移籍市場のニュースで嬉しかったのはこれでした。浦和から、J2新潟、J1京都へとレンタル移籍で武者修行をしていた、荻原拓也選手の浦和への復帰です。荻原がベンチに入っていたのは2019年頃なので、当時はカメラの性能が今一つで写真があまり良くないのはご勘弁ください。荻原は埼玉県川越市の出身の地元選手で、浦和にはジュニアユースから在籍していました。
ユースから昇格して、2018年にトップチームに入った直後、荻原には明るい未来が待っているようでした。それは、デビュー戦になったルヴァン杯でいきなり2得点と大活躍したからです。当時はFWや左MFで使われ、1年目にリーグ戦でも8試合出場し、将来性を大きく期待された才能でした。しかし、翌2019年、荻原を抜擢したオリベイラ監督が解任され、大槻監督が就任してから苦戦することになります。
大槻監督はどちらかと言えば相手に合わせて戦術を組み立てるタイプで、左MFにはかなり守備の仕事を多く課したので、荻原が持っている得点に絡める良さは出しにくい状況でした。翌2020年に、荻原はレンタルで、当時J2のアルビレックス新潟に移籍する道を選びます。ここでレギュラーポジションを確保して、24試合に出場したことで、プロで生きていける手ごたえをつかんだことでしょう。
2021年からは京都でプレーし、チームをJ1に引き上げる活躍を見せます。京都での荻原は、未知のポジションだった左SBでした。今、浦和に復帰すれば、左SBならライバルは明本や馬渡になりますが、おそらく荻原がレギュラー候補の一番手につけるだろうと予想できます。ユースから育った古巣で、今度こそJ1チームのレギュラーポジションをつかむチャンスです。
J1でのゴールも京都で2点取っており、彼が左サイドを躍動する姿を、是非ともバックスタンドから見届けたいです。新監督スコルツァ氏次第ではあるものの、この地元育ちの才能に掛ける期待は、これまでで一番大きいです。