | 日記

2024年09月13日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[道秋サケ漁出足低調 露シロサケも振るわず]

2024年09月12日付“みなと新聞ニュースレター”は、同年漁期、北海道の秋サケ漁の出足が低調で、ロシアのシロザケも振るわないとリポートしている。

 

2024年09月12日【みなと新聞ニュースレター】

今月漁期入りした北海道の秋サケ定置網漁は、漁期前の予想通り低調なスタートとなっています。

北海道漁連がまとめた9日までの累計水揚量は301トンで前年同期の3割にとどまっています。

一方、北海道に隣接するロシアのサハリン州のシロサケ漁獲量も8月末までに4280トンで7割の水準と北洋開発協会(北海道機船漁業協同組合連合会内)がリポートしています。

6月に始まったロシアの極東地方太平洋サケ・マス漁は漁期前の研究機関の漁獲勧告(予測)通りカラフトマスの不漁が確定、8月末までの総漁獲量は20万9330トンにとどまっており、前年同期比63%減、直近偶数年の2022年同期比で8%減となっています。  

2000年代初頭には10万~15万トンあった北海道のサケ漁獲量は、近年は5万トン前後と歴史的な低迷が続いており、今年も厳しい漁況が想定されています。

道総研さけます・内水面水産試験場が6月下旬に公表した今年の秋サケ来遊予測(沿岸・河川捕獲の合計)は1702万9000尾。前年実績(2256万6000尾)の24・5%減で、過去最低の17年(1737万尾)を下回ります。昨年の沿岸漁獲数は1921万8000尾で、漁獲量が5万3000トン(道漁連集計)でした。

今年の漁獲量は5万トン割れも想定されているようです。  

一時的に漁獲が回復した22年(7万9000トン)には魚価は下落し、イクラや親製品市況は修正局面となりました。

23年当初の好漁予測もあって昨漁期中盤まで生鮮を中心に値頃感を維持しました。

その後の不振で浜高に転じたものの、23年の全道平均単価はキロ615円と前年から1割前後安でした。

今年はまだはしりとあって雌が上値2000円、雄も高値にあります。  

今期の魚価を左右するイクラは、昨年の生産量が少なかったこともあり、「新物までのつなぎを加味しても昨年産消化のめどは立つ。

ただ不漁予測だからといって過度な浜値過熱は禁物」(加工筋)と警鐘を鳴らしています。

ロシアのマスも不漁で推移しており、ロシア国内や欧州で需要が強く、流通関係者は鮭卵市況全体の高値を警戒しています。  

ロシアの8月末までのサケ・マス主要魚種別内訳は、カラフトマスが13万5540トンで全体の65%を占め、シロサケが3万1470トンで15%、ベニサケが3万5470トンで17%となっています。

ベニサケの漁獲量は近年安定しており、前年同期比2%減の生産で予測量を上回りました。

「供給体制に大きな変化をもたらすものはない」と北洋開発協会は予想しています。

今後はシロサケの漁獲がどの程度まで伸びるかで、低調ならサケ・マス最終漁獲量が予測量を下回る30万トン前後に落ち込む可能性もあります。

ロシアは22年27万トン、23年60万トンとカラフトマス漁いかんで総漁獲が大きく変動してきました。

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#94 洋上風力発電と漁業 海外の経験 英国 米国MA沖ブレード事件同社製 DGバンクでも破壊頻発

2024-09-13 11:12:02 | 日記

 

2024年09月13日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[#94 洋上風力発電と漁業 海外の経験 英国 米国MA沖ブレード事件同社製 DGバンクでも破壊頻発]

日本での先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。

世界中の漁業者は共通に、洋上風力発電プロジェクトについて、自らが知らない間に選定地が決まって唐突に説明会が始まり、漁業当局に十分なヒアリングを行うことなく、他の部局が主導する地方自治体の前傾姿勢による拙速な取り組みが行われ、事業開発者から漁業分野の科学的知見を理解しようとしない姿勢を感じていると指摘している。

一方、新型コロナウイルスのパンデミックを発端とするサプライチェーンの混乱は、ウクライナ紛争で一段と深刻化しており、輸送コストや原材料費の高騰、金利の上昇、そして、インフレにより、風力発電事業者の利益が圧迫され、内容が悪化しており、このような環境で、漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、はなはだ疑問な状況が伝えられている。

