ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「トムアットザファーム」、カナダ出身の25歳の天才の作った映画

2014-11-26 19:01:43 | 映画
おススメ度 ☆☆☆

フランス・カナダ合作。監督のグザビエ・ドランは、主演も務めている。

見る人を選ぶ映画だ。


映像、音楽、編集、そのアーティスティックな作り、映画の面白さを楽しむ映画。カナダ・ケベックの雄大な田園風景が背景だ。

まず根底にゲイがある。

友人(ゲイの恋人)を交通事故で亡くし、その葬儀に駆け付けたトム。

そこは、ファームだったが、誰一人応対する人もいない、がらんとした、なにかミステリアスな世界。

友人の母が応対してくれて、泊まることに、夜、男の影が。それは死んだギョームの兄だった。

そこから始まる、ギョームの兄と母の関係、トムはギョームの兄に暴力を受ける。

しかしなぜか、一度は逃げ出しかけるものの、農場にとどまり、牛の面倒を見るトム。

それは、暴力ゆえか、ゲイの感情か、なぜか逃れられないトム。

その暴力をふるう兄は、母に頭が上がらない。

その妙な三角関係。

言葉が少ないのと、独特の映像表現のため、状況がつかめない、何ともミステリアス。

母には、ゲイであることを隠し、友人を演じている。

そこへ、サラという恋人役の女性が現れ、物語は発展します。

仔牛が生まれたり、広い牛舎でダンスを踊ったりの場面があって、

ようやくラスト、トムは農場を去ります。

悲しむギョームの兄は、なぜかアメリカ国旗をプリントしたジャケットを着ています。

そして流れる歌。流れるエンディングテーマはルーファス・ウェインライトの“Going to A Town”で、「アメリカにはうんざりだ」という歌詞の曲です。

アメリカを揶揄した曲に、この映画のテーマが隠されているようです。

サスペンスフルな展開で、じりじりしていた気持ちがここで消え去りました。見事なラストです。
コメント
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