こつなぎの写真ノート

身近な自然の彩りを楽しみながら

秋の花としてのキレンゲショウマ(黄蓮華升麻) 2023年9月

2023-09-30 | 

キレンゲショウマは7〜8月に花を開く夏の草花である(アジサイ科キレンゲショウマ属の多年草)。庭で育てているものも7月に一番花を開いた。その後、幾つかの花を開いたが、先月での異常な暑さによって、多くの蕾が花を開く前に萎んで落ちた。午前11時以後は日の当たらない半日陰の位置で育てていたにもかかわらずあった。

何事にも例外がある。今年はほとんど日差しを受けない位置で育てたキレンゲシュウマが、今月下旬に優しい色と質感を感じさせる花を開いた。例年ならば、このような位置での蕾は膨らむことなく枯れる。


日陰の目立たない位置で蕾が膨らんだので、食害によって蕾や花に大きなダメージを与える「クロハウリムシ」はこれらの蕾や花に接近しなかった。


葉が傷んでも「一花を咲かせる」。植物のしたたかさ(強かさ)は感動的である。



3日後の姿である。



今後、今年の夏のような暑さが恒常化するかもしれないとして、花壇において草花の位置を決めなければならないと、わたくしは思っている。

撮影: 今月下旬、ホワイトバランスは太陽光、ピクチャースタイルはポートレート。


美しい草花として「キレンゲショウマ」が劇的に登場したNHK朝ドラ「らんまん」が終わった。ところで、前シリーズの続きドラマのファアンとして待ち望んでいた、イタリア発の医療ドラマ「doc 2 あすへのカルテ」(NHK総合、日曜日午後11時)が放送されはじめた。新型コロナ感染拡大そして収束後においてドラマはどうように展開されるだろうか。「doc 2」の第一回では、日頃の何気ない癖や行動で病院のスタッフがコロナに感染したことを示唆する場面があった。余談まで。

雲間から昇る待宵月 2023年9月

2023-09-29 | 月、月光彩雲



月面への軟着陸が競われている時代になっても、夜空に明るい月が昇る場面はロマンに満ちた景色であると、わたくしは思っている。昨夜は十四夜の月(待宵月)が近くの尾根の上空に漂っていた綿雲(積雲)の背後から昇る場面があった。

日の入り30分後、深いブルー色を帯びた残照の夕闇に、中秋の名月と思えるほどの月が昇った。


綿雲の縁が明るい月光によって美しい彩りを帯びた。










28日午後6時過ぎ(日の入りは午後5時半頃)
撮影条件: ISO感度 1600-2500、シャッター速度 1/25秒〜1/60秒、絞りf値 7、RAW → JPG。

現像においては、残照による夕闇の色を再現するために、ホワイトバランスは白色蛍光灯に設定した。明るい月に露出を合わせようとすると、ホワイトバランスがオートおよび太陽光では、空が暗闇として写るからだ(参考資料、Canon Image GateWay「夕闇の月風景を演出させるカメラ設定の妙義とは」)。


現在、晴れているが、月が昇る方向は厚い雲(積雲)で覆われている。それでも、今夜の月(十五夜)が「中秋の名月」に相応しい輝きを放つ場面に出会えることを、わたくしは期待している。


追記(9/30)
昨夜は上空が厚い雲で覆われたために、名月を眺める機会はありませんでした。関東地方において、選択的に当地での空模様は良くなかったようです。

追加した画像は、明るく輝く「待宵月」に露出を合わせたときのものです。ホワイトバランスは上の画像と同じです。ISO感度 800、シャッター速度 1/500秒、絞りf値 9、RAW → JPG。





待望の秋晴れにレンズを向けて 2023年9月

2023-09-24 | 朝景

今日は、先週後半までのかなり蒸し暑い状態とは対照的な空模様になっている (アメダス観測値、気温28℃、湿度 35%、風速 2 m/sec、午後2時)。結果として、「暑さ寒さは彼岸まで」との慣用句を実感させるような天気が早朝から現時点まで続いている。

昨夜の予報から期待した朝焼けは不発に終わったが、長袖シャッツでも肌寒さを感じさせる北風が吹いていた(午前5時半)。




午前7時頃から巻雲(すじ雲)などの上層雲が現れた。


先週まで色濃く山肌を覆っていた緑が褪せはじめた。



先週(22日)のNHK番組「チコちゃんに叱られる」では、「秋の空が高いのはなぜ?」との問題が出された。その問いに対して、答えのヒントになる青空と雲が今日は現れている。


