今年は、市街地周辺の山で、新緑と藤の花による彩りが例年にくらべて際立っている。そして、隣人達との挨拶では、必ずこの彩りについての言葉が交わされている。
撮影、4月27日 、群馬県桐生市にて。
今年は、市街地周辺の山で、新緑と藤の花による彩りが例年にくらべて際立っている。そして、隣人達との挨拶では、必ずこの彩りについての言葉が交わされている。
撮影、4月27日 、群馬県桐生市にて。
鳴神山(群馬県桐生市・みどり市)の固有種として、カッコソウ(勝紅草)は「種の保存法」で国内希少野生動植物に指定されているサクラソウ科の多年草である。今日、カッコソウが保護されている岩穴管理地(みどり市小平(おだいら))を、わたくしたちは訪ねた。
管理地は杉林の中にあるので、木漏れ日を受けて浮かび出る花の姿が印象的であった。
この管理地では、2種類のタイプの花が見られる。短花柱型と長花柱型である。両花型柱の間での受粉によって、タネができる(種子繁殖)。そして、遺伝的多様性が保たれる。
これらは雄しべのみが突出している短花柱型である。
長花柱型では、雌しべが長く突出している。
ところで、このような花も木漏れ日を浴びていた。花の形は八重咲きのように見えるが(?)。
優しい色の花を探してみる。
カッコソウでは、花茎と葉柄に白い毛が密生している。
杉の根元に群がる花々。
開花は昨年にくらべて遅れている(早春での異常気象(低温)の影響を受けて)。また、先日の強い降雨によってダメージを受けた花々も見受けられた。しかし、そのような例においても、カッコソウの花としての質感は保たれていた。
群生地に生えているクマガイソウの開花も遅れている。今日は開花しているものがなかった。昨年と同様に、間もなく双頭花が見られるだろう。
撮影、4月28日午前。EOS 6D 、EF 70-200 mm F2.8L。望遠(トリミング)。
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「管理地の公開日」 明日以降(29日)は、5月5日まで(毎日、10-12時と13-15時)。
岩穴観音(管理地付近)
群馬県桐生市の山間部には、2種類のサクラソウ科の花が自生している。それらはカッコソウ(種の保存法指定植物、鳴神山固有種)とサクラソウ(ニホンサクラソウ、新里町)である。
サクラソウはかつて新里町(旧新里村)に広く自生地していたが、その群生地は「新里のサクラソウの群落」などに限られるまでに減っている(新里村教育委員会パンフレットなど)。
昨年(2018年)、「新里のサクラソウの群落」で撮った画像をアップロードする。
この自生地では、ニリンソウも群生している。
撮影、2018年4月下旬
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ところで、当地では昨日から雨が降り続いている(明日の予報、雨のち晴れ)。
市街地周辺の山並み(4月26日夕刻)
昨日、当地での最高気温は28.4℃であった(関東地方でNo.1)(苦笑)。季節外れの高温で開花が始まったかと思い、わたくしたちは市内のサクラソウ自生地を訪ねた(群馬県桐生市新里町)。ちなみに、19日においては開花前とのことであった(市の開花情報)。
咲き始めた花のクローズアップ
今日午前において、1-2割程度が開花している状況であった。
自生地の管理を担当されている方は、連休に入ってから花が見頃になるだろうと予想していた。
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自生地そばの駐車場には、クリーンな移設型水洗トイレが用意されていた。
撮影、4月23日午前。EOS 6D、EF 70-200 mm F2.8L、望遠とトリミング。
画像は、昨夜23時過ぎに撮った平成最後の満月である。当地では、この時間帯までに天空を覆っていた厚い雲が消え去り、満月がスーパームーンの再来を想わせるほどの明るさで輝くようになった。
