ひろの映画見たまま

映画にワクワク

イギリス映画「Shame シェイム」、性描写は過激ですが、愛の物語です。

2012-10-21 18:03:34 | イギリス映画
おススメ度 ☆☆☆
     芸術的な映画好き ☆☆☆☆

性描写が過激だけに、あんまりお勧めできないが、心理映画としてかなりの出来です。

冒頭、若い男が素っ裸でうろうろするのだから、ちょっとドキドキしますが、まあ、適当に処理されているので、それほど不快ではありません。

前半は、会社では優秀な社員、眺めのいい高級高層マンションでの独身生活。

そして、セックス依存症らしく、自ら、いきずり、商売女とセックスし、おまけにポルノ雑誌、映像、写真とセックスライフを楽しんでいる。

そんな、彼を頼って、妹が突然やってくる。そこから、妹がいることで、生活だけでなく、精神面までかき乱される。

優雅な生活であるはずの独身ライフ。それは、本当の心の隙間はささくれていた。

実体としてのセックスライフは、それをいやしてはくれない、そして、恋をしたり、見知らぬ女性を追いかけたり、果ては、売春宿、男とのセックス、ナンパ、それで、心が埋まるわけはない。

そしてラスト近く(ネタバレ)






























妹のリストカットで、自らの立ち位置を改めて自覚する。そのあとはどうなるのか、そこは、観客に任されている。
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イギリス・アメリカ映画「第九軍団のワシ」、古代ローマ時代の勇士の話!

2012-10-20 16:05:49 | イギリス映画
おススメ度 ☆☆

西暦120年、ローマ時代。カレドニア(今のスコットランド)での内乱を平定するために出かけた精鋭の第九軍団、その軍団が忽然と消息を絶った。その歴史的事実を小説にした。それは児童文学書になっている。

その小説を映画化したフィクションである。

20年後、第九軍団の隊長の息子マーカス、成人して砦の守備を任される。そこでその感性と潔さで見方を勝利に導いた。しかし、巧妙な敵戦車によって負傷し、療養の身に。

そんなとき、剣闘試合を見物、殺されかけた奴隷を救う。奴隷は、恩義を感じマーカスに忠節を尽くすという。

一方、父の率いた幻の第九軍団のシンボルであるワシの紋章があると聞き、奴隷を連れて単身北へ向かう。

北と南の間に砦が作られていたが、北へと繰り出す。そこは自然環境も厳しく、はては異民族、それもローマ人に襲撃を受けた人たちが暮らしており、旅は、自然と強敵との戦いとなる。

最後に、ワシのシンボルを見つけるが、そっからの脱出は、死にもの狂いだった。

スパルタカス並みの合戦シーンがあり、野蛮族との独特の駆け引きがあって。結構楽しめる。

ただ、やはり物語が単調で、盛り上がりに欠ける。

主人公のマーカスを、チャニング・マシュー・テイタムが演じマッチョな魅力を見せつけている。
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ドイツ映画「アウシュビッツ」、アウシュビッツが主題の映画です。

2012-10-18 15:40:06 | ドイツ映画
おススメ度 ☆☆

アウシュビッツをテーマにした映画は散見されるが、いずれもドラマ仕立て。

本作は、ノンフィクションではあるが、ドキュメンタリー要素がふんだん。

冒頭、監督の映画製作の意図が語られる。

そして、話の通り、現代の若者たちに「アウシュビッツについて問いかける」、これを見ると、ドイツでも風化しかかっているように見える。

そして、映像は、ユダヤ人たちが、貨車でアウシュビッツへ到着して、それぞれの宿泊所へ行くまでのシーンと、集められ、シャワーだと言って、裸にされ、一室に閉じこめられるシーンが、交互に描かれていく。その間、ドイツ兵たちが、規律正しいドイツ兵ではなく、人間らしさの見える描き方で描かれる、たとえば没収した貴金属を自分の妻への贈り物にするなど。

一方、アウシュビッツの記録映画も挿入され、当時がより現実味を帯びてくる。

ドラマでないので、感情移入はできないが、非道な所業が淡々と描かれ、それも加害者、被害者の両面から描かれている。

日本人にとっては、ちょっと遠い国の出来事のようだが、歴史上の大事件でもあり、一見の価値はある。
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オーストラリア映画「アニマルキングダム」、犯罪一家の実際にあった話!