そして、レンズによるハレーションがはっきりと現れるほど、今日の太陽は輝いている。



撮影 24日午前5ー11時、桐生市にて。


今年の「中秋の名月」は29日(金)である。しかも、19時に望(満月)になると公表されている。今日のような空模様がそのときまで持続することを願いながら。



接写で知る花の個性、ヤブラン(藪蘭)

2023-09-10 | 

花を接写すると、肉眼ではあまり意識できなかったような花の個性に気づく。「木を見て森を見ず」とのことわざに逆らうつもりはないが、わたくしはマクロレンズで撮った画像をパソコンのディスプレイで拡大し、花びらやしべでの彩り、美しい造形、そして独特の質感をあらたに見いだすことを趣味にしている。

「ヤブラン」は山野の木陰などに自生しているキジカクシ科ヤブラン属の多年草である(本州、四国、九州、沖縄に分布)。このものは耐寒性、耐暑性に優れ、病害虫による被害もほとんど受けないので、造園や緑化用草花として広く利用されている(みんなの趣味の園芸、NHK出版)。我が家の狭い庭においても、植えたわけでもないのに、ヤブランがいつの間にか定住者になっている。近くの山から野鳥が種子を運んできたのだろう。


花はきわめて小さいが(花径 6−7 mm)、木漏れ日で浮き出る淡紫色の花びらとしべ、そして蕾の彩りは魅力に満ちている


花びらは6枚、雄しべは6本である




花名の由来は藪に生えていて、葉がランのそれのように見えることによるとされている。そのことに加えて、私は花がランのそれのように美しいからだと思うことにしている




蕾と花。花茎は30ー40 cm 程度である。花茎には花(and/or 蕾)がたくさんつく(総状花序)



ところで、成熟前の種子と花・蕾が混在する場面も面白い。薄紫色の花から、どのような色素変換プロセスでこの色が現るのかと推理したくなるほど、種子は光沢のある緑色を帯びている。なお、成熟前に、種子を包んでいる皮(果皮)は落ちる。結果として、画像のように種子はむき出しの状態になる



今朝は薄日が差す空模様になっている。木漏れ日が花を照らし出すほど、日差しが強くなればと思う。ただし、先週までのような酷暑は勘弁してもらいたいが。


8月下旬〜9月上旬、EF 100 mm F 2.8(マクロ)にて撮影。




台風接近の前日に現れた雲、巻雲、波状雲など 2023年9月

2023-09-07 | 

台風13号が関東や東海に接近・上陸する恐れがあるとの予報が出されている。ところで、今日は南方向が雲で覆われたために、ときどき薄日が差す空模様が続いた。それにもかかわらず、北方向では午前中のひととき、青空を背景とする巻雲、波状雲、ひつじ雲などによる印象的な場面が現れた。


ここでは、巻雲(すじ雲)は細い筆で描かれた優美な曲線として写っている。




数分間のうちに、雲の形は大きく変化した。



巻雲は消えて、波状雲とひつじ雲(+ うろこ雲)が主役になった。





このとき、周囲ではそよ風が吹いている状態であった。しかし、波状雲などの出現は、上空において大気の流れが台風の接近によってかなり乱れていることを示している。



7日午前、桐生市にて。


桐生川上流にて、イワギボウシの花と蕾 2023年9月

2023-09-05 | 桐生川・紅葉{桐生川)

9月になると訪れる人々が少なくなり、桐生川上流域は靜かな佇まいを取り戻す。



渓流とミツマタ。花の咲く時季が待ち遠しいスポットである。




川沿いを歩きながら、イワギボウシ(岩擬宝珠)を探してみた。
このものは山地谷沿いの湿った岩や樹の上に生えているユリ科ギボウシ属の多年草であり、関東・中部地方に分布している(山渓ハンディ図鑑2 山に咲く花)。

ここでは、花の数に圧倒された。





淡紫色を帯びた花は、光の方向がジャストフィットすると実に美しい。この花のファンとしては、持久作戦でそのような時間帯まで待ちたかったが、今日は探索に徹した。なお、花の長さは4センチ程度である。




ところで、紫色がやや濃い蕾も美しい。マクロレンズで接写したかったが、このものは梯子を使っても届かないほど高い位置に生えていた。自作の造語で表現すると、このものは自分にとって「高嶺の蕾」である。



蕾が開き「高嶺の花」になる頃に、時間帯を選んで再び撮りにくるぞ!


