11月30日の満月は、半影月食(半月食)が起こる例として、好事家の関心を集めていた。ところで、半影食(半影月食)は月の一部または全部が地球の半影に入った状態であり、本影食(月食)は月の一部または全部が本影の中に入った状態を指すとのことである(国立天文台ホームページ)。
この日、半影食(半影月食)は16時32分頃から始まり、18時43分頃に最大となり、20時53分頃に終わった (同ホームページ)。
17時42分頃に撮影した画像。ある程度、月面に暗い部分が現れている。
18時43分頃に撮影した月面(半影食が最大のとき)。明らかに、月面の左上の部分が暗い。
21時58分頃に撮影した月面(半影食の終了後)。半影の部分は消失している。
半影食の時間変化をはっきりと示すためには、各画像の現像において、半影に入っていない部分のどこかを基準点として、その点の明るさをなるべく同じように保つことが求められる。アップした3枚の画像では、右下に見える大きなクレーター{ティコ(Tycho))と命名されている}付近を基準点にしている。照度計をもっていないので、当方にとって、このことは努力目標に終わったかもしれないが(苦笑)。
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さて、この満月が近くの歩き慣れた低山の頂(300 m)から昇ったことも、自分にとって興味深い出来事であった。17時40分頃に撮影した画像(経時変化)をアップする。
もっとも、心を動かされて撮った場面である。月が手の届くような位置にあると錯覚して。
木々の高さは十数メートルである。木立がスリットとして働くために、月光の回折現象が認められる。
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予見なしに、明るい月面が半影月食になっていることを、肉眼で明確に判別することは難しいと言われている。写真撮影では、通常の満月を撮る場合よりも露出をアンダーに設定すると、半影状態の部分がはっきりとする。