こつなぎの写真ノート

身近な自然の彩りを楽しみながら

回想、初めてデジカメを手にしたとき、ハワイにて(2005年)

2023-05-25 | 旅(国外)

「初心忘るべからず」とは世阿弥が書「花鏡」で述べた有名な言葉ですが、謡曲(能での素謡)を下手の横好きとのつもりで習い始めてから、当方はこの言葉を否が応でも意識せざるを得なくなりました。今回アップする画像は、初めてコンパクト型デジカメで手にしたときのものです。カメラのCCDセンサーの画像数は710万でした。

 

2005年12月中旬、ハワイ(ホノルル)にて

 

水平線上に浮かぶヨットが「天使の梯子」と呼ばれる雲間からの光を浴びている光景に、いわゆる「海無し県」に住んでいる者として、当方は深い感動を覚えました。その感動を、初めて手にしたデジカメラで表現できるだろうかと思いつつ、シャッターボタンを押しました。

 

 

達磨太陽にはなりませんでしたが、日が沈む直前での光景も撮影対象として当方には印象的でした。

ところで、あるとき、久し振りに知人から国際電話がかかってきました。知人からは「今、自分がどこにいると思うか」と尋ねられました。藪から棒の問いかけでしたので、返答できませんでしたが、「自分はハワイで水平線に夕日が沈む光景をいま眺めている。その光景の美しさを伝えたくなったので.......」と、知人は感動のシーンを語りはじめました。余談まで。

 

満月が美しかった夜に(ホテルのベランダにて)

ベランダのテーブルを台にして、シャッター速度 0.3秒、f値 2.8、ISO感度 200の条件で撮ってみました。

 

ダイヤモンドヘッド(火山)方向の朝景、昼景、夕景、そして夜景です。

観光パンフレットでお馴染みのアングルにて(ホテルのベランダから)

 

夕日で火山地形(クレーターの外壁)が浮き出ました(最高地点の標高、232 m)

光学3倍ズームを撮りましたものをトリミングしました。画素数が710万ながら、トリミングに耐える画像がそれなりに得られました。

 

この場合は、シャッター速度 1.0秒、f値 2.8、ISO感度 400 で撮りました。

 

宿泊したホテルのプライベートビーチにて

 

水族館にも寄ってみました

 

水槽に余計なものが写っています。失敗作ですが、この画像も「初心忘るべからず」の例として保存しています。

 

ココヘッドの遠景です。

 

当方の一眼レフにおいて、CMOSセンサーの画素数は2,500万(フルサイズタイプ)ですが、これからも「初心忘るべからず」にて身の周りの自然や花にレンズを向けるつもりです。  ハワイに行くチャンスがあればと思いながら.....。

 

キャノンのHPから

このごろは、画素数5,000 万などのCMOSセンサーを有するスマホが登場しています。18年間での著しい進歩を実感して。

 

△ 5月28日、画像の追加と記事の部分改訂。


空を見上げて(4〜5月)、 青空に伸びる帯状の雲

2023-05-23 | 

先週末から青空の見えない天気が続いています。そして、昨日午後には、記録的短時間大雨情報(一部地域で、100 mm/h)が出されました。明日は「すがすがしい天気」になるとの予報が出されていますが、いま上空を覆っている雲が日の出頃まで部分的に残ってほしいと思っています。呑気なことながら、雲が朝焼けで彩られる場面を期待しているからです。

さて、先日のことでしたが、前日の雨に起因する朝霧が消えた後、上空に数本の複雑な形の雲が長く伸びている場面が現れました。

 

雲は、強い風によって、あたかも桐生川の流れに沿っているかのように北(上流)から南方向(下流)に伸びていました。

 

このような帯状の雲は波状雲(高積雲)の一種であり、上空の大気がうねりとなって流れていることを物語っています。なお、帯自体にも波が見られましたので、大気の流れはかなり複雑になっています。

 

 

画像は2枚組でのパノラマ合成によるものです。

 

流れの先には、ロール状の雲が東西に伸びていました。

 

