おすすめ度 ☆☆☆★
スェーデン・デンマーク・ノルウェー合作
第29回東京国際映画祭で審査員特別賞および最優秀女優賞を受賞。
サーミ人は、スカンジナビア半島北部=ラップランドと、ロシア北部に暮らす先住民族。特にスウェーデンやフィンランドなどでトナカイの放牧を行っている事で知られている。
この映画は、スェーデンに暮らすサーミ人の娘が、差別を乗り越えて、都会の学校に通う話。
1930年代、まだ、差別意識の強かった時代。臭いと忌み嫌われ、河で沐浴するエレ・マリア。
サーミ人の衣装を脱ぎ捨て、参加したダンス場で、一人の青年に恋をする。
都会の学校にあこがれたエレは、知り合った男を訪ね道を開こうとする。
だが、入学には、お金がいることがわかり、母親に無心する。
あくまで、サーミから逃れたいエレ。
所々で描かれる、差別の数々。じっと耐えるエレ。
日本では、アイヌが思い浮かぶが、似たところは多い。
サーミの血を引アマンダ・シェーネルの初監督作品。
主演者もサーミ人。
妹の葬儀にやってきた晩年のエレの姿から映画は始まり、ラストも晩年のエレ。
その顔に刻まれたしわに、苦労がしのばれる。、土地に残った妹とどちらが幸せだったのか。
被差別民族の悲哀に涙がにじむ。