カタクリ山公園から、私達はイワウチワ(岩団扇、イワウメ科イワウチワ属、常緑の多年草)の群生地に向かった。花名は、岩地に生え、葉がうちわ(団扇)に似ていることに由来する(山に咲く花、山渓ハンディ図鑑2、山と渓谷社、2013年)。
道の駅ばとう(馬頭)で群生地への経路を聞き、私達は富山地区の船戸群生地に向かった。 なお、富山地区には、もう一つの群生地(金谷)がある。
林道入口の駐車場に車を置き、私達は群生地まで歩いた(1.3 km)。
林道には群生地までの距離が示された標識があり、道沿いでニリンソウ、トウゴクサバノオなどの草花が咲いていた。
林道入り口にて、矢印は帰る方向である(14時10分頃)。
群生地入り口付近にも駐車場があった。
群生地は山の北側斜面(杉林)にある。私達は14時40分頃から見学コースを歩き始めた。
稜線越しの陽射しがスポットライトのようにイワウチワを照らし出していた。
前日に雨が降ったためだろうか、辺りに薄い靄(もや)らしきものが漂っていた。
一瞬のことであったが、光路が虹模様になった。画像は急いでシャッターを押した結果である。
一面にイワウチワの花。 この群生の有様に圧倒される。
群生地は山林の手入れを始めた人によって発見され、3年前に公開された(地元の人から聞いた)。
稜線近くのコースにて。
見学コースはよく整備されている。
ロープが張られているので、イワウチワに気を取られて歩いても転げ落ちることはないだろう。
私達は、登山靴を履いて山道を歩く気分で、イワウチワによるアロマテラピーを楽しんだ。
イワウチワは半日陰の傾斜地を好む。陽があたり過ぎると葉焼けが起こる。
杉(常緑樹)との組み合わせは、イワウチワに合っているのだあろう。
なお、イワウチワを絶滅危惧種に指定している地域(都道府県など)が幾つかある。
私達は花冠の色が濃いものを探した。弱い逆光のもとで、花冠の色は優しく魅力的であった。
花冠は5裂すると言われている。このものでは、6裂(?)となっているかのように見える。
横向きのものを撮ってみた。
花冠は鐘形もしくは漏斗形であり、萼は離生する5個の萼片からなる(山に咲く花、山渓ハンディ図鑑2)。
群れを飛び出して、切り株を根城としているイワウチワ
このしたたかもの(?)は、檜ならね杉の舞台に立ちスポットライト(陽光)を浴びている。
蕾と葉。私達は葉の形が谷川岳でイワウチワとされているものと違うことに気づいた。これらの比較については、後日に。
*****
撮り歩いているうちに、時は16時過ぎとなった。 出口((入り口)のテント内での地元の方々による暖かいもてなしに、
懐かしさを感じた。私はかつて那珂川町から遠くにない那須地区を帰省先にしていたことがあるからだ。
帰る途中で、このユーモラスな姿に出会った。私達はまた来るぞと呟いた。マムシグサ(サトイモ科の多年草)。
*****
群生地の詳細については、那珂川町富山舟戸いわうちわ群生地(https://www.facebook.com/tomiyama01iwauchiwa/)やトッラクバック項で公開している、minoさんのブログ記事「那珂川町のかたくり山とイワウチワの群生地3」をご覧いただきたい。
帰路では、高原山、男体山、女峰山、那須岳などの夕景が美しかった。
撮影: 4月5日14-16時
EOS 6D、EF 17-40 mm f4L、 EF 100 mm f2.8L (Macro)、EF 70-200 mm f4L。