オーストリア戦プレビュー

明日(正確には今夜未明)は、日本代表の欧州遠征のオーストリア戦です。この日程は、国際Aマッチデーとして、各国のリーグ戦が休みになっているタイミングで行われます。ただ、他の欧州諸国は、2008年の欧州選手権の予選で、この日程はふさがっています。オーストリアが空いていたのは、欧州選手権の開催国(スイスとの共催)で予選を免除されているからです。

この事情を見る限り、お金目当てで日本代表と対戦するような国とはモチベーションが違うと推測できます。開催国で欧州選手権を迎える以上、少しでも強い相手と対戦して、欧州選手権の1次リーグ突破に向けて強化を図りたいという事情があります。そのため、オーストリアはベストメンバーを出してくるでしょう。

日本代表にとっては、オシム監督が望んでいた強豪相手の真剣勝負に近い試合が期待できます。オーストリアは、世界のトップレベルではありませんが、W杯の欧州予選をときどきは通過する実力はあります。最近では、1998年のフランスW杯に出場しています。

古くは、オーストリアは戦前に強豪チームを作り、ブンダー(ドリーム)チームと呼ばれたこともあります。ナチスドイツの侵攻でドイツに併合されてしまい、W杯でその強さを見せることはできませんでしたが、サッカーの伝統という意味では日本よりはるかにあります。

また、オーストリアは意外と日本とは縁のある国です。宮本、三都主が移籍したザルツブルグもオーストリアですし、かつてはバスティッチ(名古屋)、ハース(千葉)の元代表選手も日本でプレーしています。世界に名の知れた、ビッグネームはいないでしょうが、アジアカップの1次リーグで当たった相手と比べたら、強いと思っていいと思います。