画像は2枚組パノラマ合成によるものです。ロール状の雲が水平に長く伸びている有様は、この付近において温度の逆転層ができていることを示しています。

 

 

今回のような雲の流れは、当地において稀な例ですので、地面に這いつくばって見上げている雲ファン(当方)には有難いものですが、このごろ上空を通過する回数が増えているヘリコプター類に対しては、厄介な気流の乱れを知らせる信号になるだろうと想像したくなります。

余談ながら、ヘリコプターの例ではありませんが、かつて化粧室で洗顔しているとき、搭乗機が乱気流で上下に大きく揺れ、当方は危うく低い天井に頭をぶつけそうなったことがあります。杞憂かなと思いながらも、備えあれば憂いなしと片手を頭上に伸ばしていましたので、なんとか頭の打撲は避けられました。キャビンアテンダントの方から、お怪我はありませんかと心配の声をかけられましたが。

 

ー 5月8日朝、桐生川(桐生市)にて ー

 


シロバナシラン(白花紫蘭)

2023-05-22 | 

 

 

シロバナシラン(白花紫蘭)が道端の草むらの中で、花を開いていました。朝のやわらかな光を浴びている花には、華麗さとは異質の雰囲気が感じられました。

これまで、わたくしはシラン(紫蘭)にレンズを向けたことがありませんでした。しばしば見かける花の色に、何となく魅力を感じていなかったからでした。今回、この花に出会って、紫蘭に対する自分の先入感を恥じる気分になりました。

 

唇弁での慎ましやかな美しさに惹かれて

 

シラン(紫蘭)日当たりのよい湿性斜面に生える多年草、観賞用としても栽培される。茎の高さ30-70センチ。花は数個つき、大型で紅紫色、ときに白色を帯びる。唇弁は卵形で先にひだが多い。分布 本州、四国、九州、沖縄 (山渓ハンディ図鑑2「山に咲く花」(増補改訂新版))

野生ランの種類の中ではもっとも普遍化し、庭・庭園に観賞用として植えられている。和名は花の色をそのまま表しているが、漢名は白及(びやっきゅう)。地下にある鱗茎を白及根と称して糊、または漢方薬として内用・外用する。そのため、薬草園などでも栽培されている (花の大歳事記、池田書店)。

 

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ネジバナ(捩花、ラン科ネジバナ属)

 

今年も10本以上の花茎が伸びることを期待しています(自宅、植木鉢(直径 30 cm)での小さな群れ)。

 

ー 5月上旬 ー

 

 


空を見上げて(4〜5月)、 ひつじ雲で上空が覆われたときの日の出

2023-05-17 | 

山で三方を囲まれた地に住んでいるためでしょうか、思わずレンズを向けてしまう日の出や夕焼けの光景に出会うことが多々あります。このときも、上空が明るくなる頃から、ひつじ雲が山並みを額縁とするカンバス(空)の大部分を占めるようになりました。

 

日の出のときを待ちながら(午前5時頃)

手持ちのレンズを広角側(17 mm)にセットしてもカバーできないほど、雲は広がっていました。

 

ところで、「うろこ雲」、「いわし雲」、「ひつじ雲」との名はその形に由来した俗称です。気象庁では、雲を十種類に分類しています。その分類によりますと、今回の雲は中層雲2〜7 kmの上空によく現れるとしての「高積雲」に相当すると判断されます。

高積雲 : 白または灰色の小さなかたまりが比較的規則正しく並んだ雲。モザイク状、ロール状、レンズ状になる。ときには塔状になることもある。巻積雲と似ているが、違いは、現れる高さが低いことや一般に陰をもち、ひとつひとつの大きさが巻積雲(いわし雲、うろこ雲とも呼ばれる)よりも大きい。まだら雲、ひつじ雲とも呼ばれる(気象庁HP > 防災の学習関連資料 >いろいろな雲)。

 

朝日が山頂の右側から昇りはじめましたときに

 

