こつなぎの写真ノート

身近な自然の彩りを楽しみながら

紅葉と展望に誘われて、赤城山・鳥居峠・地蔵岳にて、2016年10月

2016-10-25 | 赤城山

昨日、赤城山の鳥居峠、地蔵岳、そして小沼周辺を、わたくしは散策した。先週のことであったが、次週月曜日(昨日)は快晴との予報が出された。それではと、土曜と日曜日に野暮用は済ませることにした。ありがたいことに、天気予報は見事に的中した。

往路では、赤城山は当然のこと浅間山や榛名山がくっきりとした姿で視界に入ってきた。山内に向かう県道4号線(前橋赤城線)では、中腹付近から道沿いの紅葉が陽光を浴びていた。とくに、新坂平から大沼湖畔に下る部分での紅葉は美しかった。

 

鳥居峠では、吹き上げてくる風の冷たさがウィンドブレカーやスカーフを着用しないと寒くて立っていられないほどであった。しかし、峠からの見晴らしはきわめて良かった。

東方向の山並みでは、山腹の起伏がはっきりと判別できるほどであった。展望を眺めながらの呟きは、まだ登っていない山頂が自分には多すぎる。残念、筑波山は見えない。逆転層のようなゾーンが見えるなどであった。

 

奥の稜線(中央右)の特徴的な山頂は鳴神山(980 m)である。今年は花の時季(4、5月)に約2000人の登山者がこの山を訪れたと聞く(余談まで)。ところで、山並みの麓(谷間)では、日光への国道122号線が通じている。また、足尾を水源とする渡良瀬川が流れている。

 

眼下の尾根では、アカヤシオなどのツツジ、ダケカンバ、シラカンバが多い。峠に着く前、これらの紅葉や黄葉はどのような具合であろうかとついつい案じてしまった。

峠に着いたとき、両者の彩りはあまり目立たなかった。ところが、日差しの角度が変わったとき、アカヤシオの紅葉などが浮き出た。望遠レンズを用意してきた者にとってはまさにチャンス到来であった。

 

5月、この尾根で咲くアカヤシオの花には見応えがあった。この光景は日光半月山(駐車場)から眺めた赤倉山での紅葉を想像させる。

 

東南尾根(中央)との谷間は利平茶屋森林公園(桐生市)への道(地上ケーブルカーの跡)である。この尾根にもアカヤシオが多い。

 

峠のそばの小さな山頂、籠山。ここでの彩りでは、アカヤシオが中心となっている。籠山は溶岩が積み重なっている岩峰である。

 

次いで、わたくしは地蔵岳に向かった。小沼周辺、黒檜山、駒ヶ岳、五輪尾根での彩りと地蔵岳での展望を確かめたかったからだ。地蔵岳から小沼を俯瞰する。水面の色はこの時季ならでのものである。

 

地蔵岳では、積雪期を除いて、年に何回あるだろうかと言えるほどの展望がわたくしたちを待っていた。ここでの背景は、左から笠ヶ岳、至仏山、燧ヶ岳、会津駒ヶ岳(なだらかな山頂)、男体山(山頂が僅かに見える、黒檜山の右)などである。

 

山頂では、北アルプス(槍ヶ岳)なども遠望できた。展望については次の記事で。

 

撮影、10月24日午前10時ー午後4時。

ホワイトバランスは昼光(5500 K)、円偏光フィルター使用(展望で)。

 

 


昨日の夕景、2016年10月

2016-10-21 | 夕景

 

 

 

 

昨日は、県内で最高気温29℃を記録したところがあった。何時ものように、私は近場の尾根道を歩いた。日の入りの時刻が近づくと、尾根に強い風が吹きつけてきた。樹木は大きく揺れて、まだ黄葉や紅葉になっていない落葉樹の葉が周りで舞いはじめた。

夕陽が沈むにつれて、霞の中に沈んでいた浅間山が浮きでてきた。ところが、夕陽は厚い雲の中に沈んでしまった。それでも、トワイライトタイムでは、長い帯状の輝きが現れた。


10月20日午後5時過ぎ、群馬県桐生市にて。

 


小さな秋、玄海ツツジの紅葉、2016年10月

2016-10-20 | 紅葉

 

 

 

近くの尾根から、朝日が木漏れ日として庭のゲンカイツツジ(玄海ツツジ)を照らし出す。そして、柔らかな日差しで、アントシアニンをたっぷりと貯めた葉が目覚める。この姿は、自分にとってレンズを向けずにはいられない小さな秋の情景である。

 

それにしても、今日は10月中旬とは思えないほど、日中の気温は高くなりそうだ。このツツジは落葉性であり、3月に葉の展開に先駆けて赤紫色の花を開く。どうしたことであろうか。今朝は蕾の一部が膨らんでいる。この数年間において、初めてのことが庭で起こりつつある。


