雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

北アメリカ星雲 南部 (大阪のオバちゃんのアゴのあたり)

2014年11月21日 | 天体写真(星雲・星団)
もう今年はダメかと すねていたのですが、昨夜は奇跡的に一晩中晴れました。
おまけに新月期でしたので さんざん何を撮るか悩んだ末に
最初に選んだのが、はくちょう座の北アメリカ星雲

前回記事
 始めからこうすれば良かった?(VC200Lガイドシステム) 
の検証の機会が早くも訪れました。
( 撮影DATA: TAMRONZoom(f=17mm F2.8) 60秒×5枚コンポジット ISO1600 kissDX(SEO-SP2) ToastPro )
南側の対象も撮れるよう道路側の設置場所を選んだのですが、真上には電線が何本も通っています。

今回は天気がもったいないので、薄明終了の6時過ぎには撮影を開始しました。
むろん時間が早いため灯火で空はあかるいのですが、
それにも負けない明るい撮影対象という事で選びました。
はくちょう座は天頂付近から西に傾いていく時に電線を横切っていきます。
幸いガイド星を見失う事はなかったのですが、4枚目頃から星像に電線による干渉の影響が出ています。
( 画像クリックで電線通過時の一番ひどい撮影画像を表示します。 )

結局撮影した画像の中で上の一番ひどい画像を除外して処理した画像です。

北アメリカ星雲 南部 (はくちょう座) 
ノートリミング画像  ( 画像クリックで30%まで拡大 )
( 上 が北の方向 )
撮影DATA: 2014/11/ 20 18:12’~ VixenVC200L+レデューサー(f=1,278mm F6.4
露出15分×10枚コンポジット  ISO 1600 Cooled 60D (気温6.8~4.4℃ 冷却 オフ) LPS-P2FIL
EM-200USD赤道儀 ORION SSAG ガイドスコープGS-60S PHD2 Guiding ステライメージ7

北アメリカ星雲は聞いた事あるけど、なんでこれが「大阪のオバちゃんのアゴ」なの?
という方もおられるかと思います。
それは、以前ブログ仲間のおりおん さんが、おなじみのペリカン星雲とのツーショット画像を
大阪のオバちゃんにどやされて、すっとんでいるペリカン 』 とネーミングして以来、
わたしはもう大阪のこわいオバちゃんにしか見えなくなってしまったのです。

忘れてました!
R200SS用のガイドシステムの流用はどうだったのか?
やはり、RA(赤経・東西方向)のブレが目立つのですが2″以内におさまる偏差値(RMS)は”1”以下となっています。
その代り、「ドン・キホーテ(改)」で無くなった機材のタワミがまた出てきました。
タワミによる星像のズレは1時間あたり、⊿RA:5.3画素 ⊿Dec:20.0画素
たまたまなのか、他の撮影画像も同様なのかは今後検証してみます。

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昨夜は雲も出なかったのですが、明るい星のまたたきが目立ち、
バーティノフマスクのピント画像もきりっとしませんでした。
それでも結局徹夜で4タイトル撮影できたので文句は言えません。
短時間露光にすればもっと撮れるのにね。

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始めからこうすれば良かった?(VC200Lガイドシステム)

2014年11月19日 | それでも星は流れる
冬が近づく中ですっかり撮影が縁遠くなったので、ちょっと機材をいじってみました。

VC200Lのアリガタレールが簡単に外せたので、R200SS用のガイドシステムをそっくり載せ替えてみました。

突然、なんでこんな事をしたのかですが・・
ドン・キホーテ(改) で たわみの問題は解決できたのですが、
オートガイド(PHD2 Guiding)の設定値をいろいろ変えても
赤経(東西)方向のガイドブレがおさまらず、星像が丸くなってくれません。
新しく採用したタカハシの50mmガイドスコープの星像が鋭すぎるのでは?
なんて思って、次回はわざとピントをずらしてみようと考えていたのですが・・

ふと、もっと単純で合理的な方法を試してみる事にしたのです。

ファインダーは対象導入が済むと外すのですが、手製露除けフードを短くすれば干渉しないようです。

VC200Lは極端に筒底が重く、カメラを付けると更にバランスが偏ります。
そこで、鏡筒の前部に「ドン・キホーテ(改)」でも使用した
鏡筒回転用バンドにウエイトを付けて取り付けました。

ウエイトを付けたバンドの位置を調節する事で、なんとかフリーストップ状態までもっていけました。
( 鏡筒の向きによってはバランスが少しくずれる事があります )