2012-10-17 17:54:56 | 映画
おススメ度 ☆☆
   犯罪映画好き ☆☆☆

タランチーノが絶賛するなど、欧米では人気が高い。

オーストラリア映画だけに、出演者になじみがない、犯罪映画でありながら派手なアクションシーンはない。

17歳の少年が、母親の死で一人ぼっちになり、祖母の家に引き取られる。そこには、三人の兄弟がいて、犯罪一家だ。

当然警察に追われており、実際仲間が射殺される。

それから復讐合戦が始まる。

全体に、犯罪という後ろめたさと、その言動のこわさが底辺にあり、復讐というあざといモチーフで、暗さが覆い尽くす。

ただ、中で、弁護士と協同しての黙秘作戦とか、地味な話にうっつて退屈する。

後半、少年の恋人がターゲットになり、そこから事件が急展開。

少年が目覚めて(悪い意味も含めて)、自らの復讐をし、この一家で最も牛耳っていたと言える祖母のもとに帰るのか否か?微妙な終わり方だ。

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日本映画「鍵泥棒のメソッド」、これ胸キュン物語です

2012-10-16 19:41:54 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆☆

冒頭、広末涼子扮する、雑誌の編集長が結婚宣言をします。年増の行き遅れですが、なぜか、婚活も辞せず、恋愛の時間も組み込んだスケジュールを立て、編集部員の力を借りるのでした。

そして、タイトルシーンへ。

この映画の主人公は二人、その二人が、銭湯で入れ替わるという奇想天外な物語。でもそれが、そんなに異質に感じられないところが内田演出の妙なのか。

一人は、金もなく人生をはかなんで自殺しようとして失敗。銭湯のただ券を見つけて、銭湯へ。

一方の男は、殺し屋、べっとりと血の付いた腕、車は渋滞で動けなくなった、で、銭湯へ。

後から入ってきた殺し屋は、石鹸に滑って転んで頭を打ち気を失う。

悲観男は、銭湯のロッカーの鍵を入れ替えてしまう。

そうして、二人が入れ替わる喜劇なのだが、

この映画のテーマは胸キュンなのだ。

実に軽妙な物語の展開。二人の男性と雑誌の編集長が舞台回しをするが、物語は、ほぼ時間軸に沿って進む。ただ、それぞれの主人公の場面が切り替わって、物語のテンポがよい。

それぞれのセリフもかなり風刺が効いていて、くすくす笑いだ。

そして、ラストの胸キュン。

さらにエンドロールが残っていた。

お見事!

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イラン人監督による日本映画「ライクサムワンインラブ」

2012-10-15 17:23:41 | 日本映画
おススメ度 ☆☆
   芸術的映画の好きな方 ☆☆☆☆

一味違う日本映画。それもそのはず、イランの巨匠アッバス・キアロスタミ監督作品だ。

最初、デリヘリクラブ(ちょっと予備知識がないとよくわからない)、様々な会話が交わされ、いやだとかいいだとか。要は、女性に男を紹介しているのだが、普通のバーのような気がして。

で、ヒロインの女子大生明子、田舎から出てきたおばあちゃんの留守電無視して、男の所へ。

男は、80代の元大学教授。

デリヘル嬢の話だから、エッチな場面でもあるかと思えば、皆無に近い。で、翌朝、大学へ車で送っていく。そこに待ち伏せしたのが、彼氏。でもこの彼氏一方的なところがあって、早く結婚したいという。中学出で自動車整備を経営している。

この男、老人を彼女のおしいちゃんと勘違い。おじいちゃんに説教される。

ただ、映像が音楽が、背景がちょっと違う。それは、鏡であったり、書斎だったり、車の中だったり、視点が違うのだ。

物語は、単純なだけにわかりはいいのだが、なにしろシーンが長い。それなりに意味があるのだが、退屈する人もいるだろう。

そしてラスト。これがラストと誰もが疑問を感じる終わり方。

でもこれが余韻を残す。よいと感じるかダメと感じるか?あなたはどっち。
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日本映画「人生いろどり」、3婆の再生物語です。

2012-10-13 15:40:27 | 日本映画
おススメ度 ☆☆
   年配の女性 ☆☆☆☆

さすが、宣伝が当を得ているのか、観客の大半が年配の女性。

徳島県で、最も人口が少なく、高年齢の町、上勝町。葉っぱビジネスで成功した町だ。

その実話をもとに構成した、葉っぱビジネスの「いろどり」と、3人の老婆の人生物語だ。

従って、若い人にはちょっと重荷。

なかで、農協職員の結婚話もあるが、これはあくまでそえもの。

3婆、ちょっと言い過ぎかな、まだまだ若い、3人の女優、吉行和子、富司純子、中尾ミエが演じている。

吉行和子は、藤竜也と老夫婦、昔気質の夫に刃向いつつ、自分の意思を通す新しい婦人像だ。

藤純子は、夫に先立たれ、息子に一緒に住もうと言われるが、住み慣れた地は離れがたい。

中尾ミエは、母の介護のために帰ってくるが、実は、学校の先生のはずが学校に勤めているだけだった。

それぞれ、訳ありの人生だが、葉っぱビジネスを農協職員に勧められ、市場調査したり、勉強しながら実りあるものに仕上げていく。

人生には、苦もあるが、目標を持って生きられる人生は楽しい。

エンドロールで上勝町の人たちの姿げ映し出され、まさに人生彩だ。
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日本映画「星守る犬」、野垂れ死にした老人に最後まで寄り添った忠犬!