2024年7月13日、マサチューセッツ州沖の“ヴィンヤード・ウインド”(Vineyard Wind)社による洋上風力発電開発プロジェクトのタービンが破壊、その後、ブレードの残骸がナンタケット島に打ち寄せられ、危険でありビーチが閉鎖される等の事態が発生、米国安全環境執行局(BSEE)は、風力発電所の建設と操業を一時停止する命令を発出する事件が起きた。

このプロジェクトのブレードはグラスファイバー製で残骸とともにガラス繊維が漂着、住民説明会において人体への被害、周辺海域の海洋汚染、魚の食物連鎖を危惧する指摘、意見等が噴出した。

2024年9月12日付“The New York Times”紙(WEB)は、”漁業者の怒りとコスト高騰が洋上風力を遅らせる“と題し、当該事件が引き金となり、マサチューセッツ州とイングランド沿岸沖合でのプロジェクトが遅延しており気候変動に対する目標を脅かす可能性があると伝え、“新しいクリーン・エネルギー事業が漁業にもたらす危険性に関する最悪の懸念を裏付けた”とした上で、“リセットの必要がある”とのアナリストの意見を紹介した。

2024年9月初め、世界最大規模の英国ドッガー・バンク風力発電所の試運転中に長さ107mの“ヴィンヤード・ウインド”事件と“同一メーカー”、“同一デザイン”の風力タービンブレードが破壊していたことが確認されたと英国漁業専門紙が伝えている。

事故の詳細について開発事業者側は口を閉ざしている。

このブレードはGEヴェルノヴァ(GE Vernova)社製で、直近の破壊は、この3ケ月間で3度目とされている。

英国"全国漁業者団体連合"(The National Federation of Fishermen's Organisations)は、「もしこれが稼働中に故障し漁船が風力発電周辺海域で操業していたらどうなったか? このような事故や、ケーブルの露出などのその他のリスクも増加傾向にあり、洋上風力発電周辺海域での操業の安全性が疑問視される」と表明した。

洋上風力発電において、先行する英国の再生可能エネルギー財団“Renewable Energy Foundation”は2020年11月、レポート“風力発電の経済-レトリック(美辞麗句)と現実”を発表している。

この中で、洋上風力発電プロジェクトのコストの予測は、押しなべて規模の拡大と経験効果によって、設置容量の増加にともない平均コストが低下すると説明されているが、現実には、容量が増加するたびに発電コストは上昇しており、その重要な要因の一つに、予想以上に早期に多発する故障にあると指摘している。

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#93 洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国 MA沖ブレード破壊 “The New York Times” 新しいクリーン・エネルギー事業が漁業にもたらす危険性に関する最悪の懸念を裏付けた

2024-09-13 11:11:26 | 日記

 

2024年09月13日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[#93 洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国 MA沖ブレード破壊 漁業者の怒りとコスト高騰が洋上風力発電を遅らせる]

“The New York Times” “新しいクリーン・エネルギー事業が漁業にもたらす危険性に関する最悪の懸念を裏付けた” “リセットの必要がある”

日本での先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。

世界中の漁業者は共通に、洋上風力発電プロジェクトについて、自らが知らない間に選定地が決まって唐突に説明会が始まり、漁業当局に十分なヒアリングを行うことなく、他の部局が主導する地方自治体の前傾姿勢による拙速な取り組みが行われ、事業開発者から漁業分野の科学的知見を理解しようとしない姿勢を感じていると指摘している。

一方、新型コロナウイルスのパンデミックを発端とするサプライチェーンの混乱は、ウクライナ紛争で一段と深刻化しており、輸送コストや原材料費の高騰、金利の上昇、そして、インフレにより、風力発電事業者の利益が圧迫され、内容が悪化しており、このような環境で、漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、はなはだ疑問な状況が伝えられている。

2024年7月13日、マサチューセッツ州沖の“ヴィンヤード・ウインド”(Vineyard Wind)社による洋上風力発電開発プロジェクトのタービンが破壊、その後、ブレードの残骸がナンタケット島に打ち寄せられ、危険でありビーチが閉鎖される等の事態が発生、米国安全環境執行局(BSEE)は、風力発電所の建設と操業を一時停止する命令を発出する事件が起きた。