このような雲が一面に広がることは、上昇気流と下降気流による強い対流で、水蒸気と水滴、氷晶との間の変化が広い範囲で起きていることを物語っています。下降気流のところでは雲が消えるために青空が見えますし、上昇気流のところでは温度が下がるために雲ができるからです。空を見上げて、「水」という奇跡の物質での状態変化(気体、液体、固体)が無数の箇所で進行していることを想いながら、シャッターボタンを押しました。

 

北東方向での雲の広がり

雲の輝きと雲間に見える青空、これらの対比が印象的でした。

 

太陽の周りに光環が現れ、雲全体が朝日に染まりはじめました

 

太陽光が眩しくなりましたので、この光景を肉眼では直視できませんでしたが

 

太陽が昇り、日の出方向でのひつじ雲の大部分が消えましたときに(午前6時半頃)

雲ファンてしては一息つきましたときの景色です(北方向)。

 

ー 4月24日、桐生市にて ー

 

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「気象庁HP > 防災の学習関連資料 >いろいろな雲」には、わかりやすい説明と典型例での画像が添えられています。

上層雲(5〜13 kmの上空によく現れるとして、巻雲巻積雲巻層雲。 中層雲(2〜7 kmの上空によく現れるとして、高積雲高層雲乱積雲。 低層雲(2〜7 kmの上空によく現れるが、積雲や積乱雲の雲頂は中層や上層まで達することが多い)として、層積雲積雲、層雲積乱雲。

 

 


急に天気が回復して

2023-05-08 | 朝景

昨日から降り続いていた雨が止みますと、そのときまで色彩感の乏しかった山並みでの深緑や花々が、爽やか日差しを浴びて瑞々しい彩りを取り戻しました(8日、午前9時過ぎにて)。

 

城山(360 m)のみならず鳴神山(左奥の山頂、980 m)も深緑で覆われるようになりました。

 

鳴神山には、環境省「種の保存法」に指定されています「カッコソウ(サクラソウ属の多年草)」が世界でこの山にしか見られない固有種として分布しています。かつては、花の時季になりますと、山肌がカッコソウで彩られたとのことですが、現在では自生種が極めて稀な存在になっています。そのため、カッコソウの保護活動を有志の方々がボランティアとしておこなっています。

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田中澄江(「花の百名山」の著者)さんが書かれた随筆「ボタニカルアート、花百館」の原文を部分的に紹介します。

「鳴神山にはヒイラギソウがあるという。背は4、5センチだがヒイラギのような葉をもつ。カッコソウもあるという。私の好きな野生のサクラソウの仲間である。ぜひゆきたいと思いつつ、十数年たって秋の十月の半ば、桐生市に所用があって、その帰りにようやく登ることがことができた。(中略)

鳴神山は、氷河期の名残の貴重な花が多いが、カッコソウはもうほとんど盗まれてしまったという。そう言えば大分前に、東武鉄道の浅草駅で、カッコソウを持って下りてきた青年にあい、どこからかと聞いたら、鳴神山と答えたことを思いだした。ヒイラギソウの葉も見つからなかったが、 (中略)下りの川内への川沿いの道の岩に、イワタバコも花を残していて、この谷はあたたかく、ひとも住みよかったのであろうとおもった。」

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城山の山頂には、1350年に桐生城が築かれたと伝えられています

 

青空のもとでの深緑、市街地の西側を囲んでいる山並み(一部)です

 

近くに山麓には、キリ(桐)が生えています。当地の名(桐生)は、霧が多く発生することに由来すると言われていますが、桐が多く自生していることにもよるとも言われています。

桐の残花

大きな木ですので、花やできはじめた実の細かいところまでを、わたくしの視力(1.2)  では観察できませんでしたが、

望遠でクローズアップし、それらの優しい彩り、形、そして質感に惹かれました。

 

木漏れ日を浴びて

 

キレンゲジョウマ(黄蓮華升麻)、実生の苗を種苗会社から購入して庭で育てています

いまでは、根が芋のようになり、それから10本近くの花茎が伸びるようになりました。

 

