音楽の喜び フルートとともに

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インドの歌

2009-02-02 22:51:59 | 名曲

今日はレッスンで、アルルの女を終えたEさんが、次の曲にインドの歌を選ばれました。いつも好きな曲を持ってきてもらいます。自分で、楽譜を揃えたり、曲を選ぶのも勉強になります。

サドコは、ロシアのシンドバッドのような民話世界の、英雄です。

Song of India     The Legend "Sadko"
インドの歌       歌劇「サドコ」第4場
リムスキー・コルサコフNikolay Andreyevich Rimsky-Korsakov (1844~1904年)作曲

サドコは、吟遊詩人素晴らしい歌を歌うので、海の女王が気に入って、富を授けます。その富で、買った船で12年も海で冒険をします。しかしある日海上で、船は動かなくなってしまいます。サドコは海を沈めるために、海底へ沈んでいってしまいます。海の底には、海の王と、女王ホルホヴァがいて、サドコに歌を求めます。美しい歌に一同聞きほれていると、
昔の巡礼がやってきて、サドコはノブゴドロのために歌うように、海王にはノブゴドロを渡る川になるようにと、告げます。サドコは、ノブゴドロに戻り妻と再会します。海は川となります。

インドの歌は、第4場、富を得たサドコが船を出す前に、各地から来た商人にそれぞれの国の様子を尋ねます。ヴェニス、ヴァリヤーグ、そしてインドの商人に扮したテノールが歌うのがこのインドの歌です。

遠き南の海
水底(みなぞこ)深く秘めし
数知れぬ宝
瑠璃(るり)の巌(いわお)
珊瑚(さんご)の島に
人の面(おもて)の霊鳥(れいちょう)住み
あけくれ歌う 妙(たえ)なる節に
合せて舞う翼うつくし
声をきけば 命を延ぶ(のぶ)
遠き南の海
水底(みなぞこ)深く秘めし
数知れぬ宝

当時のロシア人の想像するインドの様子が、わかっておもしろいです。エキゾチックで、悠然とした感じです。

時の踊り

2009-02-02 00:00:02 | 名曲

歌劇ジョコンダより 「時の踊り」La Gioconda Danza delle ore
Amilcare Ponchielli アミルカレ ポンキエリ(1834~1886年)イタリア クレモナ生まれ
教会音楽家の家に生まれる。9歳で音楽院に入学、10歳で最初の交響曲を作曲する。34歳でオペラを当て、スカラ座と契約を結ぶまでは不遇でした。

生前の成功に比べて、今日演奏されるのは、歌劇ジョコンダくらいですが、ミラノ音楽院でポンキエリは、プッチーニや、マスカーニを育てています。
ヴェルディと、後進をつなぐ役割の作曲家のように思えます。

歌劇ジョコンダはジョコンダ(陽気な女)の母親(チェーカ)をバルナバ(宗教裁判所長官アルヴィーゼの密偵)はチェーカに魔女の疑いをかけます。民衆からも魔女として責められているところをアルヴィーゼの妻ラウラに助けられます。

ジョコンダの恋人エンツォからアルヴィーゼがラウラを強奪し領地までも取り上げていたのでした。ジョコンダは恋人の裏切りに嘆き怒りますが、母親を助けたのがラウラだと知り赦します。一方ラウラは、かつての恋人エンツォと逃亡しようとした事が夫にばれて毒を与えられ自ら命を絶つように命じられます。そこにジョコンダが現れ仮死状態になる薬を渡し助けます。アルヴィーゼは倒れている妻を見て死んだものと思い込みます。

その後、舞踏会に紛れ込んだエンツォは、自分の領地と恋人を奪ったアルヴィーゼを告発しますが、捕らえられてしまいます。ジョコンダはエンツォを逃がしてくれるなら自分の身を委ねるとバルナバに持ち掛けます。仮死状態のラウラを墓から持ち出してきたジョコンダは結局自分が犠牲になり、2人を無事に逃がします。

そこへバルナバが現れジョコンダを求めますが、ジョコンダは短剣で胸をさし自害します。怒ったバルナバがチェーカを運河に沈めたと叫びますが、ジョコンダにはもう聞こえていません。
この最後の場面で演奏されるのが、「時の踊り」です。ジョコンダの悲惨な運命とは別に、舞踏会で演奏されている曲です。

時の踊りは以下の部分に分かれています。単独で、バレエ曲として使われていることもあります。
「夜明けの時」
「昼の時の入場」
「昼の時の踊り」
「夕方の時の入場」
「夜の時の入場」
「フィナーレ」

フィナーレは運動会の、かけっこに使われたりしているので結構聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
それにしても、ジョコンダの自己犠牲と、悲惨な運命。彼女の母にいたっては、殺される意味さえ良くわからない。
魔女狩りが現実の意味を持っていた時代の話です。「時の踊り」の明るさや洗練された軽さが、悲惨さをより強調します。