雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

結果として、総露光時間5時間のM33銀河

2014年11月11日 | 天体写真(系外銀河)
今回はめずらしく前口上無しで、先に画像をお見せします。

さんかく座銀河 M33  (NGC598)
トリミング画像  ( 画像クリックで元画像の40%まで拡大 )
( 上 が北の方向 )
撮影DATA: 2014/10/ 24 23:04’~露出15分×12枚 + 10/ 30am 01:16’~露出15分×8枚コンポジット
VixenVC200L+レデューサー(f=1,278mm F6.4) ISO 1600 Cooled 60D (10/24 気温10℃ 冷却 -7.5℃ 10/30am 気温7℃ 冷却 -10℃)
LPS-P2FIL EM-200USD赤道儀 ORION SSAG TAKAHASI D50mm f 700mmガイド鏡 PHD2 Guiding ステライメージ7
結果として別の日に撮影したものを重ね合わせ、
総露光時間がちょうど5時間になりました。

思わせぶりな記事タイトルと、真四角に近いトリミング画像の理由は以下のとおり。

先月24、「網状星雲(西側)」のあとに撮ったのは、さんかく座のM33でした。
( 画像クリックで元画像の25%まで拡大表示 )
アンドロメダ銀河M31)に比べると格段に暗い事がわかります。右側にペガスス座の四辺形が見えています。
この夜に撮影したM33銀河です。
( 画像クリックで元画像の25%まで拡大表示 )
( 上が北の方向 )
おりおんショット(撮影中の写真)ではわからないのですが、
前回の網状星雲撮影の途中から薄モヤが発生したようで、3時間も露光をかけたのに、
明るい星の周りににじみが発生してしまいました。

29(正確には30日am)には、前回よりましな空となったためM33をリベンジ撮影しました。
この夜は南天のNGC253(ちょうこくしつ座)のリベンジ撮影も行ったため、道路側に設営。
撮影機材は同じですが、今度は横位置で撮影しました。
空は前回より良かったのですが、薄明までもう1タイトル撮ろうと
途中で切り上げたため、露光時間は2時間と前回より短くなりました。
その分、画像が荒れているように見えます。

リベンジのつもりだったのですが、露光時間が不足していたので前回の縦構図の画像と
無理やり重ねてみました。
重複した中段の部分だけトリミングしたのが、最初の画像だったというわけです。
( 画像の南北合わせてるつもりだけど、ずれているのがよくわかりますね。 )

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ガイドブレによる星像の補正のため
まだ全撮影画像に「比較暗ズラシ」を行っています。
このため画像はかなりのダメージをうけている筈です。
ガイドブレが無くならないと、VC200L本来の
性能が発揮できません。

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「星の文化祭」 今年も出品しました。

2014年11月09日 | 天体写真よろず話
昨日(8日)から  上越清里 星のふるさと館 で
星の文化祭』が開催されています。
今回で4回目くらいだと思うのですが、第1回から毎回写真を出品させていただいてます。
今年もこんなものが届いていましたので、
日曜日の今日、昼近くに山の上まで出かけてきました。
坊ケ池湖畔はちょうど紅葉の見頃でした。
日曜日なら来館者も多いのではと思ったのですが・・
ふるさと館の手前にある山荘京ガ岳は新そば祭りでにぎわっていたのに。
たぶんついでに寄ってみたものの入り口で入館料が必要な事を知り、
入らずに帰るというパターンでしょう。

今年も展示会場は2階の畳の部屋でした。
地元でも月食の写真を撮られていた方が多かったのには、ちょっとおどろきました。
今年もA3プリント2枚に分割プリントして、A2パネルで展示させていただきました。
問題は、表面の薄い透明パネルが波打って反射光でとても見にくいこと。
あとはプリントするとさえない画像になってしまう事。(プリントが下手なだけ?)

