夕方、実家に帰ると高校から帰ってきた姪が来ていました。明日、センター試験だそうです。妹は夜勤なので、朝起きられるかどうか心配。
ここに来ると、母が起こしてくれるから安心なんだそうです。
今日は、母がいるので、私がレッスンをしている間、勉強しながら、夕飯を作る母と喋りながら待っていました。
レッスンは小五のKさん。
小学5年生は身体が小さいので、楽器を持って立つだけでも大変なので、大人と違って時間を短め、お月謝も安くしています。
それでも、Kさんはしっかり立って、吹けなかったら、何も言わないのに一人で何度も何度も吹いてくれます。
音が鳴りにくいEの音も納得がいくまで吹き直します。
どうなるかな?としばらく見ていましたが、なかなか難しそうなので、とめて、
「こうやってみて。」
Eのキーを押さえて、トーンホールに息を吹き込みながら、ゆっくりと管を外に向けていきます。最後は音が出なくなって、息の音だけになります。
それから、真ん中に戻って、今度は内側に向けていきます。音が出なくなるまで。
音程や、音色が場所によって変わっていきます。
Kさん、キョトンとしています。
「音が出ないところまで確かめるんよ。ここに一本道があって、端まで行ったら落ちるよ。こっちの端まで行ったら落ちるし、あっちの端も落ちる。落ちないけれど、今いるところはどこ?こっちの端?もしかしたら後一歩で落ちるところかもしれないね。
どこにいるか知るためには、端っこまでいってみないと。
これはフルートだから、落ちても死なない。だから、落ちてしまうところまで行っても大丈夫だから、どこまで行ったら落ちるか端を知るためには落っこちて息だけになるところまで確かめるんです。」
「フルートだから。」というので、「そう。実験するの。」と答えたら、ちょっと笑って、「実験!」と言って試してくれました。
やってみると「おおっ!」
「けっこう幅は広いでしょ。」
「うん。」
真ん中から吹いて、外側までずっと。
それから、内側。 いろんな音で、試してみました。
それからドレミ・・・。ハ長調のスケール。
いい感じです。
音楽は文系だと思われていますが、科学でもあるのです。