毎日遊んでばかりいるようだが、やることだけは切れ目無くやって来る。
主夫業は最小限にとどめても、炊事洗濯掃除などはさぼれない。
他愛の無い雑用も多いが、ユキ(柴犬)の散歩と餌やり以外に、真冬日が続いているので、ボールの氷を度々割っている。
軒先の氷柱や、煙突から垂れ下がった木酢液の氷柱も、落としておかないと頭を直撃されることもある。、
今朝も雪が降っていたが、この時期の雪かきは日課のようになっているし、屋根の雪もぼつぼつ下ろさなければならない。
田畑は深い雪に覆われているので、野良仕事はまだ先のことだ。
雪の下には、玉ねぎとエンドウの苗が眠っているが、3月末の雪解けまでは手入れが出来ない。
木工も、居間で椅子の座を編んだり、彫刻をしたりする程度で、開店休業の状態が続いている。
近所のお年寄りも似たようなもので、雪またじ(飛騨弁で雪の始末)で外へ出る人もいるが、ほとんどは炬燵に入ってテレビを見ている。
今は春を待つ充電の日々で、山里のお年寄りは最ものんびり出来る時かも知れない。
たまに遊びに行くと、居間の炬燵の上は土瓶や茶碗、漬物、お菓子など必要なものがすべて載っているので、立ち上がらなくても間に合う。
ちょっと乱雑に見えるが、手の届く所に必要な物があるのは、合理的で良いと思う。
私も居間と台所の一角は、そんな状態になっている。
古い民家は収納スペースも戸棚もたくさんあるので、以前は整理して使っていたが、今は日常使うものは手が届き、見える範囲に置くようにしている。
机の前に居ても、筆記具はもちろん本やお菓子、飲み物、電話、パソコン、日常使う小物類もすべて手が届く。
そこに布団を敷いて寝るので、起き上がらなくても本やメモ帳などは、手を伸ばせば取れるし、電話やスイッチ類も扱える。
台所も、日常使う食器類や包丁などは水きり棚に入れてあるので、どこに何があるかは見てすぐに分かる。食事も台所で作って、お盆で机に運べば一往復で済む。
たまに通い妻がきて、食器棚や引き出しに片付けてしまうと、探すのに手間取ることがある。
情けないことに、整理してしまっておくと、使いたい時に入れた場所を忘れてしまう。
名古屋へ行った時に、あれは?これは?と云ったりすると、「あれって何?」と嫌味の一つも言われて済むが、ここでは通用しない。
近所のお年寄りも不精ではなくて、老夫婦だけで暮らす生活の知恵だと思ったりしている。