今日は、青空の半分以上が入道雲で覆われ、北よりの風が吹き、久し振りに涼しい一日になった。それにしても、今月は、日中の気温を報じるTVニュースに、自分達の街の名が何回かリストアップされた。余談ながら、当地のアメダスは市街地の中に設置されている。
ところで、市街地を横断的に流れている川の上流では、何となく秋の気配が感じられるようになった。例えば、ほとんど歩いている人がいないような川沿いの山道では、画像のような、秋ならではの組み合わせに出会う。
シュウカイドウの蕾や花に止まる群れ
シュウカイドウ(秋海棠)ー 各地で半野生化しているが、寛永年間に中国から渡来したといわれている。シュウカイドウ科シュウカイドウ属(ベコニア属)の多年草。バラ科のカイドウ(海棠)に似た花を秋に咲かせることに、花名は由来する(みんなの趣味の園芸、NHK出版)。このものは、文人に好まれ、よく日本画に描かれ、いまでは日本の花になりきっている(花の大歳事記、角川書店)。
そして、渓流の崖では、イワギボウシ(岩擬宝珠)の蕾と花が目立つようになった。
このものは関東と東海地方に分布している(近畿や四国地方には、ヒメイワギボウシが分布しているとのこと)。当方は、蕾や開き始めた花の色と質感に、魅せられている。
半日陰のスポットでは、マツカゼソウ(松風草)が小さな群れをつくっていた。マツカゼソウはミカン科マツカゼソウ属の多年草であり、ミカン科としては唯一つの草本である。花期は8-10月、草丈は70-80 cm。花名は、優しい秋風で揺れる姿に、ある種の風情が感じられることに由来する。
花はかなり小さいが、その姿は見る者に不思議な魅力を感じさせる。画像のものでは、果実(緑色)ができはじめている(ここでの昆虫はアリ)。余談ながら、風で揺れる花の姿は、撮り手にとって手強い被写体である。次回は、無風状態のときに撮りたい。
渓流沿いで花を開いている、キンミズヒキ(金水引、バラ科キンミズヒキ属の山地に生える多年草)。ここでは、群れとしてではなく、各個体が独立して花を開いているので、それなりに存在感がある。
さて、朝露で濡れた崖の上では、イワタバコ(岩煙草、イワタバコ科イワタバコ属の多年草)の群れが日差しを浴びていた。花の盛りは過ぎているようであったが(花期、7-8月)。
撮影、8月中旬ー下旬、桐生市にて。
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今日の夕景から(午後6時過ぎ)