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昨夜は20時26分に満月になるとのこと(国立天文台HP)。そして、ときには厚い雲が切れて、月光による雲の彩りが印象的になる場面があった(19時頃)。
撮影でのISO感度、2000-6400。
そして、天空で輝く月(23時半頃)
撮影日、4月19日、桐生市にて。
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今夜の月(20時半頃)
南京小桜の花は、雌しべが短い短花柱花型である。
今日も、かねてから育ててきたサクラソウ(ニホンサクラソウ)の園芸種、南京小桜の花が暖かい日差しを浴びている。このものは、約300年前(江戸時代中期)に作出された、現存する最古のサクラソウ園芸種である(国立科学博物館筑波実験植物園、企画展、資料(平成24年))。
花において、白い縁取り(白覆輪)は特徴的であり、印象的である。約300年前(江戸時代中期)に作出された品種にレンズを向けながら、わたくしはその魅力に心を動かされるとともに、今年も活き活きとした花を開いてくれたかとの安堵感を覚えている。
撮影、4月18日朝。
昨日、月の出が15時45分、日の入りが17時54分(群馬)であった。そして、十三夜の月(月齢12.5)が澄みわたった青空の中で輝いた。
山道のそばでは、ヤマザクラの残花が夕日を浴びていた(月を遠景として)。
花の先には十三夜月との場面を待つ間にて。
落日のときが近づくにつれて、月の輝きが増した。
西側では、標高480メートルの稜線(吾妻山)が夕日を遮る。
西側とは対照的な光景に、周囲が暗くなるまで写人はレンズを向けた。
撮影、4月16日、桐生市にて。
城山の桜は、変則的な天候に負けることなく、今年も花を良く開いた。市街地のソメイヨシノは昨日から風と雨によってほぼ葉桜になったが、この山では残花模様がまだ目立っている。
ところで、市街地から見上げるのみならず、対峙する山並みから桜の群れを眺めることも一興である。このときは、上空の大きな雲が夕日を部分的に遮っていた。そして、城山の桜を夕日がピンポイント的に照らし出す場面も現れた(撮り手は傾斜40°近くの山腹に立ち、冷たい北風を受けることを強いられたが)。画像において、右奥の山は鳴神山(980メートル)である。この山の片側(東側)は杉林で覆われている。
斜めからの日差しが城山とその麓を照らし出す。
城山を望遠でクローズアップしてみる。かつては、山頂も桜花で覆われたが。
下山中にて
斜面の大木が春先の強風で倒れたために、麓に近いスポットから北八ヶ岳が見えるようになった。このときは、130キロメートルも離れている赤岳などの稜線がはっきりと見えた。赤岳とその付近に夕日が沈む頃が待ち遠しい。
撮影、4月9日など(午後5時過ぎ)、桐生市にて。
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4月13日午前にて。
昨日は冬に逆戻りしたかと思いたくなるほどの冷たい雨、今日は一転して透明な青空と明るい白い雲。この頃の激しい天候の変化に振り回されているのは、山に咲く花だけだろうか。
さて、市街地から目立つ存在である、城山(じょうやま)(別名は柄杓山(ひしゃくやま)、361メートル)で、山腹に植えられているソメイヨシノの花が冷たい雨に負けることなく彩りを保っている。
桐生川堤防にて(1)
桐生川堤防にて(2)
市街地から眺める桜花の群れ
桜花で顕示される曲線形(鳴神山(右奥、980メートル)を背景として)
鳴神山では、間もなくアカヤシオが開花するはずだ。
2枚組パノラマにて
東側から見上げた桜花
城山には、は山城(桐生城)は1350年に桐生国領によって築かれたと言われている。城址には堀切が遺構として残っている(増田宏著「山紫水明桐生の山」、みやま文庫、2015年)。
