おすすめ度 ☆☆☆★
歴史映画好き ☆☆☆☆
1936年に起こった「丙子の役」を題材に、韓国でベストセラーとなったキム・フンの同名小説の映画化。
韓国での評判がいまいちなのは、韓国にとって屈辱の歴史だからか。
平昌にオープンセットをつくり、当時の清の国の陣幕形態と同じモンゴルのゲルを直接空輸するなど努力を惜しまなかった力作。
5カ月にも及ぶ極寒の中でのオールロケーションを決行し、臨場感あふれる映像美。
朝鮮に侵入した清の攻撃を避け、王と朝廷は南漢山城へと逃げ込んだ。冬の厳しい寒さと飢えが押し寄せ、外へ出ることも攻撃することもできない絶体絶命の状況下で繰り広げられた47日間の物語が描かれる。
清の軍勢12万人に包囲された、1万3000人の朝鮮朝廷。
ただ、この映画、この状況下で、敵と戦うか、敵に屈して生き延びるかを二人の闘将に語らせ、哲学的な意味合いを持つ。
百姓の命を守るべきという信念を持つ吏曹大臣チェ・ミョンギル役をイ・ビョンホン、清と戦い、大義を守るべきと主張する礼曹大臣キム・サンホン役をキム・ユンソクが演じる
二人の演技合戦が見もの。
半島という地理的条件下での韓国の悲劇。それは今日にも尾を引いている。
自国の負け戦を、映画にする勇気を買いたい。