今思えば、最初からなぜこれを試さなかったかですが・・
①.アリガタレールや、運搬用ハンドルで鏡筒バンドの取り付けが困難。
②.鏡筒のバランスが底部にあり、鏡筒バンドではバランスが取れない。
と思い込んでしまったようです。

追加機材の購入までして、「ドン・キホーテ(改)」にたどり着いたのに、
敢えてふりだしに戻したのには他にも理由があります。

先月25日に、VC200Lのガイドがうまくいかない事からR200SSで撮影を行いました。
当然その時のガイドシステムは今回載せ替えたものだったのですが・・
アンドロメダ銀河(北側)撮影時のPHD2の追尾グラフ (GS-60Sガイド鏡D60mmf420mm)
RA(赤緯)の2″以内に入るRMS(標準偏差)は0.52 と好結果。

これに対して先月30日にVC200Lで「ドン・キホーテ(改)」でのガイド結果は
M33銀河撮影時のPHD2の追尾グラフ (ガイド鏡タカハシD50mmf700mm)
RMS(標準偏差)は大きくブレて1.56 という悪い数値。
(注)PHD2ではガイド環境の数値を設定する事により、ガイドエラーを角度で表示してくれます。
( 画素ではなく角度で表示することにより、ガイド鏡の焦点距離が違っても同じ基準で精度比較ができる。)

つまり理由は不明ですが
以前のR200SSのガイドシステムの方がガイド精度が高いということになります。
参考に上のガイドグラフの各撮影画像(未処理1枚の等倍画像)です。
( クリックで全体画像を表示 )
R200SS(f=800mm)10分露光 親亀子亀方式

VC200L+レデューサー(f=1278mm)15分露光 「ドン・キホーテ(改)」
* 星は流れているのではなく、ブレているのです!

撮影鏡筒の焦点距離が異なるため即断はできないのですが、期待ができそうに思いませんか?
もし、これがうまくいけば・・
R200SS鏡筒とVC200L鏡筒の載せ替えが簡単になり、
一晩で対象により使い分けることも可能になります。

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行き詰まっていたVC200Lのガイド問題がこれで前進してくれるといいのですが。
問題は雪国越後で今年中に検証ができるかどうか

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「天体アルバム2014」 7・8・9月 撮影分

2014年11月18日 | 天体アルバム2014
現在の機材・撮影技術で自己満足できる作品にラベルを付け、アルバムにしています。
( 天体アルバム2014 登録にあたり、画像処理を再度行っています。 )

(最終更新日 2014年11月18日)

7 月
7月はもともと梅雨が明けるのが下旬ころとなるため、
撮影できる日数が少ないのですが、今年は3夜のみでした。
(久しぶりにEF70-200mmF2.8の望遠レンズを使ったのですが、片ボケがひどく登録対象から除外。)

2014/07/20~21am
まだ梅雨明けはしていなかったのですが、久しぶりにペリカン星雲を横構図で撮影。


8 月
今年の8月は一夜だけ雲の切れ間で撮影できただけという
ひどい天候で登録できる作品はありませんでした。


9 月
9月に入ってやっとまともな空になってくれました。
余りに撮影できない期間が続いたため、VC200L(中古)をポチッてしまいました。

2014/09/04am
ジャック彗星は8月にも雲の切れ間で撮っていましたが、おなじみの北アメリカ星雲とのツーショットです。
(このレンズは左側で片ボケが発生しています。)

ズームレンズは画角が自由に選べるところが便利です。
(わずかでも薄もやがあると明るい星はにじみが出てしまいます。)

2014/09/20~21am
早くもポチッたばかりのVC200Lにレデューサーを付けて、遠方の銀河に挑戦。

レデューサーを付けると、R200SSにX1.4のエクステンダーを付けた画角に近くなります。
(星像はレデューサーを付けてもVC200Lの方が良いと思います。)

2014/09/22~23am
レデューサーなしだとf=1800mmとなり、さすがに星が流れたので目立たない処理を行っています。

レデューサーを付けると流れが抑えられるだけでなく、F6.4と明るくなることにより露光時間が短めにできます。
(というより、レデューサーなしのF9では暗すぎて撮る対象が限られてしまいます。)

透明度が悪かった21日amに撮ったものも重ねたのですが・・良かったのか、悪かったのか?


