昨夜からの雪は今朝方には止んで、数センチほどの重い雪が積もっていた。
今朝の散歩で通った林道には、動物たちの足跡が入り乱れて残っていた。
休猟期に入ったので、安心して人里に入ってくるようだ。
夜明けに活動するイノシシの真新しい足跡が、林道の奥へ向かっている。
このあたりを縄張りと思っているユキは、臭いを気にしながら後をつけ始めた。
イノシシの足跡はカモシカと見分けがつき難いが、副蹄2本の跡が残るのでそれと判る。
しばらく辿っていくと、林道からそれて山の中へ入っていった。
雪の無い時は藪が踏み倒されて獣道になるが、冬も通る道が決まっているのは、ラッセルの手間を省くのか習性なのだろうか。
先日、ゴルファーがプレー中にイノシシに咬まれたと、ニュースが伝えていた。
イノシシが人を襲うのは珍しいことだが、深追いをして牙で突かれたらたまらないので引き返した。
午後、散歩に出かける頃には青空が広がり、珍しく南の風が吹いて暖かかった。
家に篭っていた人たちも、陽射しに誘われて外で仕事をしている。
近所のおばあさんも、雪の中から大根を掘り起こしていた。
秋に収穫した一冬分の野菜を、新鮮さを保ち凍みないように、穴を掘って貯蔵している。
今は店に行けば、野菜は何でも手に入るし、冷蔵庫も普及したので手間をかけて室を作ったり、穴を掘って貯蔵する人は少なくなった。
雪下貯蔵の野菜は、新鮮さが保たれておいしいと言われているが、お年寄りが1メートル以上の雪を除けて穴から出す手間は大変だろう。
山里の生活文化が細々と引き継がれているが、遠からずこの地からも消えていくことだろう。