ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」父子がネバダ州を目指してロードムービー

2014-03-11 17:27:47 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆
  ロードムービー好き ☆☆☆☆

認知症の父、百万ドルがあたったという郵便が届き、それを真に受けて、ネバダ州まで行こうとする。千数百キロ、歩いていける距離ではない。でも歩き出す老人を見て、息子は放っておけなくなり、父を連れ出す。

そこから始まるロードムービー。でも広いアメリカ殺風景な景色は非情だ。銀色っぽい色彩のワンカラー映画に、哀愁が漂う。

途中、老人は、入れ歯を落としたり、転んでけがをしたり、じっとしていない。おまけにアル中だ。

仕方なしに母を呼ぶが、ネバダ州に住む叔父の家へ行けという。

そこで昔父が育った町に到着。町人、とくに老人達は父の知り合いだ。

だが、くじに当たった話を父が漏らした途端、周りの人は、様子が変わり、くじを盗むもの、昔の借金を請求するものなど、欲に絡んだ話が続々。

だが、一方、父の昔の生活が明らかに。ベトナム戦争でアル中になったとか、昔の恋人が現れたり、下ネタを交えた数々のエピソードは、無口な老人の姿をあぶりだす。

出てくるのは老人が多いので、どうしてもじじくさい。

だが、あっけらかんとした力強い妻の存在や、ラストの気の利いた息子の贈り物でラストは気持ちいい。

小津が好きだというアレクサンダー・ペイン監督が、細やかな市民感情を描きあげ、認知症の父を演じたブルース・ダーンは、カンヌで男優賞を取った。

父や息子の年齢に近い人は、自らの境遇を重ね合わせて、じーんとくるのではなかろうか。

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「トランス」名画盗難にともなう、トランス治療の謎!

2014-03-11 14:47:19 | イギリス映画
おススメ度 ☆☆☆

 見る人によって意見の異なる映画。(☆から☆☆☆☆☆)

いずれにせよ、トランス治療が一つのテーマなので、現実と仮想空間とが混在し、現在過去と映像が浮遊するので混乱する。

まずしっかり見ていないと、後半に描かれる記憶が、その意味が解らず、この映画の良さが読み取れない。

カードギャンブルで、借金を作った男が、自ら勤める絵画オークションで、絵画を盗むことを計画。共同作業のはずのギャングのリーダーにスタンガンを突きつけ、逆に殴られ意識を失う。

催眠療法で、失った記憶を呼び戻そうとする。

実は、この催眠療法士(黒人の女性)が曲者。

後半は、この催眠療法士と、ギャングのリーダー、記憶を失った男。

この3人を巡るラブロマンスへ発展する。

前半に、いろいろ小出しにされているネタ。

そして、現代の発達した、通信機器と映像技術。

記憶喪失が、そんなに簡単によみがえるものなのか。

催眠療法士と男たちとの関係は、

そして、殺人事件へと進む。

ラストで解決したように見える結末も、仮想なのかもしれない。

『トレインスポッティング』の脚本家ジョン・ホッジと映像と音楽の融合で有名なボイル監督が再びタッグを組んだ作品。

それだけに、観客を選ぶ作品となっている。

盗まれた絵は、ゴヤの「魔女たちの飛翔」。はじめて裸の女性に陰毛の描写が。

それが、催眠療法士の剃毛とつながるとは?

後半は、エロ・グロも混じって、複雑な映像。

ちなみに、ヌードを披露している催眠療法士を演じたロザリオ・ドーソンは、監督の恋人なそうな。
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「ミリオネア オン ザ ラン」、500万ドルを巡ってのバトル!

2014-03-10 18:54:10 | 韓国映画
おススメ度 ☆☆

 ちょっと変わった顔の男、すぐ外国人と間違われる韓国人。演じるは歌手やプロデューサーとして韓国音楽界をリードしてきたパク・ジニョン。初主演。

炎上した車に黒焦げの死体、死体には腕時計が、それが、ポギョングループのハン常務のものだったことから、刑事が二人常務を訪ねてくる。

常務はチェ部長にプレゼントしたという、そのことからチェ部長ではないかと。

実は、チェ部長は取引先に500万ドルを届ける途中何者かに襲われていた。

車は取られたが、500万ドルは、手元に、そこで別の車で逃走。

途中、何者かに追われる少女が車に飛び込んできた。グループから金を盗んで逃げてきたのだった。

実際は、もう少し、中身は複雑で、前半は登場人物も多く、話が込み入って分かり難い。それも韓国映画独特の笑いの要素が入っているから余計複雑だ。

ただ、チェ部長と少女が共同してお金を持ち逃げするころからがぜん面白くなる。

カーチェイスまではいかないが、ロードムービーよりはスリリング。

チェ部長に扮するパク・ジニョンの顔ねたもあり、4つどもえのお金を巡る争い。

まあ、その分アクションは控えめだが、ヤクザたちの切れぶりは面白い。まあ、それ以上ではないが。




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「情事」、不倫の二人が10年後、同じホテルで!

