山本甲士の「銀幕の神々たち」を読んだ。名前が元プロ野球監督と同じなので名前ぐらいは知っている程度の作家だった。ジョギングの途中、図書館に寄って、あまり時間がないから、作者が俺と同い歳ということだけで借りた。それが大当たり!!!。泣ける小説。文庫本を買って手元に置いておきたいぐらいの本だ。
主人公は文具メーカー、トドッグの取締役を務める岩瀬修、63歳。修は20代の頃には結婚歴があるが、3年で離婚。それ以来、紆余曲折がありながら、独身を貫き、気がついたら還暦超え。
中学時代の同窓会に出席するところから始まり、修の中学、高校、大学時代、トドッグの親会社フカサカに入社に至るまでの回顧録。人の人生はそれぞれターニングポイント、分岐点があるとしみじみ感じるな。
従兄弟で病気で学校に行けない弥生に対する想い、実家の酒屋の立ち飲み屋に来ていたヤクザの中間のおっちゃんとの交流。優等生だった年の離れた兄の猛(現在、認知症で7つ年上)に対する劣等感。
ちなみにタイトルの銀紙の神々は、中2の時に初めて観た任侠映画にハマり、高倉健をヒーローとして崇拝したことからのネーミング。
滅茶苦茶、イイ小説。映画化されないかな?大泣きしそう。
裏表紙。ちょっと分かりにくいが病床の彌生。
少年時代のヒーローが青年期の修に大きな影響を与える。僕の子供の時のヒーローはブルース・リーとミル・マスカラス。ヒーローではないけへど、アメリカのTV番組チャーリーズエンジェル。大げさかもしれないけど、彼ら、彼女たちを知らなかったら少し違った人生になっていたかも。
昨日は帰宅後に1時間ラン。昼前に降っていた雨は上がったが、寒かった~。今年の走行距離は480キロ。