今日の名古屋は晴れ時々曇りで、北風がとても冷たい。
雪国育ちのユキは、この程度の寒さは気にせず、パンジーの寝床で心地よさそうに昼寝をしている。
話は違うが、殺人ウイルスを媒介するマダニが話題になっている。
発症すれば有効な治療薬はなく、致死率10%以上と極めて危険なウイルスだ。
最近になって国内での死亡例が確認されているが、マダニは身近に存在し過去に亡くなった人は、原因不明の出血熱と診断されていたようだ。
マダニの気味の悪い姿は、山里で犬を飼い始めた時に初めて見た。
犬の瞼や耳、鼻の周りなどに噛み付き、最初は粟粒ぐらいの大きさが、血を吸ってすぐに小豆ほどに成長する。
↑ピアスと違うワン! (以前撮った写真)
犬は痛くも痒くもなさそうで、ピアスを付けた程度の違和感なのだろうか。
見つける度に親指と人差し指の爪で摘まみ、抜き取っては潰しているが、発見が遅れると赤黒い小豆が犬の皮膚に突き刺さっていて、ギョッとすこともあった。
口が皮膚の深くまで食い込んでいるので、皮膚に穴が開いたり、口だけが抜けずに中に残ってしまうこともある。
獣医に防止用の首輪をつけてもらったり、背中に薬を塗って防いでいるが、毎日野山を歩いているので、完全に防ぐのは難しい。
山仕事や野良仕事をする人は長靴や地下足袋を履き、長袖を着ているのでマダニに食われることは少ないし、集落の人たちは人の血は吸わないと言うので安心していた。
ところが数年前に、笑えぬ出来事が起こった。
首筋の顎の下あたりに違和感を感じたので、触ってみたら小さな突起物があった。
虫にでも刺されたのだろうと思って、そのまま放置しておいたら、むず痒くなって突起物がゴマ粒ほどに大きくなっていた。
ちょうど家内がいたので見せたところ、イボか吹き出物のようだから、触らないほうがいいと言うのでそのまま放置しておいた。
翌朝触ってみたら、山椒の粒ほどの大きさになっていた。
これはおかしいと思い、皮膚科へ出かけたところ、あいにく休診日であった。
その日の夕方にそっと触れてみたら、突起物は一回り大きくなっていたが、医者に診てもらうまではどうすることも出来ない。
ところが、夜になって風呂に入ったら、突起物がぽろっと湯船に落ちた。
よく見ると口ばしもあり手足も動いていたので、すぐにマダニであることが分かった。
血を一杯吸った体は茶褐色に丸く膨れていて、これが皮膚に突き刺さっていたら、マダニを見たことがない家内がイボと間違えても無理はない。
その時は笑い話ですんだが、まかり間違えば原因不明の出血熱で死んでいたかもしれない。
専門家は、「ハイキングなどで戸外に出た時は、お互いに衣類にマダニがついていないか、こまめに確認すると同時に、シャツやズボンの袖口をゴムバンドなどで塞ぐと良いでしょう。」と言っているが、血を吸う前のマダニはとても小さくて簡単には見つからない。
春になればマダニが活発に動くようになるが、山里にいる限り草むらや田畑に入らないわけには行かない。
私の経験から言えば、熱いシャワーを浴びるか風呂に入るのが、一番手っ取り早い防止法だと思う。
パソコンのウイルスもそうだが、人間の周りには常に危険が潜んでいる。