現実主義の名将(シメオネ)

写真は品川駅付近の夜桜です。穴埋めネタのワールドサッカーからは、スペインリーグのAマドリードを率いて、毎年欧州CLで上位に残る、ディエゴ・シメオネ監督について書きます。

シメオネは現役時代、アルゼンチン代表のボランチでした。守備的なタイプのボランチだった記憶ですが、有名になのは1998年フランスW杯でベッカムに蹴られた場面です。倒されたベッカムの上げた足がちょっと当たっただけですが、このプレーが乱暴な行為と判定されてベッカムにレッドカードが出た、印象的な場面です。

アルゼンチンは、シメオネのように守備の職人タイプのボランチがよく育ちます。その理由として、かつてのマラドーナ、リケルメ、現在のメッシのように、守備をほとんどしないFWやトップ下のカバーがどうしても必要だからでしょう。

監督としてのシメオネは、Aマドリードという欧州強豪よりは資金力がやや劣るチームを率いているので、徹底して「現実主義」です。Jリーグで言えばかつての尹晶渙監督時代のサガン鳥栖のように、自陣に2ラインを引いてロングボールで流れを変えるサッカーをしていました。

そのサッカーができるのは、GKの人選が良いからです。以前アトレチコで活躍したGKクルトワは、チェルシーからレンタル移籍していた選手でした。アトレチコでの活躍で、それまでの正GK、チェコ代表チェフをベンチに回すという異例の評価で、チェルシーが呼び戻したからです。

名監督の要素である、戦術的な使い分けもできます。アトレチコは資金的な理由もあって、選手が入れ替わります。1トップがポストプレーヤーのマンジュキッチからスピード型のFトーレスに変わったとき、ロングボールで蹴るサッカーからカウンターのサッカーに変えています。4-4-2だけでなく、4-1-4-1などのオプションも持っています。

その工夫で、現在世界最強チームの一角を占める、Rマドリードとも互角に戦っています。将来的にはアルゼンチン代表監督もあるのではないかと予想しています。