2014-03-08 17:22:05 | 日本映画
おススメ度 ☆

官能映画の謳い文句。

でも、不倫映画なのでラブホでのエッチシーンはありますが、あくまで控えめ。

冒頭、妻がいるサラリーマン(ロンドン出張と言っているからいいところの会社員)と夫と子持ちの主婦(子供は幼稚園で手が離せない)がラブホでの不倫のシーンが。

ところが、タイトルが出るや、まったく同じシーンが流される。最初よくわからなくていたが、10年後の二人らしい。それも死後の。でも姿かたちは全く変わらない。ちょっとテレビの画面とか、変わったところもあるがほとんど同じ。

そして二人が、その部屋から出られなく、廊下に出たらそれ又エンドレス。

何ともつまらないシーンの連続でぐったり。

その後、ナイフでの刺殺や、別の男女が侵入したり、「出ていけ」のメモがあったり。

しかし、なんと低予算なのだろう。ホテルでのシーンだけだから。

主演の森下悠里が、ちといい女なのかな。

でも整形疑惑があったりして。

いちおうこれ、劇場公開もしているらしいのだが。
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「家路」、福島原発事故で、避難を余儀なくされた地域で稲を育てる

2014-03-08 16:41:55 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆
  原発事故の映画好き ☆☆☆☆

3・11東北大震災、同時に起こった福島原発事故。

その後遺症は、いまも現地の人たちを苦しめている。

原発事故で、立ち入り禁止区域に指定された農家は、農業ができるのに、立ち入れずじっと我慢しなければならない。

そして住むのが仮設住宅。今も、新しい家が建てられず、雨漏りのする仮設生活を余儀なくされている人たちがいる。

映画は、そんな問題を声高に非難はしない。

淡々と、一つの家族の生活を追うだけだ。

だが、次男が、立ち入り禁止区域で、農業を始めるという非現実的な行為をすることによって、田畑すなわち自然と人間の共生こそが自然な姿だとわからしめる。

黙々と、土と戯れ、稲の生育をみまもる次男の姿が崇高に見える。

一方、仮設住宅には、長男の夫婦と娘、それに腹違いの母。

生活は、デリヘルで働く妻の稼ぎだ。

母は、認知症、ずらりと並んだ殺風景な仮設住宅は、家を見失わせてしまう。

父は町長にもなった昔気質の男。妻はそれに従うだけだった、その父は震災前に他界。

次男は、20年近く前に兄のしたことをかぶって、家出をしていた。

そんな、家族の物語が、現実の仮設住宅と、人一人いない立ち入り禁止区域での稲作。

稲作の美しさを徹底して描くことによって、現状の不合理をあぶりだす。

最後は、姨捨でなく、母と子の農作業で終わる。

次男を松山ケンイチが、長男を内野聖陽、母を田中裕子、嫁を安藤サクラが演じ、安定した演技が映画を引き締めている。
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日本アカデミー賞は、「舟を編む」に決定!

2014-03-08 09:45:41 | 映画
日本アカデミー賞が昨夜決まった。

「舟を編む」が、作品賞、監督賞、男優主演賞など主な賞を得た。

女優賞には、真木よう子が、主演、助演のダブル受賞。

助演男優賞は、リリーフランク

アニメ部門 風たちぬ

外国映画賞 レミゼラブル

外国語部門の、レミゼラブルは以外。

大衆的な賞なのか?
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「それでも夜は明ける」、今年のアカデミー賞受賞作品です。

2014-03-07 18:05:47 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆☆
   アメリカの歴史好き ☆☆☆☆☆

アカデミー賞が決まったことで、初日に早速見に行った。

南北戦争以前の1841年、自由の身でニューヨークに生まれた黒人ソロモンが奴隷制度が根強く残る南部ルイジアナに売り飛ばされ3か所の綿花農園で奴隷として12年間の月日を過ごすことになった実話。