10月20日朝EOS 6D、EF 100 mm F2.8L 、ピクチャースタイル スタンダード、現像ソフト キャノン DPP 4


フォトアルバム(12)、雲海の彼方に見える山々、晩秋の赤城山にて

2016-10-18 | 蔵出し

今週から10月も後半に入った。何かと理由を見つけては億劫にしているために、私達は紅葉の山を歩くチャンスを失ってしまいそうである。ところで、赤城山ではアカヤシオの花の時季などに、私達は雲海の場面を撮ってきた。今回アップする画像は8年前に撮った晩秋での雲海である。

雲海の彼方に富士山、南アルプス、八ヶ岳連峰、北アルプス、浅間山、四阿山などが見える景色を、私達はいまだに記録メディアから消去することができないでいる。このときは、赤城山は東、南そして西側の三方が雲海で囲まれた。一方、北側には雲海が見あたらず、谷川岳、燧ヶ岳、至仏山などの姿がくっきりとしていた。赤城山・地蔵岳にて(標高 1674 m、山内では黒檜山(1828 m)に次いで高い)。


東方向
山頂に登る途中で、初めて見る大気現象に出会った。高さ1000 m付近に、ベルト状の界面が直線状に伸びていた。これは、逆転層の存在を強く示唆するものであった。蜃気楼でも見えるのかと半ば唖然としつつ、ベルトが山頂に着くまでは消えないようにと願いながら、私達は山頂へと急いだ

ベルトの下に見える山々。矢印で示した山は、左から加波山、鳴神山、筑波山である。逆転層の彼方に100 kmほど離れた筑波山が見えるではないか。私達は感動を覚えざるをえなかった。なお、鳴神山(980 m)は私達にとって近所の山である。


南方向

山頂に着いたとき、同伴者へのかけ声は雲海の対岸に富士山がくっきりと見えるぞ。急いで。」であった。富士山の手前の山並みは奥秩父連山である。赤城山と富士山との距離は160 kmほどである。

富士山がどの位の大きさで見えるだろうか。尺度となりそうなもの(者)を入れてみたが。右(山腹)の道は山頂への経路だ。


南西方向

雲海の対岸は南アルプスと八ヶ岳連峰である。矢印を付けた山は、左から間ノ岳、北岳、御座山、甲斐駒ヶ岳、そして赤岳である。南アルプスまでの距離は約140-150 kmだ。赤城山で、これらの山頂がくっきりと遠望できる機会は、雪山シーズンを除いて多くない。

赤城山との位置関係をはっきりとさせるために、山内の山頂、荒山と鍋割山を入れてみた


雲海の彼方に八ヶ岳連峰が見える景色は詩情をそそるような気がする。赤岳(南八ヶ岳、左側の矢印)から蓼科山(北八ヶ岳、右側の矢印)に加えて、荒船山(テーブル状)と妙義山(岩峰)が見える。両山の高さ(それぞれ、1300、1100 m)から判断すると、雲海の高さは1000 m程度であろう。

 

西方向

雲海に浮かぶ、浅間山、蛇骨岳、籠ノ登山(東と西の二峰)そして湯の丸山(なだらかな山頂)が美しかった。これらの手前に見える榛名山なども魅力的に見えた。

私達にとって、山頂での褒美は篭ノ登山の右に奥穂高岳(推定)と湯の丸山の右に槍ヶ岳がかすかながらも視認できたことであった。

矢印は、それぞれ奥穂高岳、槍ヶ岳、北アルプスの稜線である。

 

パノラマ画像。浅間山の左側には乗鞍岳が見える。

 地蔵岳で見る四阿山の裾野は伸びやかだ。四阿山の両側には北アルプス連峰が見える。右側の雪を被った岩峰は鹿島槍ヶ岳である。

 

西北から北方向

こちら側には雲海がなかった。そして、苗場山から、谷川岳、巻機山、武尊山、至仏山、燧ヶ岳などまでが稜線の景色を構成していた。

パノラマ画像


苗場山から谷川岳まで

 

撮影、2008年11月中旬赤城山地蔵岳にてCanon、Powershot G7(1000万画素)、画像処理ソフト Adobe Lightroom CC(2015)

(2016年10月16日、再処理)。


カシミール 3D のホームページ(パノラマ展望図集(全国の山頂から))には、つぎの説明がある。「黒檜山は展望の名山である。国内3000 m峰14座のうち12座までが見えることが確認されている。」

地蔵岳からは何座が見えるだろうか。



赤城山、青空、そして雲が織りなす秋景、2016年10月

2016-10-10 | 夕景

近くにある山でも、その山体がくっきりと見えるときは意外に少ない。赤城山は自分達にとって身近な山である。それだけに、この山がくっきりと視界に入ってくると、私は少なからず感動を覚える。

昨日は午後後半に、天候が急速に回復した。そして、抜けるような青空と多様のかたちの雲と相俟って、これがあの山であろうかと思いたくなるほど、半ばシルエットになった赤城山の姿とその色合いが美しかった。