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今朝の景色から(北方向、1,000-1,100メートル峰)。市街地には雪が降らなかった。しかし、今朝は雪山方向から吹いてくる風が冷たかった。
撮影、4月11日午前(一部は4月9日)、桐生市にて。
先程まで雨が降っていたが、今は幾つかに星が見える。明日は青空が戻ってくるに違いない。どころで、近くの山では、ヤマザクラ、スミレ、ヤマルイソウなどの花々が見る人の心持ちを暖めるようになってきた。
ヤマザクラの花、濁りのない青空のもとで。この山には大木が多い。
花、新葉、そして青空。自然の色の調和で、しばし時が経つのを忘れる。
ヤマルリソウの花、日差しを浴びて。
エイザンスミレも花を開いている。
家に戻ると必ず眺める花、プルモナリア ブルー・エンサイン(赤色も瑠璃色に変わる)。
撮影、4月5-6日。
今日は日差しがあるものの透明感のない空模様になっている。黄砂飛来の影響が現れてきたのであろう。先週までの透明感に満ちた青空を呼び戻したくなった。市街地を囲む山並みにおいて、ヤマザクラなどの花が目立つようになったからである。さて、先月中旬のことであった。美しい夕焼けグラデーションが、今日のようにどんよりとした空模様のもとで現れた。
落日の前に見られた光景から。浅間山は薄いシルエットとして視認できるに過ぎなかった。
今回も無駄足を踏むことになったかと嘆息しながらも、少しは景色が変わることを期待して、わたくしは落日のときを待った。
幸いにして、結果は徒労に終わるものでなかった。浅間山が夕陽をバックライトとして浮かび出てきたのであった。
次いで、夕焼けが浅間山を中心として半円形に拡がり始めた。
夕焼けでのグラデーション。この彩りは自分がこれまでに見たことがないほど美しかった。
彩りは時間経過とともに変化した。
今回の夕焼けグラデーション浅間山付近に夕陽が沈んだから現れたものである。現在、落日の位置は浅間山の北側(右側)、榛名山方向に移動している。浅間山を主役とする夕焼けは秋分の日頃までお預けである(苦笑)。
撮影、3月19日夕刻、群馬県桐生市にて。ホワイトバランスは撮影時設定(昼光色)、PLフィルターなどは使用しなかった。
ヒトツバエゾスミレの自生地は関東北部(栃木県、群馬県)に限られると言われていたが、近年、四国や長野県北部でもこのスミレは見つけられている(いがりまさし、増補改訂 日本のスミレ、山と渓谷社、2012年)。
ヒトツバエゾスミレでは、花びらに薄い着色と濃い線(唇弁において)が見られる(鳴神山にて)。
このものでは、花びらの色は淡いが唇弁に濃色の線がある(鳴神山にて)。
「ナルカミスミレ」はヒトツバエゾスミレの白花品である。わたくしたちは白花品に何時か出会ってみたいと思っていた。そのため、鳴神山で、ヒトツバエゾスミレが生えている登山道やその周辺を見回しながら歩いてきた。そして、約10年前に大滝口登山道のそばのスポットで白花品を見つけた。しかし、翌年に同じスポットで該当するスミレを再び見つけることはできなかった。
ところが、人間万事塞翁が馬である。2014年、偶然にも非の打ち所がない白花品を、わたくしたちは見つけた。このものでは、花びら(唇弁)に着色された線が見られない。花柄や葉柄は完全に緑色になっている。すなわち、これはヒトツバエゾスミレの白花・青軸品、そのものである。
花弁の基部が少し黄緑色を帯びている。これは背後の萼片の色が映っているからだ。花びらの透明性が高い。
外見から判断すると、このものはナルカミスミレであると同定できる。
また、別の場所において、このような白花・青軸品を見つけた。このものでは、唇弁の基部に薄茶色の線があった。
これらのものの閉鎖花も見たかったが、生えていた場所が初夏の豪雨で流されてしまった。まことに残念である。それ以後、わたくしたちはこれのような白花・青軸品に山で出会っていない。それだけに、友人とわたくしは前記事での白花・青軸品が「ナルカミスミレ」として売られていたことに驚いたのであった。もう一度、山に生えている「本物」に出会いたいものである。なお、前回に紹介したスミレでは新たな花が開き始めている。