このプロジェクトのブレードはグラスファイバー製で残骸とともにガラス繊維が漂着、住民説明会において人体への被害、周辺海域の海洋汚染、魚の食物連鎖を危惧する指摘、意見等が噴出した。

2024年9月12日付“The New York Times”紙(WEB)は、”漁業者の怒りとコスト高騰が洋上風力を遅らせる“と題し、当該事件が引き金となり、マサチューセッツ州とイングランド沿岸沖合でのプロジェクトが遅延しており気候変動に対する目標を脅かす可能性があると伝え、“新しいクリーン・エネルギー事業が漁業にもたらす危険性に関する最悪の懸念を裏付けた”とした上で、“リセットの必要がある”とのアナリストの意見を紹介した。

グラスファイバーやその他の原材料の破片が潮の流れとともに漂流し、ナンタケット島海岸は閉鎖を余儀なくされ、漁業者は漁船に及ぼす脅威、特に破片を避けるのが難しい夜間航行に懸念を抱いている。

長さ300フィートを超えるブレードの破壊は40億ドルのプロジェクトに現在も影響を与えている。

開発者事業者はこの今夏に建設を完了させ、初の大型プロジェクトとなることを期待していた。

しかし、その目標には予想よりも長い時間がかかることになると見られている。

米国での洋上風力発電事業は、コスト超過、許可発行の遅れ、地元住民や漁業団体の反対のため、軌道に乗っていない。

マサチューセッツ州のブレード破壊事件の前から、コストが急上昇し、開発事業者がサプライチェーンの問題や金利の上昇を予想していなかったために、いくつかの大規模プロジェクトが中止または延期されている。

アナリストらは、こうした事象のリスクと、これに続くと予想される洋上風力発電プロジェクトへの厳しい監視により、他の再生可能エネルギーと比較してすでに高額な洋上風力発電のコストは、更に上昇するだろうと指摘している。

これらのコストは​、電気料金として住民と、風力やその他の再生可能エネルギープロジェクトに補助金を提供する連邦政府と州政府が負担することになる。

シティー・グループのアナリストは「これらの洋上風力発電プロジェクトについての考え方や、プロジェクトに内在するリスクについて、リセットする必要があると思う」と述べた。

洋上風力発電において、先行する英国の再生可能エネルギー財団“Renewable Energy Foundation”は2020年11月、レポート“風力発電の経済-レトリック(美辞麗句)と現実”を発表している。

この中で、洋上風力発電プロジェクトのコストの予測は、押しなべて規模の拡大と経験効果によって、設置容量の増加にともない平均コストが低下すると説明されているが、現実には、容量が増加するたびに発電コストは上昇しており、その重要な要因の一つに、予想以上に早期に多発する故障にあると指摘している。

 

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ロシア科学研究機関 “表層漁業漁期予測2024” あらためてスルメイカの不漁予測を指摘

2024-09-13 10:36:49 | 日記

 

2024年09月13日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア科学研究機関 “表層漁業漁期予測2024” あらためてスルメイカの不漁予測を指摘]

全ロシア海洋漁業研究所ヴニロ太平洋支部チンロは、今般発表した漁業予測“表層漁業漁期予測2024”の中で、今漁期、日本海とクリール列島のEEZへのスルメイカの大規模な接近はないと、あらためて指摘した。

この4年間の漁期前のスルメイカの漁獲勧告(ロシアではスルメイカにTAC設定はなく漁獲勧告で管理している)設定は別表のとおりとなっている。

 

ロシア非TAC魚種スルメイカ漁獲勧告(日本EEZまたがり資源)単位:トン

年/海域

北クリール

南クリール

東サハリン

日本海

合計

沿海地方

西サハリン

2021

900

19,251

none

30,798

10,000

60,949

2022

900

19,251

none

30,938

10,000

61,089

2023

1,000

16,998

none

44,939

8,000

70,937

2024

900

11,251

none

25,991

8,000

46,142

 

作成:2023年11月10日

   

 

 

 

