おすすめ度 ☆☆
心理ドラマ好き ☆☆☆
カナダ・アカデミー賞(ジニー賞)で歴代最多9部門受賞。
『メッセージ』『ブレードランナー2049(10月27日公開)』でいま最も注目される監督ドゥニ・ヴィルヌーヴの原点とも言える渾身の一作。(2009年作品)
1989年12月6日、モントリオール理工科大学で起きた銃乱射事件。女性ばかりを狙い、14名が死亡。犯人も自殺。
この事件をモチーフに、白黒で描いたフィクション。
犯人、被害者で生き残った女性、その女性の彼氏。
3人の視点で、この事件をとらえる。
時系列や、人物が入り混じって描写されるので、戸惑う。
ただ、白黒の雪景色と、殺害現場の血の色が黒く、なにか美しい映像だ。
それぞれの人物像に深入りすることなく、表情と、時々のエピソードで進行する。
被害者の女性が妊娠していたことで、フェミニズムをめぐっての当事件の意義が深まる。
語りが少ないだけに、読み解くすべを持つ人には、感動の作品のようだ。
ただ、表面的に見れば、銃乱射殺人事件そのものだ。