飛騨木工連主催の「暮らしと家具の祭典」を見てきた。
毎年秋に「飛騨・世界生活文化センター」で行われ、飛騨地区の家具メーカーや家具工房が新作を発表して展示している。
飛騨の木製家具に対する評価は高いが、伝統的な手の技と現代の暮らしにマッチする家具作りを目指して、各メーカーは「飛騨デザイン」をテーマに取り組んでいる。
家具の需要は低迷しているが、長く使ってみたいと思わせるような良い家具が、たくさん展示されていて心強く思った。
併設されていた「飛騨の椅子展」は、飛騨伝統の曲げ木やムク材の椅子と世界の名作椅子が一緒に展示されており、デザイナーや家具制作者は見逃せない企画である。
「飛騨クラフト展」も毎年開催されるが、家具、陶芸、木彫、金工など飛騨で活躍する作家の作品が展示されていた。
元田五山氏の狐の木彫像は、大作で見応えがあったし、菅沼守氏のおもしろ木彫は文字通りリアルさが面白かった。
展示会は今日から9月6日まで開催される。
会場の巨大なセンターは、2.000名収容の大ホール、500名の小ホールから大小の会議室、ミュージアム、ギャラリー、ミニシアター、アニメの制作が体験できる国際ITサロンなど等、立派な施設が揃っている。
市街地の南西の山を切り崩して、2001年にオープンした巨大な箱物は久々に賑わっていたが、いつもは閑散として不気味なくらいだ。
過疎化に悩む地方都市の活性化を図るはずの ”世界”生活文センターは、今や巨大なお荷物になってしまったようだ。