出品したのは、夏の講演会以降に撮影した5枚。
すでにブログではお見せしたものですが、
おりおんショットを画像内に組み込みました。

帰りは昼時でもあったので、山荘京ガ岳でそばでも食べて帰ろうと立ち寄ったのですが、
大勢の人が行列待ちだったので食べずに帰りました。
山荘京ガ岳からの眺め。今日は日本海までは見えませんでした。

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明日は同期会の写真プリントをやらねば。
次回の記事は先月撮った総露光時間5時間の
M33銀河をお見せする予定です。

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モヤもアクセント? 網状星雲(西側)

2014年11月07日 | 天体写真(星雲・星団)
今回から日が変わって24日に撮った画像をお見せします。
10月はこの日がちょうど新月で、前日は設営したものの空振りに終わり、
既に撮った画像をお見せしましたが翌日の25日も晴れた事から
連続徹夜となって睡眠不足になりました。

24日に撮った最初の対象ははくちょう座網状星雲西側
一応、VC200Lのオートガイドの検証も兼ねた撮影になっています。

早い時間からの撮影でしたが、後半になって薄雲がでたのか輝星のまわりにリングが。
迷ったのですが、もったいないので薄雲でリングの出た画像もみんな使っちゃいました。

網状星雲(西側)(NGC6960) (はくちょう座) 
ノートリミング画像  ( 画像クリックで35%まで拡大 )
( 上 が北の方向 )
撮影DATA: 2014/10/ 24 20:04’~ VixenVC200L+レデューサー(f=1,278mm F6.4
露出10分+15分×9枚コンポジット  ISO 1600 Cooled 60D (気温12℃ 冷却 -7.5℃) LPS-P2FIL
EM-200USD赤道儀 ORION SSAG TAKAHASI D 50mm f 700mmガイド鏡 PHD Guiding ステライメージ7
薄雲のせいで、網状はくっきりといきませんでしたが、輝星の周りが滲(にじ)み
ちょっとおもしろい雰囲気の画像になりました。


撮影中のおりおんショットです。 この時はまだモヤ(薄雲)は目立っていません。
広角レンズ(f=17mm)で 固定撮影30秒4枚コンポジット ISO1600 kissDX(SEO-SP2)
矢印の星が網状星雲の画像の中央の明るい星になります。

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夏頃から幹事として準備していた昭和43年入社同期会。
昨日・今日と越後湯沢にて無事とり行う事ができました。
( 雲上は前列右端 )
次回は3年後、まだ星を撮り続けているのでしょうか?

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南天のコイン銀河 リベンジ版も

2014年11月05日 | 天体写真(系外銀河)
19日夜 らせん星雲撮影後に狙ったのは、海外では”銀貨銀河”と呼ばれている
ちょうこくしつ座のNGC253銀河でした。
これもこの時期の南天定番の撮影対象です。
高度はらせん星雲より更に低く、南中時でも28度にしかなりません。
この夜は撮影開始後低空に雲が出たのか、10分露光4枚撮ったところで
ガイド用の星を見失って終了。
処理した画像も露光(枚数)不足から不満足な結果に。

そこで29日に再びリベンジ撮影を行いました。
この夜は南天にしてはそれなりの空となりました。
( クリックで拡大できます )
広角レンズ(f=17mm)で 固定撮影30秒4枚コンポジット ISO1600 kissDX(SEO-SP2)
ステラナビと照合したところ、NGC253のようなものが・・(右側の黒いものは「灯火遮蔽パネルA,B」)

下の画像は29日に同じ機材でリベンジ撮影したものです。

NGC253銀河 (ちょうこくしつ座) 
ノートリミング画像  ( 画像クリックで35%まで拡大 )
( 上 が北の方向 )
撮影DATA: 2014/10/ 29 22:28’~ VixenVC200L+レデューサー(f=1,278mm F6.4
露出10分×10枚コンポジット  ISO 1600 Cooled 60D (気温8℃ 冷却 -12℃) LPS-P2FIL
EM-200USD赤道儀 ORION SSAG TAKAHASI D 50mm f 700mmガイド鏡 PHD Guiding ステライメージ7
銀河自体は結構明るいのですが、低空のため星の色のちがいまで出す事はできませんでした。
(銀河の色合いは、写真集『FAR OUT』を参考にしました。銀貨じゃなくて金貨?