2012-10-12 18:27:08 | 日本映画
おススメ度 ☆☆
     犬好き ☆☆☆

原作は、少年漫画のベストセラー。

だが、これは、ロードムービーだ。

失業し、妻にも捨てられた男が、愛犬とともに、旅する物語だ。

彼は、北海道の山奥で野垂れ死にした。そのそばで犬が死んでいた。犬は男の死からしばらく一人で生きていた。

そうした死亡現場に立ち会った市の福祉課の職員が、男の身元が分からないので、気になり、残されたメモと領収書を頼りに、男の足取りを追う。

即ち二つのロードムービーだ。市の職員は、東京で、家出していた娘にヒッチハイクを頼まれる。二人の旅が始まる。

東京は別人だったが、老人は、犬が拾ってきた当たりくじの旅館での一泊。コンビニでは、親切にしてやった少年に有り金すべて盗まれ、リサイクルショップでは、犬が病気になり、その手術代のために一切の家財道具を売りに出す、そして、元妻のいる青森ではねぶた祭りに、そして、青函連絡船へ。

様々な人との交流を通して、人生を描いた社会はドラマになっている。

老人の旅と、職員の旅の二つが並行して描かれていく。

老人の後を追う市役所職員は、幼いころの犬のトラウマがあり、それが物語を膨らませている。

ロードムービーはうまく描けば成功するのだが、この映画は余計な部分がすこし多い。

ただ、愛犬のシーンでは泣ける場面もあり、感情移入するとはまるかも。{
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NHK山田洋次が選んだ日本映画100選 喜劇編 市川崑監督の「プーサン」

2012-10-11 11:29:56 | 日本映画
1953年作品。

「ビルマの竪琴」、「犬上家の一族」などの市川崑監督作品。

「プーサン」は、当時毎日新聞に連載されていた横山泰三の4コマ漫画。

その「プーサン」と「ミスガンコ」を題材に、風刺を利かした映画となっている。

朝鮮戦争時代、39歳独身数学教師が主人公。彼の住む下宿屋の娘カン子がヒロイン。だが、カン子は、教師が一方的に思っているだけで、二人の接点は少ない。

むしろ、二人を取り巻く環境が痛烈な風刺となっている。

学生運動に巻き込まれて失業し、職を探す主人公。

一方、銀行勤めのカン子は、恋人がいるが、中学出というだけで親に反対される。名の通り、頑固者の彼女は当時としては新しい女性像なのだろう。

監督デビュー間もなくの市川監督の才気あふれる風刺がサビを利かせている。

主人公には、伊藤雄之助、ヒロインには、越路吹雪という異色の配役だ。

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日本映画「アウトレイジビヨンド」、所詮ヤクザ映画です

2012-10-10 19:28:41 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆
     やくざ映画好き ☆☆☆☆

ベネチア映画祭では無冠だった。その時のタケシのせりふ、「所詮やくざ映画だから」

前作「アウトレイジ」の続編となる本作、やはり前作を見ておくか予備知識を持ってみた方がいい。

今回は、新しい組長の「山王会」と関西の「花菱会」との対立の構図。

でも、主役は、刑務所から出てきた大友(北野武)。彼の復讐劇でもある。

やくざ映画といえば「仁義なき戦い」が、思い浮かぶが、あのロマンはない。第一女らしい女は出てこないし、拳銃のド派手な撃ち合いはないし、今回は江戸弁と関西弁のどすの利かしあいみたいな雰囲気だ。

その点では、西田敏行の関西弁はまさにはまっている。あんな喜劇の叔父さんがだ。いっぽう、関東では、加瀬亮が光っている。あの優しい青年がどなりまくるのだ。

それなりに、サスペンス溢れる出来なのだが、所詮やくざ映画ですからね。

もっとも、たくさんの俳優がいい演技をしているが、やはり日本の役者はやくざをやらせるとうまいですね。なかで、セリフのない高橋克典、おまけですかね。

コメント (2)
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