このゲームは相手川崎のメンバー発表が驚きでした。川崎のチーム内にコロナ感染者が続出した事情があり、リザーブのメンバーを規定の7人登録できず、しかもベンチ入り5人のうち3人がGKでした。フィールドプレーヤーの控えは二人だけなので、負傷者が出た場合はGKが急造でやるのでしょうが、実質使える交代枠は二人だけという構成です。
川崎は4-3-3の布陣でしたが、左SBに入っていたのは本来ボランチの橘田でした。左MFもFWタイプの遠野ということもあって、浦和は相手の左サイドは狙いどころと見ていたようです。立ち上がりの4分、右サイドをモーベルグが仕掛けたプレーから、伊藤敦樹が頭で合わせて浦和が幸先よく1点を先制します。もっとも、この失点で川崎サイドは攻め方を変えた印象はあります。
川崎はウイングが持って仕掛けるサッカーではなく、サイドからアーリークロスを次々と入れてくるサッカーに変更してきました。FWにレアンドロ・ダミアンがいるからできる手で、8分には脇坂のアーリークロスでダミアンが頭で合わせたものの、GK西川がパンチングでCKに逃れます。もともと、持っているポテンシャルは高いチームなので、そういう遮二無二攻める姿勢を出してくるとどうかとも思えました。
浦和は速攻主体に切り替えてきました。どうしてもボランチも急造の川崎は、カウンターへの対応が後手に回ることもあり、16分にバイタルエリアで持った伊藤敦樹が出したパスに松尾が合わせて、浦和はかなり安心できる2点リードを奪っておくことができました。このリードを得たため、浦和は無理に前から行くことはせず、川崎がDFラインで回しているプレーには「放置」で対応しました。
それでも、川崎は37分に脇坂がスルーパスに走り込み、中央のダミアンに低いクロスを入れてきましたが、GK西川がギリギリのところで押さえてピンチをしのぎます。よく、2点リードは危険なリードと言われ、1点取られるとゲームの流れが変わる恐れがあるという理由です。それでも、浦和はモーベルグのところで最低でもCKを取れるという強みがあり、サイドを仕掛ける浦和の良さも時折出してきました。
もっとも、マイナス面ですが指摘せざるを得ない場面もありました。それはCB知念がゲーム慣れしていない様子で、序盤にバックパスをミスして相手ボールのCKを与える凡ミスをしたり、持ちすぎて川崎FWに狙われたりしていました。もちろん、知念もプロのDFなので、ヘディングで相手クロスを跳ね返すプレーは十分できますが、パスをつなぐのが苦手なのは浦和でプレーするためには乗り越えなければならない壁でしょう。
そんなゲームはどうやって決着したかは、明日マニアック分析で補足します。
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