ひろの映画見たまま

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「裁かれるは善人のみ」、権力に歯向かった一市民の末路!

2016-08-04 19:46:09 | 映画
おすすめ度 ☆☆☆☆

とにかく暗い映画です。

なにしろ、善人は大酒のみで、暴力夫で、なにかにつけ喧嘩腰。

それに対し、悪人は、市長、自分の目的を達するには、あらゆる手段を繰り出す。

そして牧師、説教は正しい、だがやっていることは権力へのすり寄りだ。

舞台は荒涼としたロシア北部の海沿いの海産物加工の町だ。

その一角の高台の場所で、自動車修理を生業としている男コーリャの物語。

このロケーションを開発しようと意気込む市長。

男は、先祖からの地を守ろうとモスクワから弁護士を呼び寄せる。

弁護士は、市長の弱みをつかみ、攻勢に出るのだが。

市長の反撃はすさまじく、コーリャは、打ちのめされる。

原題は、Leviathan(リバイアサン)と宗教的であり、哲学的。

要は、権力には歯が立たないとのこと。

おまけに、監督は恋愛事情を絡ませるのがお得意。

コーリャの妻が、弁護士と不倫。その顛末が悲劇を加速させる。

ロシア映画だけに、闇に政権を批判しているようにも見えるが、問題はもっと大きい。

ラストシーに描かれる、荒涼とした海辺。廃船やクジラの骨など、暗喩的な映像が美しい。

2014年・第67回カンヌ国際映画祭で脚本賞、第72回ゴールデングローブ賞で外国語映画賞と各国で評判だ。
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