昨夕は東側の尾根の上空に帯状の雲が浮かんでいた。夕日に染まる雲から中秋の名月が顔を出す。年に一度しかないチャンスに出会うことを期待して、写人(kotsunagi)は月の出のときを待った。昨日、日の入りは17時23分、月の出は16時45分(群馬)であった。
自分が住んでいる市街地では、月の出が落日の時間帯まで遅れた。
名月は18時頃に現れた。尾根の標高は300 mほどである。月が現れる前に雲の色が薄くなってしまったが、淡い色を帯びた雲から名月が顔を出しはじめたとき、写人は思わず月の輝きに見とれてシャッターボタンを押すタイミングを逃しそうになった。
名月の輝きは、淡い色を帯びた雲によって強調されたようである。ところで、夕日を浴びている東屋は浅間山(長野)、妙義山(群馬)、荒船山(群馬・長野)、八ヶ岳連峰(長野)、群馬県西部の山並み、奥秩父連山、富士山、そして群馬・埼玉の市街地の展望台である。名月の大きさ(見掛け)を東屋や衛星放送受信アンテナのそれらと較べてみる。
名月の輝きが強くなってきた(30秒後)。このときの光景は、いささか過剰の表現かもしれないが、写人にとって筆舌に尽くしがたいものであった。
60秒後、月の相対的な輝きの強さは最高調に達した。束の間の出会いだからこそ、このイベントは印象深い。
イベントが終わった後は、月の明るさに合わせて露出条件を設定してみた。撮影での色温度は昼光色よりも低くしている。画像は200 mmの望遠レンズで撮った月の姿である。
10月4日18時頃、桐生市にて。望遠撮影(EOS 6D、EF 70-200 mm F4L、手持ち)とトリミング、RAWで撮影したものをDPP 4(キャノン)で現像。 天候:午前中は厚い雲で上空が覆われていたが、午後になると雲が浮かぶ秋晴れになった。