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2024年/2023年漁期 40°N以北-180°E以西沿岸 ロシア・北海道 シロザケ漁獲量比較(9月10日)

2024-09-12 13:26:13 | 日記

2024年09月12日 

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[2024年/2023年漁期 40°N以北-180°E以西沿岸 ロシア・北海道 シロザケ漁獲量比較(9月10日)]

近年、北海道に隣接するサハリン州では太平洋サケマス増殖事業において10億尾内外の稚魚放流を実施しており、その内容を問わなければ、数量的に、双方は、ほぼ、同等の増殖事業を展開していることになる。

一般社団法人北洋開発協会(北海道機船漁業協同組合連合会内 担当 原口聖二)は、2021年漁期から、シロザケの生産において増殖事業に依存度が高い北海道とサハリン州、そして野生の割合が高いその他のロシア極東地方の各沿岸の当該資源漁獲量等の比較を行っている。

今年2024年漁期、40°N以北、180°E以西のロシア極東地方沿岸でのシロザケの生産量は報告日の同年9月10日までに3万7,660トンとなった。

北海道より操業開始が早いサハリン州沿岸のシロザケ漁獲量は、報告日までに6,120トン、報告対象日ロ全沿岸の生産の16.1%相当で、これに対し北海道沿岸は、388トン、1.0%となっている。

 

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ロシア科学研究機関 NPFCサバ技術作業部会参加者が資源評価について報告 状態空間評価モデル草案を作成  北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

2024-09-11 13:13:07 | 日記

2024年09月11日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[ロシア科学研究機関 NPFCサバ技術作業部会参加者が資源評価について報告]

全ロシア海洋漁業研究所ヴニロ太平洋支部チンロの専門家は、先に行われた第9回NPFC(北太平洋漁業委員会)サバ資源評価技術作業部会の概要等について報告を行った。

この技術作業部会にはロシア、カナダ、中国、EU、日本、そして米国の専門家が参加した。

北西太平洋のサバは、南部日本列島からクリール列島の沿岸沖合まで分布している。

近年、当該資源の成魚は餌を求め北東海域への移動が拡大している。

今回の技術作業部会では、サバの資源量と予測シナリオが議論された。

これは、当該資源の合理的な利用と調整された管理措置の基礎を形成するものとなる。

ロシア、中国、そして日本の参加者は、漁業活動のレヴューと、単位努力あたりの漁獲量(CPUE)の標準化作業の結果を発表、データに基づき、2023年のサバの資源量が近年の平均レベルと比較して50%近く減少していることを報告した。

これらについて報告者が、サバ資源の減少は卵量の減少、つまり繁殖レベルの低下との関連を示唆、加えて、死亡率の上昇を指摘した。

また、これらの報告から、状態空間評価モデル(state-space assessment model:SAM)草案が作成された。

SAM は、各年の漁獲量、資源重量、成熟率に関するデータを使用し、水棲生物資源の年齢と豊度のインデクスに関する情報の不完全性や誤差も考慮されることになる。

今回の技術作業部会の重要な成果の1つは、資源規模に応じて北西太平洋のサバ漁業を規制するための動的モデルを開発することを意思決定したことにある。

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BREAKING ロシア漁業庁長官 漁業分野における政府間協定 ロシアの一方的不利益は現時点で検出されていない  リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-09-11 01:48:45 | 日記

2024年09月11日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア漁業庁長官 漁業分野における政府間協定 ロシアの一方的不利益は現時点で検出されていない]

ロシア上院は、2024年8月、漁業分野におけるすべての政府間協定について、ロシアにとっての利益の有無の分析を促進するようにロシア農業省と漁業庁に対し勧告した。

上院議長ワレンチナ・マトヴィエンコは、この作業の遅れを指摘、「冷静かつ徹底的な検査」を実施するように指示、関係部局が外務省に提案を送付、外務省は調査結果により、国益に反し、非友好国等に一方的な特権を与える条約の破棄案の作成が求められた。

この件についてロシア漁業庁長官シェスタコフは、2024年9月3日から同6日までの間、ウラヂオストクにおいて開催された第9回東方経済フォーラムの枠組みの中で、これまで様々な協定を分析したが、ロシアが一方的な不利益を被るものは検出されなかったと語り、現在は、この作業を行っていないと加えた。

