こつなぎの写真ノート

身近な自然の彩りを楽しみながら

皆既月食、今更のことながら、2011年12月

2011-12-17 | 雑感

先週(12月10日)の夜は寒かった。しかし、天空で起こったイベントは、寒さを我慢できるほど興味深いものであった。部分月食が21時45分から始まり、皆既月食が23時5分から23時58分まで続いた。

この夜の月食は、「地球は月よりも大きい。地球は丸い(球)。地球には大気がある。太陽光線のうち、赤色の光が月まで届く。」など、今更ながらのことを確かめさせるショーでもあった。

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◆部分月食のとき、欠けている部分から地球の影の大きさをためしに見積ってみた。

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地球の大きさ(赤道面での直径、12,756 km)は月の大きさ(平均直径、3,474 km)の約4倍である。

しかし、地球と月の距離は384,400 km(平均)であることから、地球の太陽光線による影(本影)は約3倍になる(資料、国立科学博物館ホームページ)。そうか、自分の見積も満更でもないと思うことにする。

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◆ 皆既月食では、月が地球の影に中に入るているにもかかわらず、月全体が見える。そして、月面は暗赤色となる。

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太陽光線に含まれる波長の短い光(青色の光)は大気で散乱・吸収される。しかし、波長の長い光(赤色の光)は、大気によって散乱・吸収されにくいので、月まで届く。したがって、大気があるから、「皆既月食のとき、月全体が見える。そして月面が暗赤色となる。」との現象が起こる。

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部分月食が皆既月食に変化する直前では、太陽の光を受けている部分が膨らんだように見えたり(錯覚のためだろうか)、影の部分の外側に線模様が見えたりした。また、月面は次第に赤色を帯び始めた。

 

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こんなことを思いながら、静かに進んでいく天体のイベントに対してレンズを向けた。しかし、イベントは真上で起こっていた。しかも、冬の夜は凍えるほど寒かった。イベントの観客となるのも楽ではない。首筋が痛くなり、身体が芯まで冷えた。

 

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撮影条件: 望遠レンズ: EOS F4L 70-200 mm IS USM。 焦点距離: 320 mm。 露出、シャッター速度、ピントの決定: マニュアルモード。RAWモードで撮影、現像ソフト使用。


谷川岳一ノ倉沢出合、幽玄で荒々しい姿、2011年12月

2011-12-12 | 谷川岳・草津白根山

先週の土曜日(12月3日)、私たちは谷川岳一ノ倉沢岩壁を眺めてきた。谷川岳ロープウェイ駅の先(群馬県谷川岳登山指導センター)から、国道291号は冬季通行止めとなっている。これから、この国道は雪に埋もれる。しかし、私たちが歩いたとき、道に雪が積もっていなかった。

道では、ガードレールや道路標識などの撤去作業が行われていた。雪崩による被害を避けるためとのことであった。私たちは、山側からの落石に気を配りながら、小雨のもとで歩いた(往復、8 km)。ガードレールがなくなった道では、谷を流れる湯桧曽川まで、かなりの高度感があった。途中で、マチガ沢の岩壁は濃霧のために全く見えなかった。

 

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私たちが一ノ倉沢出合に着いて間もなく、降雨が激しくなった。

雨は約30分後にほぼ止んだが、標高差数百メートルの岩壁には、滝沢でのものを含めて数本の滝が現れていた。

右の岩壁は衝立岩と烏帽子岩(衝立岩の上部)。滝の落差はどのくらいだろうか。

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出合の沢では、土石流の発生が心配になるほど、水量が急に増えてきた。出合の道(幽ノ沢方面に至る。

国道291号(清水街道))では、溢れた沢の水が道を越え始めた。

道での流れは速く、水深は10 cmくらいであった。

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道で流れに足をとられたならば、絶対絶命の状態となるにちがいない。そう思うと、いささか身震いを覚える。

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出合で土石流が発生することは、地元の人々から聞いている。水が溢れる前に、この道を通過しなくてよかった。帰りで、このような場面に遭遇したくない。

 

この画像は雨が激しく降る前の一ノ倉沢出合だ。沢の水は多かったが、水が道の上まで溢れていなかった。

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幽玄に満ちているが、荒々しい岩壁の姿。私たちはこの景観のいつまでも眺めていたかった。

 

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私たちは、出合をはやばやと去ることにした。杞憂のことかもしれないが、本谷の雪が滝の水で崩れると、

土石流が発生すると思ったからだ。

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霧と雨、そして谷を吹き降りてくる冷たい風。私たちは、悪天候で現れた幽玄で荒々しい一ノ倉沢の姿に出会った。

 

 

岩壁の反対側を見たとき、白毛門側の景観

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