こつなぎの写真ノート

身近な自然の彩りを楽しみながら

今年のダイヤモンド浅間山(その2)、2013年3月下旬

2013-03-29 | 夕景

 

 

前回の続きとして、19日に私達が出会ったダイヤモンド・サンセットの画像をアップロードする。この日は晴れていても西の空はかなり霞んでいた。そのため、展望スポットからは、サンセットの時刻が迫ってくるまで、浅間山がほとんど見えなかった。しかし、結果は「待てば海路の日和あり」となった。なお、この日のスポットは前回のものから2 kmほど北側であった。

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19日17時33分、 自宅近くの山にて(群馬県桐生市、標高300 m)。

 

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17時42分、 山頂に夕陽が沈み始めると、山頂が浮き出てきた。このときは、霞が減光フィルターとなって、私達は眩しさを感じることなく夕陽を直視できた(霞に感謝)。漂う薄雲、夕陽、そして浅間山の姿の組み合わせ、これは余韻が残る光景であった。

 

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17時43分、 夕陽が静かに沈んでいった。なかば唖然として、私達はこの過程を眺めた。

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17時43分20秒

 

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17時44分30秒、幻想的雰囲気が増してきた。

 

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17時46分、サンセット終了。「入日さす 峰にたなびく 薄雲は もの思う袖に 色やまがへる」(源氏物語)。

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その1の場合を動的な(ダイナミック)ものとするならば、今回の「ダイヤモンド浅間山」は静的(スタティック)なものであろう。

かつて、国立科学博物館で開催されたダイヤモンド展(2000年9-11月)では、ダイヤモンド原石(約400カラット(80 g)以上)が、宝石化されたものとともに展示された。鋭く光るダイヤモンド(宝石)にくらべて、原石の輝きは控えめであった。しかし、原石には静かな美しさがあった。

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18時5分、日没後、面白い色の霞んだ風景が眼下に現れた。しかし、長居は無用。私達は大急ぎで下山した。

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EOS 6D、EOS EF 70-200 mm F4L IS USM、焦点距離 200-80 mm、F4.5-7、1/1250-1/100秒、ISO感度 200-1,250、手持ち撮影、RAW、現像ソフト Aperture 3。

 


今年のダイヤモンド浅間山(その1)、2013年3月

2013-03-26 | 夕景

春分の日に近づくと、私は落日の構図が気になる。浅間山(2,560 m)が、自宅近くに里山から見ると、真西の方向に位置しているからだ。 春分の日、太陽が真西に沈む。山頂への落日のときに現れる「ダイヤモンド浅間山」。これは、私にとって見逃したくないイベントだ。

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「春分の日」の翌日(21日)は快晴であった。この日、私が選んだ展望スポットから、浅間山を含む八ヶ岳連峰から横手山(志賀高原)に至る稜線の重なりが、驚くほどくっきりと見えた。

 

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展望スポット{白葉峠(群馬県と栃木県の県境、標高300 m)付近}からの眺め、17時50分頃(日没後)。

左から、剣ヶ峰、浅間山、籠ノ登山(2.230 m)、湯ノ丸山(2,020 m)、浅間隠山(双耳峰、1,760 m)、榛名山(1,500 m、鋭峰は相馬山)、草津本白根山(2,170 m)、草津白根山(2,160 m)、横手山(2,310 m)だ。これらの山は展望スポットから50-110 kmほど遠方にある。

 

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浅間山への落日の時間的な変化

17時35分頃、落日の時刻が迫ってきた。

 

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17時44分20秒頃、山頂の背後に陽が沈み始めた。

 

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17時45分頃、山頂が輝いた瞬間。

「ダイヤモンド浅間山」に相応しい光景が現れた。このとき、浅間山のみならず、籠ノ登山、湯の丸山などが紅色を帯びた。

 

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17時46分頃、まさに山頂に夕陽が沈んでいった。

 

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17時47分頃、落日が終わる瞬間。落日後に現れる風景を待つ。

 

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18時5分頃、浅間山と街(群馬県桐生市・みどり市・前橋市)の灯り。

 

 

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18時15分頃、ISO感度2000、シャッター速度1/50、F4.5にて。

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19時過ぎまで頑張ると、パンスターズ彗星も撮れたであろう。彗星、浅間山、街の灯りの組み合わせは面白い。しかし、花より団子。我が身は家人が用意している夕食の誘惑に勝てなかった。

 

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EOS 6D、EOS EF 4L 70-200 mm IS USM、 焦点距離 70-200 mm、マニュアル設定(ISO 200-2000、F4.5-8.0、シャッター速度 1/2000-1/50秒)。

 


翁草(オキナグサ)との出会い、2013年3月

2013-03-13 | 

老いらくの恋にでも陥ったのであろうか、このものに出会いたいとの衝動を抑えることができなくなった。恋の相手は翁草(オキナグサ)だ。我が家のベランダの日溜まりで、次々と蕾を開く「セイヨウオキナグサ」の姿を見ていると、可憐な野草の花とされている自分達の国の翁草(オキナグサ)に会いたいとの思いに駈られる。

ネット検索で、翁草(オキナグサ)の復活を目指して、実生栽培をされている篤志家が県内(群馬県)にいることを知った。

 

群馬県富岡市南蛇井駅{上信電鉄(私鉄、高崎駅ー下仁田駅)}にて

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私達は、「翁草の家」で咲き始めた恋の相手と対面した。篤志家によると、翁草は万葉集にも登場しているとのことだ。「芝付きの 御宇良崎なる根津古草 逢い見ずあらば 吾恋ひめもや」 (根津古草=翁草)(篤志家の資料から)

 

翁草の家の庭にて、12日

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この花を椿(ツバキ)のそれに例えると、「黒詫び助」となるであろう。少し強引な例えかもしれないが。

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翁草は「山渓ハンディ図鑑」では「野に咲く花」に分類されている。このものは、かつて芭蕉の句「山路来て 何やらゆかし すみれ草」のような存在であったのだろう。

そんなことを想いつつ、マクロレンズを向けてみた。

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ところで、鉄路のそばで翁草が咲いていた(南蛇井駅のプラットホームにて)。駅の翁草は「翁草の家(篤志家)」の努力の賜だ。


バラストを覆っているものは、これから芽吹きが始まる翁草である(12日午後)。

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翁草と錆びた鉄路。この組み合わせは季節に応じてどのように変化するのであろうか。

 

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EOS 6D、EOS 100 mm 2.8L IS USM (Macro)。