また、多くの異なる2国間協定が存在し、その中には、隣接海域の“またがり資源”の共同管理の合意も含まれていて、これがなければ、当該資源が破壊されていた可能性があるとノルウエーとの合意を例示、ロシアにとって極めて重要だと言及した。

ロシア上院は、2024年3月6日、英国との漁業協定の破棄法案を採択した。

2022年3月に英国が貿易での最恵国待遇を停止したことへの報復として、バレンツ海での英国漁業の権利を剥奪する当該法案が提出され、同年2月21日、ロシア下院を通過していた。

ソ連政府とグレート・ブリテンおよび北アイルランド連合王国政府は、1956年5月に漁業協定を締結した。

この協定は5年間を期間として締結され、永久延長の可能性があり、一方の当事者が破棄するまで協定は有効である旨が規定されていた。

英国はコラ半島の沿岸、カニンノス岬の東側の本土沿い、およびコルグエフ島沿岸のバレンツ海水域で漁業に従事する権利を取得していた。

一方で、英国漁船がソ連海域で操業したのは1980年代末までだけだった。

ソ連崩壊後、ロシアがその法的後継者となったため、協定は引き続き有効であった。

上院では、英国漁船が2000年以降ロシア海域で漁業活動を行っておらず、当該協定が実質的な意味を失っていることも指摘された。

また、2000年以降、ロシア漁船も英国海域での操業がない中、当該協定が一方的なものであり、ロシア漁船に同様のまたは相応の権限や利益を与えていないことが指摘された。

マトヴィエンコは、当該採択にあたり、協定を破棄する決定の正しさを強調し、漁業分野におけるすべての政府間協定について、ロシアにとっての利益の有無の分析を開始することを提案した。

これを受け、シェスタコフは、マトヴィエンコが漁業分野におけるすべての政府間協定について、ロシアにとっての利益の有無の分析を開始する提案をしたことを支持すると表明したが、一方で漁業協定のメリットやデメリットの問題は複雑で、バランスのとれたアプローチ、包括的な検討をする必要があると強調、各国がロシアEEZに入域し、単純に操業を行うことを許可するという協定を結んでいないと説明して、同時にロシア漁業者が相手国EEZに入域するものや、 金銭補償と引き換えに漁業権をロシアが提供するという協定も存在しており、 儲かるか儲からないかという問題は常に諸刃の剣だと言及した経緯がある。

また、それより先の2023年6月、シェスタコフは2国間漁業協力協定の維持の有益性を指摘し、相互の入漁ばかりでなく、またがり資源の管理からもこれが重要であることに言及している。

シェスタコフは外交政策の状況が、漁業分野における国際協力にも強い影響を与えていると指摘、“魚に境界はない”という定立が、相互関係と互恵協定を維持するための合理的な根拠として機能していると述べ、漁業と水棲生物資源の保護の分野におけるロシアの協定を履行するために多くの取り組みが行われてきたことを評価、2国間政府間協定の枠組みの中で、ロシアの伝統的な相手国と協力を維持して、さらにこれを発展させると加え、あらゆる制裁にもかかわらず、多くの非友好国を含む漁業協力の主要相手のすべてと2国間漁業委員会が開催され、こうした協力はロシアにとって重要でかつ有益だとの意見を明らかにしていた。

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ロシア漁業 この5年間で高次加工製品輸出2倍に ロシア農業銀行“ロスセルホズバンク”が報告 リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-09-11 00:33:26 | 日記

 

2024年09月11日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア漁業 この5年間で高次加工製品輸出2倍に]

ロシア漁業は、この5年間でフィレ、スリミ等の高次加工製品輸出供給量が20万5,000トンから38万9,000トンと、ほぼ2倍に増加させたとロシア農業銀行“ロスセルホズバンク”(Россельхозбанк)が報告した。