5日、桐生川、望遠 200 mm(解放絞り)にて。




久し振りに出会ったタイプの美しい夕焼け 2023年9月

2023-09-04 | マジックアワー

先月も近くの川沿いで彩りの濃い夕焼けを眺めたいと思っていたが、連日のように到来した夕刻での雷雨のために、そのチャンスを何度も逃していた。今や頃は9月、昨日は積乱雲が日の入り頃に現れなかった。しかも、巻雲をはじめるとする秋によく現れる上層雲が青空に広がっていた。チャンス到来、雷のことを忘れ、私はカメラと交換レンズを入れたザックを担ぎ外に飛び出した。なんとも原始的な方法ながら、うちわで苦手とする蚊の接近を防ぎながらであった。

夕焼けの彩りが短時間のうちに大きく変化する時間帯にと、私は桐生川まで急ぎ見通しの良い堤防に登った。

巻雲などによる夕焼けの光景が眼前に広がっていた。何度かこのような場面に出会っているはずであったが、今回もその光景の美しさに心を揺さぶられて、心臓の鼓動が速くなった。




雲の彩りがもっとも濃くなったときの場面である。川の緩やかな流れに雲の彩りが映り込んだ。



ここでの山(通称、観音山)の高さは300 mである。雑木林で囲まれているが場所を選ぶと、山頂は浅間山、八ヶ岳連峰、赤城山、秩父連山などの素晴らしい展望台である。


西方向にひつじ雲とうろこ雲が帯状に浮かんでいた。そして、これらの雲も夕日で唖然とするほど濃い彩りを帯びた。



山並みは市街地に張り出している里山である(吾妻山、480 m、市民の山といわれている)。かつて、私たちも週2回のペースで山頂まで登っていた。


夕焼け(シテ)が静かに終わりの仕舞いをはじめた場面である。華やかさは減少したが、このときならではの彩りの組み合わせに、私は心を動かされた。





この光景を眺めながら、何事にも終わりがあると、柄にもなく私は感傷的な気分になった。多分、依頼された追悼文を脱稿して散策をはじめたからであろうう。



間もなくパタパタと手早くうちわをあおがなければならなかい現実に、私は直面したが(苦笑)。

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3日午後6時半頃 (日の入り(群馬)、午後6時10分頃)、ホワイトバランスは太陽光。

 

8月において2度目の満月(スーパームーン・ブルームーン) 2023年

2023-09-02 | 月、月光彩雲

先月31日、16年振りにいわゆるスーパームーンとブルームーンの重なる満月が、薄曇りの空模様にもかかわらず、時間帯によっては明るく輝いた。
 
「31日での月」
望(満月)は10時36分とのことながら、月の出は午後6時40分(群馬)であった。自分の視点では約40分遅れて、月が近くの尾根から昇る。
 
月の出の頃、上空が雲で覆われたために、何とか視認できる程度の明るさで、月が尾根から昇った。それでも、流石はスーパームーン、雲を透して輝くときがあった。画像は午後9時40分に撮ったものである。
 
 
ホワイトバランスはオート、望遠 200 mm、ISO感度 640 、シャッター速度 1/1000秒、絞りf値 9.0、現像ソフト:キャノン DPP4、トリミング、RAW → JPG にて
 
 
翌日(9月1日)は前日と入れ替えてほしくなったほど、快晴の空模様になった。十六夜(いざよい)の月は既望にもかかわらず、立待月に相応しい輝きを見せた。撮影、午後8時50分(月の出は午後7時10分)
 
 
ホワイトバランスはオート、望遠 200 mm、ISO感度 640 、シャッター速度 1/1000秒、絞りf値 9.0、現像ソフト:キャノン DPP4、トリミング、RAW → JPG にて
 
 
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こちらは一回目の満月である(8月2日
画像は午前2時30分に撮ったものである。月は望(午前3時32分)に近い状態であった。月面のクレーターでは、その位置が31日での位置と異なっている。
 
 
ホワイトバランスはオート、望遠 200 mm、ISO感度 640 、シャッター速度1/800秒、絞りf値 9.0、現像ソフト:キャノン DPP4、トリミング、RAW → JPG にて
 
 
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31日午前8時頃、太陽と彩雲
ところで、この日は朝から積雲などが多く浮かび、太陽光による彩雲が現れた。
 
 
ホワイトバランスは太陽光、広角 30 mm、ISO感度 160 、シャッター速度1/1000 秒、絞りf値 18、現像ソフト:キャノン DPP4、トリミング、RAW → JPG にて
 
 
 
今週は月を4日間連続して撮ってみた。3年毎での大腸内視鏡検査を受けながらであった。5年前に受けた前立腺がんの重粒子線照射治療の影響が少し現れているものの、大腸内壁の状態は前回と変わっていないとの診断を受けたので、安堵の心持ちで月を眺めることができた。それにしても、検査を受けているときにディスプレイーの画像を見て、内視鏡の解像度は毛細血管が鮮明に見えるまで高かいことに感嘆した。
 
30日では月光彩雲が現れた。その画像を後に記事としてアップしたい。