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この夏はさんざんな天気だたっため、天体アルバムの作成を忘れていました。

昨夜は大人でも怖くなるような雷鳴が一晩中鳴り響いていました。
この時期の雷は『雪降ろしの雷』と言って、本格的な冬の前触れとなります。

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月は見せ方が難しい(ミラクルムーン前夜)

2014年11月15日 | 天体写真(月・惑星・彗星)
冬が近づき、悪天候のせいで今月に入って撮れたのは11月4日のこの月だけ。

ミラクルムーン前夜の月 (月齢11.6)
撮影DATA: 2014/11/ 04 21:29’~ 露出1/125秒×8枚コンポジット×2枚モザイク
VixenVC200L(f=1,800mm F) ISO 200 kissX2 (未改造)
EM-200USD赤道儀 AviStack
彩度を上げたところ、月面の色の違いのようなものが見えてきました。

実は翌日も月は見えていました。
翌日のニュースでは「ミラクルムーン」と呼んで、今年は旧暦の閏(うるう)月が9月となることから
171年ぶりの「(のち)の十三夜」 と紹介されていました。
わたしの方は2日続けて満月近い月を撮ることもあるまいとパスしました。(なんと風情のないこと)

撮影当日もシンチレーション(大気のゆらぎ)がひどければすぐに撤収するつもりでしたが、
カメラのライブヴューで確認したところ良さそうという事で撮影しました。
もともとは欠け際をクローズアップで撮ってみようという事だったのですが、
全体画像はおまけで撮影しました。
最初にVC200Lに2.0xエクステンダーで3カットに分けて計76枚も撮影しています。
8GBのメモリでもAviStackではメモリ不足となるため、事前に2分割して処理しています。
処理済みの欠け際のクローズアップ画像です。
( 元画像の35%に縮小表示 )
撮影DATA: 2014/11/ 04 21:08’~ 露出1/30秒×24枚コンポジット×3枚モザイク
VixenVC200L+ Canon2.0x(合成f=3,600mm F18) *他のデータは全体画像と同じ
全体画像より細部が見えてきましたが、これでも元画像の約1/3のサイズに縮小しています。
元画像の1/2まで拡大すると。

このように月の撮影はモザイクを使って手間をかければ、
細部まで描写された全体画像を作成する事は可能ですが、
それを見るには超大画面モニターか、畳2畳ほどの大きさのプリントアウトが必要です。

わたしの月の撮影において欠かせないソフト AviStack についてはこちらの過去記事参照ねがいます。

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ちょうど2年前の今日、このブログを始めました。
昨夜もあられの降る音が聞こえていたのですが、
朝には冷たい雨に変わっていました。
ブログ始めたばかりの頃は手持ち画像がたくさんあって余裕だったのですが・・

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撮って見ないとわからないオリオン大星雲

2014年11月13日 | 天体写真(星雲・星団)
そろそろ撮影画像がネタ切れになってきたので、
今回はできればお見せしたくないオリオン大星雲をリベンジ失敗分を含めて。

24日夜、前回記事で紹介したM33銀河の後に、薄明で明るくなるまで撮影しました。
昇ってきたオリオン座。 TAMRON Zoom(f=17mm F2.8) 30秒×7枚 kissDX
一見すると素晴らしい空のように見えますが、
撮影直後のカメラモニターでまともな画像は無理とわかりました。
canonD.P.Pの撮影画像の一覧です
もともと明るいオリオン大星雲周辺がモヤに覆われてしまっています。
それでも画像処理をやってみた結果です。
撮影DATA: 2014/10/ 25am 02:45’~ 露出15分×6枚 + 5分×7枚コンポジット
VixenVC200L+レデューサー(f=1,278mm F6.4) ISO 1600 Cooled 60D (気温10℃ 冷却 -8℃)
LPS-P2FIL EM-200USD赤道儀 ORION SSAG TAKAHASI D50mm f 700mmガイド鏡 PHD2 Guiding ステライメージ7
これでも2時間以上の露光をかけてるのですが、空の悪さにはどうしようもありません。

その後29日夜、M33銀河と同様にリベンジ撮影を行いました。
前回よりましな空だったのですが、おりおんショットで違いがわかるでしょうか? TAMRON Zoom(f=17mm F2.8) 30秒×5枚 kissDX

今回は横位置で撮って見ました。
撮影DATA: 2014/10/ 30am 03:40’~ 露出5分・10分×各5枚コンポジット Cooled 60D (気温7℃ 冷却 -12℃) *他のデータは前回と同じ

オリオン大星雲の明るい部分をクローズアップで明瞭に撮るには
かなり良い空の条件が求められるようです。

今年、初撮りしたオリオン大星雲は多段階露光で手間をかけています。


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もう朝方に近くなると北斗七星が東の空に昇ってきます。
雪国はまもなく鉛色の空となり、春を待つことになります。

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