昨年2023年、ロシアの水産物製品輸出における高次加工製品は、数量で18%、金額で20%を占めた。

2018年とのそれぞれの比較では、数量で1.9倍、金額が5億8,000ドルから11億ドルに増加した。

現在、加工技術や設備の改善が積極的に行われ、生産ラインにイノベーションが入り、港湾や倉庫、輸送ルートなどの物流インフラが整備されて、政府の支援も行われている。

“ロスセルホズバンク”は、2030年には高次加工製品輸出供給量が75 万4,000トンを超え、水産物製品輸出の1/3 を占めると予測している。

また、業界のさらなる発展のためには、追加の国家支援措置が必要で、このインセンティブには、資本コストの払い戻しや優遇金利が含まれることを指摘している。

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ロシア漁業庁カムチャツカ地方管理局 カニ類漁獲情報(9月8日)“タラバ2,600トン/アブラ5,570トン”生産  北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-09-11 00:00:11 | 日記

2024年09月11日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア漁業庁カムチャツカ地方管理局 カニ類漁獲情報(9月8日)]

“タラバ2,600トン/アブラ5,570トン”生産

今年2024年漁期、ロシア漁業庁北東地域(カムチャツカ地方)管理局掌理海域でのカニ類の漁獲量は、同年9月8日までに1万4,634トンで前年2023年同期を約2,800トン下回っている。

各海域の生産量は次のとおりとなっている。

西ベーリング海域 アブラガニ3,139トン オピリオ1,173トン バルダイ465トン 

西カムチャツカ海域 アブラガニ2,430トン タラバガニ2,446トン イバラガニ285トン オピリオ147トン

カムチャツカ・クリール海域 バルダイ2,923トン タラバガニ153トン

カラギン海域 オピリオ703トン バルダイ331トン 

ペトロパブロフスク・コマンドル海域 バルダイ439トン

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ロシア イワシ20万トン突破 極東 サバは依然不振 日刊水産経済新聞

2024-09-11 00:00:00 | 日記

2024年09月11日 日刊水産経済新聞

 

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ベトナム 日本産殻付きホタテ輸入22倍に 日刊水産経済新聞

2024-09-10 23:59:59 | 日記

2024年09月10日 日刊水産経済新聞

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BREAKING 日本EEZ“またがり資源”韓国近海スルメイカ操業2024年度管理期間操業開始 厳しい出足(8月30日) リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-09-10 01:58:56 | 日記

2024年09月10日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[日本EEZ“またがり資源”韓国近海スルメイカ操業2024年度管理期間操業開始 厳しい出足(8月30日)]

韓国漁船による自国EEZでの2024年度漁期(管理期間2024年7月-2025年6月)のスルメイカの実証試験枠を除くTAC管理漁獲量は、開始から1ケ月、8月30日までに3,400トン、前年度同期比36%と、極めて厳しい出足の報告となっている。

2023年度漁期から西南海区中型トロールのTAC実証試験が設定されているが、当該漁獲も報告日までに180トンで前年度同期比40%にとどまっている。

大型トロール、西海トロール、そして西南海区中型トロールの操業海域は、東経128度以西の西岸沖合に限定されている。

なお、近海網漁船の操業規制に関する情報が少なく、海域利用の実態が不明だったが、専門家の報告により、主漁場がこれも西岸沖合であることが分かっている。

 

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北海道隣接ロシア西サハリン海域TAC3.5万トン ロシアとの経済効果の差「問題」 バイオマスに対する開発率(漁獲割合)の低さが問題を招く   日刊水産経済新聞

2024-09-09 10:48:50 | 日記

 

 

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ロシア漁業発展・地域貢献のために必要となる仕分けされた関連統計  リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

2024-09-07 15:52:17 | 日記

2024年09月07日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア漁業発展・地域貢献のために必要となる仕分けされた関連統計]

1992年9月4日、ロシア連邦政府決定No.708により、漁業の民営化が開始された。

ロシアにおける漁業分野の民営化後の歴史全体は、“連邦規制当局-地方-漁業”という三角形のバランスを模索する苦難の日々だった。

1990年代前半から、約15年間にわたり漁業分野の資産掌握、裁定は主に地方知事の権限が大きく、連邦政府、漁業規制当局は、業界の発展のための一貫した戦略を策定したり、実行したりすることができなかった。

