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生駒狂言鑑賞会

2009-06-14 22:15:37 | 本・映画など

国文学科の学生だった頃、、木村要先生の狂言と言う講義を取っていました。

木村先生は芸名を木村正雄さんといって、狂言師でもあり、重要無形文化財総合指定保持者でもいらっしゃいます。伝統を守るだけでなく、新作の創作狂言のシナリオなども書いておられて、79歳になった今もとても意欲的です。
講義もおもしろかった。日本の芸能が猿楽から、田楽、狂言や能に広がっていく様をとても興味深く教えていただいていました。

そのご縁で、しばらく狂言の案内を頂き、母が好きなこともあって、一緒によく見いかせていただいていました。引越したりもあって、長くいけなかったのが、大学の広報誌で紹介いただいて、久しぶりに音楽であそぼうのあと、母と行って来ました。
自業自得、今日は一日風邪で寝ていました。

茂山千五郎さん、茂山茂さんによる「右近左近」(おこさこ)と木村正雄さん、神澤和明さん、網谷正美さんによる「鐘の音」(鐘の音)
どちらも中世鎌倉時代の作だそうです。狂言はあくまでも庶民のもの。どちらも社会的に力を持たされていない人たちが主人公です。
「右近左近」は右近という男が、隣の左近の牛が1畳の4分の1ほどの稲を食べたことに腹をたて、妻に訴訟をしたいと持ちかけますが、妻は左近と仲が良く、訴訟はあきらめさせられ、嫉妬に狂って、妻を打とうとしますが、逆に打ち据えられて終わると言うお話。
「鐘の音」は主人に息子の成人祝いに鐘を買おうと「鐘の値」を聞いて来いと太郎冠者に命じますが、「鐘の音」と聞き違え、鎌倉中の鐘の音を聴いてまわりますが、主人に怒られると言うお話。

おもしろいのは、狂言は庶民のもの、いつも社会的力を持たされていない人々が主人公。
右近の妻が、少しの財産を鼻にかけ大騒ぎする夫をやりこめるとこに観客は痛快な思いを共有します。
また、太郎冠者の失敗を笑いながら、実は主人のへたくそな命令のおかげで、思わぬ風情のある旅を楽しんだ太郎冠者。主人がどんなに怒っても鐘の音の違いを舞いにする太郎冠者の喜びを取り上げることはできません。思うとおりにならないことに怒る主人の小ささに比べ、鐘の音を楽しむ太郎冠者のほうがずっと人間として大きく思えてきます。

10月21日には東西狂言会が開かれます。また、お出かけください。
http://www.osaka-shoin.ac.jp/


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