今回も星像がガイドブレで細長くなったため、「比較暗ずらし」で補正してから重ね合わせています。
PHD2のガイドグラフは相変わらず大きく振動しています。

参考に19日夜に撮った画像です。10分4枚しか使えなかったため画像が荒れています。
ノートリミング画像  ( 画像クリックで35%まで拡大 )
撮影DATA: 2014/10/ 19 22:54’~露出10分×4枚コンポジット  Cooled 60D (気温12℃ 冷却 -6℃) * 他は29日のDATAと同じ

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予定では前回画像に続き同じ夜に撮ったNGC253で
記事を作成する予定だったのですが、
画像がいまいちだったため29日の撮影画像に変更しました。

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検証なのに南天の対象で大丈夫なの?(その1 らせん星雲)

2014年11月03日 | 天体写真(星雲・星団)
ブログの方は古参のR200SSを使った画像や、月の写真と続きましたが、
VC200Lオートガイドの匙(さじ)を投げた訳ではありません。
お見せしていないだけで検証は続けていました。
ちょっと時間を遡りますが、今回は先月19日に撮ったものを。

この日はGPV予報 では夜10時過ぎ頃から雲が出るという事で、
迷ったあげく南天の対象を検証を兼ねて狙う事にしました。
最初の対象は20時半ころ南中するみずがめ座のらせん星雲
南天の対象は道路側に設営するのですが、高速ICで南の空が明るく、おまけにらせん星雲は南中時でも高度30度くらいにしかなりません。
撮影時の南側の空はみなみのうお座のフォーマルハウトくらいしか肉眼で見えませんでした。
上のおりおんショットの30秒画像でもらせん星雲は確認できません。
それでもVC200Lにレデューサーで、なんとか10分露光で9枚撮影できました。

らせん星雲 NGC7293 (みずがめ座) 
( 画像クリックで25%まで拡大表示 ) 画像派手めのものに差し替えました。
( 上 が北の方向 )
撮影DATA: 2014/10/ 19 20:56’~ VixenVC200L+レデューサー(f=1,278mm F6.4
露出10分×9枚コンポジット  ISO 1600 Cooled 60D (気温12℃ 冷却 -6℃) LPS-P2FIL
EM-200USD赤道儀 ORION SSAG TAKAHASI D 50mm f 700mmガイド鏡 PHD Guiding ステライメージ7
( 星像がガイドブレで細長くなったため、「比較暗ずらし」で補正してから重ね合わせています。)

低空でガイド星を見失うような空ではこんなものでしょう。
見かけは大きいのですが、どんな空だったらくっきり写すことができるんでしょう?

今年はこれが初撮影ですが、以前にも撮影しています。
2013/11/02
2013/12/05

さて検証結果の方はどうだったでしょうか?
まずは長焦点VC200Lの宿敵ともいえる機材のたわみによるガイドエラーですが・・
1時間あたり6画素の流れ。
これは1枚の露光時間を考えるとレデューサーなし(f=1800mm)でもいける精度です。
今回も『ドン・キホーテ(改)』の勝利です。
これは位置合わせしないでそのまま重ねた10分9枚(1時間半分)の画像です。

問題は小刻みなガイドのブレ。
PHD2 Guidingのガイド中画面です。
星の中心位置は流れていないのに、赤経(東西方向)が小刻みにブレて撮影した星像が細長くなっています。
PHD2のパラメータを色々変えてみても、ブレを無くすことはできません。
焦点距離の短いガイド鏡(f=420mm)では星像はそんなにひどくないというのが、
問題解決の手がかりなのかも・・

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今回もガイド中に”StarLost”が出る悪条件だったのですが、
次回はもっと悪条件のNGC253(ちょうこくしつ座)
をお見せする予定です。

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