かつて、仕事に追われていた頃は「晴耕雨読」にならっての私的な造語「晴登雨読」に憧れることがあった。しかし、憧れが現実のものとなると、かつてのような仕事に再び追われてみたくなる。
閑話休題。この日、あまりに青空が美しかったので、私達は鳴神山(なるかみやま、980 m、群馬県桐生市)に向かった。山頂での展望を唯一の楽しみとして、石ゴロゴロのルート(標高差、約500 m)を、私達(牛歩登山派)は2時間ほどかけて登った。ちなみに、鳴神山は展望(360°)と花の山である。
西から北方向の眺め(広角、17 mm)
奥の雪山は、武尊山(左、日本百名山)、袈裟丸山(中央)、皇海山(右、百名山)、日光白根山(右、百名山)、太平山(右)、男体山(右、百名山)、そして女峰山(右端)である。なお、右手前はアカヤシオの蕾である。
青空を背景とする赤城山の眺めはスケールが大きく魅力的である。左端の雪山は浅間山であり、右端のそれは谷川岳である。
赤城山と浅間山の間に、榛名山と四阿山(雪山)が見える。
赤城山について、左から鍋割山、荒山、長七郎山、地蔵岳(中央)、鳥居峠、篭山、駒ヶ岳、黒檜山(最高峰、1828 m)である。
この時季、残雪の日光連山は目立つ存在である。手前の山々が緑で覆われる頃になると、雪景色は消えてしまうのが惜しい。
男体山(2486 m)を中心とする日光連山とカシミール3Dによる山座同定。
女峰山(にょほうさん、2483 m)が、その標高にもかかわらず男体山よりもかなり低く見える。これは、視点からの直線距離が違うためである。しかし、視点は嬶天下の群馬県にあるので、個人的にはこのような見え方が納得できないと、同行者(家内)に呟いてみた(余談まで)。なお、大真名子山や小真名子山は男体山の背後になる。備前楯山(日光市足尾地区)は足尾銅山発祥の山である。
左から、袈裟丸山、皇海山(台形状)、鋸山(袈裟丸山の前)、庚申山、そして日光白根山である。白根山では、冠雪の奥白根山(2578 m、関東以北の最高峰)が雪山として際立っている。
皇海山(すかいさん、2144 m)と鋸山(歯形)。鋸山では、歯形が太陽光で輝くことがある。
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南方向(市街地、関東平野)。標高が1000 m足らずとは言え、広々とした眺めを堪能できる。
霞んでいなければ、奥には富士山や奥秩父連山、そして都内の高層建築物が見える。
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雪のない稜線の奥に見える冠雪の武尊山は、午後の日差しで眺める者を驚かすほど輝やく。
赤城山と袈裟丸山の稜線の奥には、谷川岳(連峰)が見える。
最右端で見え隠れしている冠雪の頂きは谷川岳山頂(トマノ耳)、オキノ耳、一ノ倉岳などである。最右端の鉄塔の左側はオジカ沢ノ頭(下図では避難小屋)であり、その左の冠雪の岩壁が俎、そして次の山頂が万太郎山であると同定される。
東方向。私達が山頂にいた時間帯では、筑波山などが強い霞のために見えなかった。
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山頂ではマンサクの花が咲いていたが、ヒメイワカガミなどは霜葉状態であった。来月中旬頃になるとアカヤシオの花で彩られるであろう。
山頂では、数名の先客が展望を楽しんでいた。また、この山の固有種であるカッコソウ(サクラソウ科)の保存活動をされている人々に出会った。
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3月26日、12-14時(山頂)。大滝口 → 山頂 (桐生岳と仁田山岳)→ 椚田峠 → こつなぎ橋口。杉の花粉は少ないようであった。
大滝口 → 山頂の中間にて。この箇所の下部は林道化されているが。
上の画像の上部。ここを過ぎると、悪路ではなくなる。急登を強いられるが。
山頂直前にて
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EOS 6D、EF 17-40 mm F4L、EF 70-200 mm F4L、RAW。