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ナルカミスミレ: 撮影、2014年春
スミレファンとして、山道などでスミレに出会ったとき、芭蕉の句「山路来てなにやらゆかしすみれ草」を、わたくしは思い出す。ところで、近くの鳴神山(花の山として知られている。標高 980 m)には、固有種である「カッコソウ(サクラソウソウ科、種の保存法指定種)の他に、ヒトツバエゾスミレ(一葉蝦夷菫)が分布している。このものは、エイザンスミレの変種として葉が単葉化したものである。花びらは通常、淡紅色を帯びている。白色の花びらを持つ個体は極めて稀である。
白花品は「ナルカミスミレ」と呼ばれている。ネットで検索すると、「ナルカミスミレ」の画像が多数ヒットする。しかし、それらの画像の大部分では、花びらが少し色を帯びていたり、花柄が赤茶色を帯びている。花びらが白色で花柄が緑色のもの、すなわち白花・青軸品はほとんど登場しない。そのためであろうか。地元では、「ナルカミスミレ」は幻のスミレであるとされている。
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さて、親しい友人がある場所で「ナルカミスミレ」として売られていたものを購入し、元気を取り戻すようにとわたくしにお送りくださった(昨年)。その頃、わたくしが体調を崩していたからであった。
今日の暖かさに誘われて、プレゼントされてから育てていたスミレが花を開いた。
唇弁での縦の線の色は薄い。通常のヒトツバエゾスミレでは線の色が濃い。各花弁の基部を黄緑色を帯びている。側弁には白毛が生えている。
これは、日差しを浴びているときに撮った。
スミレの全体像。花のみならず距(後部)も白色を帯びている。花柄は緑(青軸)である。
2月に葉を開いたが、その後の寒さで葉はすべて枯れた。しかし、先月中旬から地上部が復活し蕾をつけたのであった。
4月5日朝の状態(追加画像)
しはんこのものはナルカミスミレもしくはその系統に属する交雑種であろうか。
ナルカミスミレに出会ったことがある自分にとって、取り組み甲斐のある宿題が生まれた。
友人に、結果を報告するとともに深謝の意を表する。
撮影、4月4日。マクロレンズ使用。
今年もプルモナリア ブルー・エンサイン(ヨーロッパ原産)が瑠璃色の花を開いた。このムラサキ科の花が朝日を浴びているとき、わたくしはその彩りに強く惹かれる。このプルモナリアは、「ルリソウ」として売られていたものを、花名に疑問を持ちながら育ててきたものである。今年は厳冬期に低温被害を受けために、葉や茎など地上部はほとんど枯れてしまった。しかし、先月に入ってから芽を出し新しい葉を展開して、花を開いたのであった。
ブルー・エンサイン ー イギリス海軍旗など、イギリスに関係する組織や地域で使われている旗である。
撮影、4月1日早朝、マクロレンズ(EOS EF 100 mm F2.8)使用。
花の柔らかい質感をどう写し撮るかは、ミツマタのファンである自分にとってかねてからの命題である(苦笑)。ところで、花は午前中に撮るべしと聞いたことがある。午後になると日差しや風で水分が蒸発して、花びらの潤いが減少する。しかし、この頃はなんだかんだとかと理由を見つけて、早出を億劫にすることが増えてきた。今回は、遠来の友人のお蔭で、早出する動機が得られた(感謝)。そこで、群生地での花をマクロレンズでクローズアップしてみた。
青空を背景にして
雨に濡れた状態が残っている花を見つけて。
乾いているときの質感(27日)
思い切って、花の一部をクローズアップすると。
花(実は萼)は細かい白毛で覆われている。その白毛の上の水滴は雨によるものである。
撮影、3月31日、群馬県桐生市梅田町にて。