音楽の喜び フルートとともに

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大脳ペンディング理論

2008-08-03 01:27:14 | Weblog

関西空港のロビーにちいさな中庭があります。コンクリートの照り返しの中で咲く、睡蓮は本当にけなげで、でも、堂々としています。

大勢の子どもたちが、音楽のレッスンをしています。早期教育の教室の数を数えても切りがなく。子どもたちは前向きです。希望や期待ではちきれています。子ども本人だけでなく、大人たちの期待。親は子どもが後ろ向きになっても滅多にあきらめない。子どもたちは、調子のいいときも悪い時も、励まされたり、叱られたりしながら、練習を継続することになり、しかも、家事や、仕事をしながら、将来のいろんな心配事もなく、家庭が作り上げた環境の中それだけに集中することができ、結果として短い間に成果を手に入れます。

一般的に、大人は子どもに比べて学ぶ効率が悪く、柔軟性がなく、成長もしないといわれています。でも、ほんとうにそうでしょうか?

人間はどんな大天才でも、脳の10%(最近違う研究結果も報告されていますが、大きくは違わない)しか使わないで死んでいくそうです。そしてパターン化した情報処理や仕事にはほとんど脳を使わないそうです。
そして、脳は関連のないものを、関係のありそうなもの同士として集約してまとめるのが得意らしいです。そしてそのことが、大人が新しいことを学ぶのが、難しい理由の一つだそうです。

この関係ないものをつないで分類するというのは、情報を処理するための、大切な脳の役割なのだそうです。新しい情報が入った時に、判断して分類し、整理し、そして、いらないことは切り捨て、大切な情報骨組みだけを残す。次の情報を入れる場所ができる。

ところが全く今までの知識や経験が使用できない情報が入った時に、知識や経験がありすぎる大人は、無理矢理にでもどこかに押し込んでしまわないと、落ち着かない。結果として、誤った分類箱に情報は入れられ、使用できなくなってしまう。
急がしく動き続けないといけない大人は、この能力のおかげで社会を生き抜いてきたのだけれど、そのおかげで、新しい情報を入れる場所を誤ってしまう。それが柔軟性のなくなる原因だそうです。

確かにそういわれれば、ニュースでもなんでも、こういうことも考えられるけれど、こうかもしれない。なんていう情報が入ってくれば、なんだか落ち着かない気もちになってしまいます。
ペンディング状態、取りあえず、新しい情報が入ってくるまではおいておく、というのはとても難しいです、
事件報道に接すると、ゴシップや情報が少なくてわからないことでも、あーでもない、こーでもないと取りざたしてしまうのは、私もよくすることです。

これが、脳を活性化できない原因なら、では、意識的にペンディング状態を作り上げたら、どうなるのでしょうか?
疑問を疑問のままでおいて置く。「問い」を立て続ける。「分かった」と言わないでおく。
完璧な演奏が出来たと思わない。自分の出した音を聴きながら、「いい演奏ができているのだろうか?」「いい音がでているのだろうか?」と問いを立て続けてみる。

登山家の三浦さん、日野原先生、森光子さん。年を重ねて、どんどん能力を磨き続けている先輩がいらっしゃいます。彼らは一つのことを続けていらっしゃいますが、同じだけれど同じではない。毎日、新しい発見を続けていらっしゃるのだと思います。毎日の日常の時間の間ずっと、あらゆる角度からアプローチし、考え、問い続けてられているような気がします。今よりもっと能力を伸ばすにはどうしたらいいのかしら?と。

…名づけて大脳ペンディング理論世迷いごとでしょうか?


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