この間の問題は、地方自治体による漁業管理が、地方予算制度や社会経済発展に、漁業分野が貢献することが出来ず、当該自治機関がこの分野の利益を享受したことにある。

2000年代後半からは、ロシア漁業分野の構造や経営体制に大きな変化が起きている。

M&Aが進み、水棲生物資源の漁獲割当の大きなシェアをもつ巨大なグループ企業が出現している。

その結果、“連邦規制当局-地方-漁業”という三角形の力のバランスは、連邦規制当局側にシフトしつつある。

同時に、複数の地域で地元当局から独立して操業している大規模漁業者の影響力も拡大している。

このバランスの変化自体は正しい方向への一歩だが、厄介な影響も存在している。

連邦政府は、漁業法を改正する際、地域の特性に言及することに一種のアレルギーを持っている。

また、連邦規制当局と大企業は社会的な側面を見ずに行動することが多くなっている。

ロシア漁業者水産物輸出者協会ヴァルペ会長ズベレフは、漁業分野の地域社会への貢献を示す複数のインデクスの評価を提案している。

地域社会に対する漁業分野の貢献を過小、さらには不正確に評価すると、誤った経営判断が生じるリスクが高まるとした上で、この中には、財政余剰処分が含まれると指摘している。

1つのインデクスは財政、つまり地方予算システムへの納税であり、例えばカムチャツカ地方では、昨年2023年、漁業分野から地方予算への納税額は21%増加し450億ルーブルを超えている。

もう1つのインデクスは、地域総生産への貢献となるが、漁業分野の生産についてロシア統計当局ロススタットは“農業、狩猟、林業、漁業、養殖”のひとまとまりにしており、水産加工分野は“加工産業”内に「隠蔽」されている。

ロススタットは漁業活動に関する個別の統計記録を残していない。

また、船舶修理、港湾施設、物流、水産物製品貿易、造船、教育に対する漁業複合体の貢献に関する記録も残していない。

更に、もう1つのインデクスは、社会および労働関係に対する漁業分野の貢献となる。

例えばカムチャツカ地方では、社会基金の資金調達への漁業の貢献は、電力、建設、運輸、鉱業を合わせた調達の1.3倍となっている。

漁業分野の社会的側面の魅力は、極東に若者を留めておくことと、この地域に新たな定住者を惹きつけることの両方にある。

この3つのインデクスをすべて使用した場合にのみ、地域の社会経済発展に対する漁業分野の貢献を確実かつ正確に評価することができ、“連邦規制当局-地方-漁業”という三角形の力のバランスを調整することが可能で、当該目的のために正しい統計が必要である。

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没収されたロシア極東海域カニ漁獲割当再販オークション 三度び不成立

2024-09-07 11:19:48 | 日記

2024年09月07日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[没収されたロシア極東海域カニ漁獲割当再販オークション 三度び不成立]

国家によって没収されたロシア極東海域カニ漁獲割当再販オークションが三度び不成立となった。

実施予定日は2024年9月6日で、申請受付期限が同年9月4日だったが、やはり応札申請者がなかった。

今回、*スタート・プライスは、前回の約22億ルーブルから10%引き下げされていた。

この再販オークションは、2024年7月11日、同年8月7日にも実施が予定されたが応札申請がなく、いずれも不成立となっていた。

落札者は、向こう15年間の漁獲割当配分を受けると同時に、全長50m以上のカニ漁船の建造プロジェクトの実行が義務付けされている。

上場対象資源は、西サハリン海域のズワイガニ(オピリオ)とケガニ、沿海地方海域のハナサキガニ、東サハリン海域のハナサキガニ、南クリール海域のイバラガニ、そして東サハリン海域のアブラガニで、これらの漁獲割当は、極東業界で最もコネクションを利用する人物として知られ、“ダリモレプロドクト“(Дальморепродукт)の実質オーナーで、2010年の刑事事件の後、海外に出たドミトリー・ドレムリュガの関連企業“メルリオン”(Мерлион)が2019年10月、オークションによって落札された経緯のあるパッケージ・ロットとなっている。

2024年1月、“メルリオン”は、検察総局から、極東海域における水棲生物資源を違法に利用、取引を行い、組織的に利益を上げるため、ロシア連邦の権利を侵害し、国家の財産に損害を与えたと指摘を受け、その後、連邦漁業庁との間で締結された漁獲割当配分合意は無効となり、当該漁獲割当は国家によって没収されていた。

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