おすすめ度 ☆☆☆
エドワードヤン好き ☆☆☆☆
1985年 台湾映画 ただし、日本公開は2017年
エドワードヤン監督、第2作
台湾で、初回上映時、4日で打ち切られたという曲者。日本でも当時公開されなかった。
特に、前半、それぞれの関係が分からないまま進むと、確かに眠い。
そこを我慢して、それぞれの関係が分かってくると、俄然引き込まれる。そんな映画だ。
原題「青梅竹馬」は幼馴染のこと。
舞台は台北の古い問屋街である迪化街。そこで育った幼馴染みのアリョン(ホウ・シャオシェン)とアジン(ツァイ・チー)の恋人とも友達ともつかない関係に、近代化が進む台湾社会の変化が重ねられる。近代化の象徴として、台湾社会に浸透したアメリカと日本のイメージが頻繁に使われる。
二人は一緒に、アパート探しをするところから、話は始まる。
だが、不動産会社に勤めていたアジンが、会社の倒産で無職になり、兄のツテでアメリカ移住を考えている。一方、親の家業である紡績業を継いだ元野球選手のアリョンは、昔のしがらみに取りつかれている。
アリョンは、家を売ってアメリカ移住を考えるが、借金まみれのアジンの父のためにお金を使ってしまう。
アジンらは、自由に現代の台北を謳歌しているが、アリョンは、踏み出せない。
迪化街の崩れそうな建物と、日本企業のネオンサイン。アジンが囚われる古い台北と、アリョンが生きる新しい台北が軋んでいる。
ベートーベンかと思えば、ラストは「湯の町エレジー」、日本の演歌が、古い台湾によく似合う。
ディスコダンスとか、街を疾走するバイクとか、躍動するシーンも描かれる。
1980年代の台湾。どこか懐かしい。