私の住んでいる集落は四方を山に囲まれているので、平地に比べると日照時間が極めて少ない。
田畑の日照を確保するため、どこも山裾ぎりぎりのところに家を建てている。
昔から、一番日当たりの良い場所は田畑にし、住まいは利用価値の少ない所に建てていたようだ。
今朝撮った写真を見ても、南や東向きの斜面や屋根の雪は消えているが、北側はたっぷりと残っている。
北側のわが家は、雪が残っているが太陽が少しずつ高くなっていくので、これからは少々降っても融けるのが早い。
かつては、日の出から日暮れまで外で働き、寝に帰るだけの家はどこに建っていてもよかったが、一冬の食料の確保だけは何よりも優先した。
雪に埋もれながら、戸を締め切り雪囲いの中で、じっと春を待つ暮らしで陽射しはそれ程必要なかったのかも知れない。
豪雪地帯という言葉も死語になり、自給自足の必要がなくなった今も、しんぼう強く自然に順応して生きて来た人たちの暮らしの姿が、この集落にはまだ残っている。