ここでの各々の山頂は左から、荒山、長七郎山、地蔵岳、駒ヶ岳、黒檜山である。河川敷きでは多くの人々がそれぞれの時を楽しんでいた。しかし、望遠レンズを付けたデジイチで赤城山を撮っている人は自分以外にいなかった。日頃、河川敷きをフィールドとしている人々にとって、赤城山が見える景色は余りにも日常的なのであろう。自分は河川敷きからは離れた場所に住んでいるので、ここで見る赤城山に魅せられるのであった。


撮影ポイントを探しているうちに、太陽の高度がかなり下がってきた。斜めからの日差しで、山腹での起伏が少しは見えようになった。黒檜山、駒ヶ岳、そして地蔵岳に雲がかかっている眺めに駆り立てられて、写人はシャッターボタンを何度か押した。


地蔵岳の左には荒山と鍋割山がある。この河川敷きでは、深田久弥が著書「日本百名山、赤城山」において「台座」と表現した、のびやかな裾野(底面の径、約25 km(気象庁HP))をあまり意識できないが、地蔵岳、荒山、鍋割山がかつて溶岩ドームであったとの地形を見て取ることはできる。画像は焦点距離70 mmにして鍋割山から黒檜山までを枠内に収めたものである。

 

広角で、雲の有様と赤城山と市街地内の山並み(300- 500 m)を枠内に収めてみる。右の建物は公立病院(500床)である。


雲の様子はあたかもオーロラの如しであった。と言っても、写人はアラスカでオーロラを眺めたことがない。


日の入りのときが近づいてきた。

 

撮影 10月9日午後4−5時、桐生市にて。


5時半頃になると、雲が夕陽に染まるだろう。しかし、ある約束の時刻が迫ってきた。惜別の感をもって、写人は河川敷きを離れた。


移動する途中で。午後5時40分頃。

 


久し振りに浅間山が見える夕景、2016年10月

2016-10-07 | 夕景

昨日は久し振りに浅間山を近所の山で遠望することができた。日の入りの時刻に合わせて、近所の低山(250-300 m)に向かった。そして、夕陽に染まりながら、夕焼けハイカーは浅間山の近くに太陽が沈んでいく場面を眺めたのであった。

風で揺れるススキの穂の彼方に浅間山。秋の訪れを感じて。


台風16号は佐渡沖で温帯低気圧に変わったが、当地ではときどき強い風が吹いた。木々の大きなざわめきに不安を感じながらも、ハイカーは80 kmほどの遠方でのサンセットを眺めたいとの衝動を抑えることができなかった。

この日、日中は10月上旬とは思えないほど気温が高かった。しかし、夕刻になると尾根に吹きつけてくる風は肌寒かった。日の入りの頃になると、それまで霞んでいた浅間山(2580 m)が剣ヶ峰とともに浮かび出てきた。


浅間山のシルエットが次第に濃くなった。


ふと見ると、季節外れのヤマツツジの花が夕陽に染まっていた。


夕陽が沈んで。

 

撮影、10月6日午後5-6時。群馬県桐生市にて。


尾根や山腹には、遊歩道が整備されている。撮影、8月中旬夕刻。


低山点描、谷川岳(2010年9月)

2016-10-01 | 谷川岳・草津白根山

谷川岳は双耳峰である。谷川岳の森林限界は1,500 m程度であり、限界から山頂(2,000 m弱)までの山容は部分的に笹原が広がる険しい岩峰となっている。撮影、2010年9月下旬

 


天神尾根コースでの登山者の列。このときは、ナナカマドの実と笹原の対比が見事であった。



天神尾根コースにて。


山頂とその周辺にて

山頂近くの肩の広場にて。左側の岩稜は俎嵓、右の尾根はオジカ沢ノ頭である。

 


俎嵓のクローズアップ。麓には谷川温泉がある。かつては、俎嵓が谷川岳の山頂であったと聞く。

谷川温泉で俎嵓を眺める(11月下旬)。


新潟県側の山(万太郎山、仙ノ倉山、平標山、苗場山(奥))を望む。

 


画像は、オジカ沢ノ頭から、万太郎山、仙ノ倉山、そして平標山に至る尾根である。




オキの耳(トマの耳にて)。

 


今日は朝から日差しのないどんよりとした空模様となっている。昨日の晴れ間は一体何であったのであろうか。今日は、デジイチと交換レンズを持って登れるかなとの不安を感じながら、かつて谷川岳で撮った画像を再現像してみた。私達が登ってきたコースはロープウェイを利用する天神尾根コースである。コースは初級者向けとされているが、登りの標高差は800 mである。画像の一部は前ブログ(ココログ)で記事にしたが、それらの大部分はgooブログに移動することができなかった。今後、アップする画像は気象条件に恵まれたときに撮ったものである。