シャクヤク(芍薬)

 

 

ー 5月17日 加筆しました ー

 

 


3年ぶりに発芽して花を開いたクマガイソウ

2023-05-05 | 

草花を育てていると、ときに思いがけない出来事に出会う。庭の木陰で、いま一株のクマガイソウが花を開いている。19年に花付き苗を常緑樹の木陰になる位置に植えた。翌年、クマガイソウは再び発芽して花を開いたが、花期終了後、地中に住む動物(モグラ)によって食害を受けた。そのため、一昨年および昨年において、このものの姿は現れなかった。

クマガイソウ(熊谷草、ラン科アツモリソウ属の多年草)は地下茎を長く伸ばして群落をつくる。庭に小さな群落が生まれることをほのかに期待した者として、当方は食害防止策に対して無関心であったことに自責の念を持ち続けた。ちなみに、自生種は絶滅危惧種(環境省レッドリスト)に指定されている。

ところが、今年は19年のときからは少し離れた位置で、クマガイソウ(熊谷草、ラン科アツモリソウ属の多年草)が発芽して花を開くまでに成長した。

 

木漏れ日で、袋状の唇弁がともしび(灯火)のようになるときを待って(5月2日)

 

扇状にひろがる特異な形の葉に、シャクナゲからのしべ(蕊)が落ちている。

 

クローズアップ

花弁(側花弁)には赤紫色の斑点があり、軟毛が生えている。

 

優しい色と質感のツボミと扇(葉)(4月中旬、ドクダミの群れの中にて)

 

雨に濡れて、20年5月

 

取らぬ狸の皮算用。食害を受けずに地下茎が伸びて、来年は複数株のクマガイソウが花を開くことをいまから期待している。

 

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余談ながら、今年も珍しい双頭花に植生地で出会うチャンスを逃した。

19年5月

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落椿(菱唐糸)、朝の木漏れ日を浴びて(5月5日)

明日から来週月曜日まで、日差しは期待できないとの予報が出されている。

 

メモ 

タイトルに「3年ぶり」とのフレーズを加えるにあたって、念のためにネット検索をしてみた。

「NHK 放送文化研究所 HP > 放送現場での疑問・視聴者の疑問 >「〜ぶり」の使い方や数え方」 から 

  ◆  数え方。「○年ぶり」、すべて満の数え方をします。

  ◆ 「〜ぶり」は、語感の中に「待ち望んでいることへの期待感」を含んでいるので、「〜ぶりの大病」などという言い方は普通しません。 

 

 

 

5月がはじまって(2023年)

2023-05-03 | 雑感

文頭に「風薫る5月」との季節のことばを添えたいところであったが、初日では夕刻から至近距離内での直撃雷かと思わず身構えるほどまでに雷光が走り、激しい雷鳴が響いてきた。

 

夕日に染まる積乱雲(1日午後6時頃)

 

翌日は、前夜の雨で濡れた山肌の深緑が澄み渡った空のもとで朝日を浴びた。ところが、早朝では「風薫る」程度あった風が日中では「青嵐(あおあらし)」に変化した。

2日午前8時頃にて

 

雲影が人工林を隠す瞬間を待って

 

 

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木漏れ日を受ける庭の緑(午前8時頃、青嵐になる前にて)

キレンゲジョウマ(黄蓮華升麻)

庭では、このものの新葉の形と質感が際立っている。昨年は三度咲きになる花が秋に開いた。

キレンゲジョウマの三度咲きについて、今までのところ、他の例をネット検索でヒットできていない。

 

レンゲショウマ(蓮華升麻)

昨年は、花期が例年よりも著しく短かった(開花時での異常な暑さのために)

 

青嵐が止んだ夜空で輝く月(月齢12.9)(2日午後8時頃)

今週末に満月(望)のときを迎える(当地では雨天になるとの予報が出されている)。

 

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さわやかな朝風のもとで(3日午前8時頃)。

「風薫る」で短歌を詠みたいが....。

 

ー 5月1〜3日、桐生市にて ー