タイトルは、日本題で、これでネタバレしていますが、それを上回る物語のすごさです。

アメリカの奴隷制度を描き切ったともいえる、重厚な作品です。でも、主人公のあくなき闘争心に感動し、決して暗いままの映画ではありません。

監督は、スティーヴ・マックィーンで、イギリス生まれの黒人です。ブラッド・ピットが製作に関与し、自らはもうけ役を演じています。

自由黒人がいたとは初めて聞いたが、要は、東部では、自由権を与えられ、白人同様の生活をしていました。

そんな主人公が、あこぎな白人に誘拐され、南部の黒人奴隷として売り飛ばされるのです。酔っ払った翌日気がつけば、鎖につながれ牢の中。そして南部で奴隷として売り飛ばされます。

この映画の面白いのは、雇い主側の白人も丁寧に描いていることです。黒人を使用する白人にいろんな人がいるのは事実でしょう。そこに個人的な感情も絡まって、差別と虐待が繰り返されます。

使用主だけが、非情なのではなく、管理人とか、夫人とか、ごく普通の人たちが、拷問に加担するのです。

もっとも、ひどいのは、サディスティックな農園主です。

一日の収穫量で査定し、平均を下回るとむち打ち刑。

当然、反抗したり、逃げようとすれば、つるし首の刑が待っています。

何とも恐ろしい世界ですが、監督は、目をそらさずじっと拷問の様を描いていきます。

気の弱い人は、目をそらしてしまうシーンが次々と襲います。

まあ、ここまで、黒人が受けた傷は、歴史に残す必要があるようです。

最後、それでも夜は明けますが、殺してくれとまで言った女性はどうなったのでしょうか?

主人公ひとりが助かっても何も解決しません。

それはやがて、大きなうねりで現代のアメリカがあるのだと思います。
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「最上のプロポーズ」、青山真治監督のテレビドラマです

2014-03-06 18:13:01 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆☆

これ映画の棚に並んでいますけど、TV ドラマです。

シリアスな映画の多い青山監督。

今回は、恋愛ものとあって、楽しんで撮っているのかな。

4話からなるオムニバス。

そのカラミは、花屋。

そこで花を買ってプロポーズすると必ず幸せになれると噂の花屋。3話まではその展開。最後はその花屋と狂言回しの作曲家の話。

いずれも、花を中心にしたラブドラマ。

女性目当てなのか、男優陣にスポットが。

斎藤工、金子ノブアキ、小出恵介、向井理の四人がそれぞれのエピソードの主人公。イケメンがそろった。

第1話は、中学の初恋物語が、成人して、再燃するピュアな物語。中学の時、いじめられた彼女を助けたつもりが、その後にはいた言葉がトラウマに。女性を傷つけたことを自覚して再び求婚することに、当然、花屋の花がキューピット。

ダ2話は、ちょっと、度が過ぎるとは思うが、科学馬鹿な男のひとめぼれ。彼女とのとっかかりがうまくつかめず、結局、研究室の先輩にアドバイスを受けながらぎこちない求愛。まあ、女慣れしていない男性の典型。

第3話は、意識不明の彼女をいいことに、おしかけるが、意識が戻り、婚約者がいるのがばれる。しかし、婚約者はもう結婚しており、2人は、病院を抜け出しデート。夜の人通りのない浅草商店街のシーンは秀逸。

第4話は、結婚後突然いなくなった彼女。実は忙しすぎる彼に不安抱いての家出だった。再び彼女のために意を決した彼は、花の名前をずっと暗記。笑顔が戻るのであった。

ラブドラマではあるがあくまでもピュア。セックスシーンなどは一切ない。

花をモチーフに見事に四つの花を咲かせたのはさすが。
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「ダラスバイヤーズクラブ」、HIVに罹り、その薬の密輸販売で当局と戦ったカウボーイ

2014-03-05 18:22:59 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆☆

1985年、テキサス生まれの電気技師ロン・ウッドルーフはHIV陽性と診断され、余命30日と宣告される。米国には認可された治療薬が少ないことを知り、納得のできないロンは代替薬を求めてメキシコへ渡る。そこで米国への薬の密輸を思いついたロンは、無認可の薬やサプリメントを売る「ダラス・バイヤーズクラブ」を設立。

ロンは、酒と女とばくちに目がない、カウボーイ。いまは、ロデオで、何分馬上にいられるかの競技で、金を巻き上げるヤクザっぽい仕事に余念がない。

そんな彼がエイズを宣告される、ゲイでもないのになるはずがないと、エイズを調べ出す。結局、エイズは納得するが、病院側の態度に納得がいかない。

特に、副作用の強い薬しか使えない現状を歯がゆく思った彼は、メキシコへ飛び、世界には未承認だが、効く薬があることを実感する。

そこで、薬を売るのではなく会員制にして、薬を無料で配るというアイデアを思い付き、事業を始める。

ゲイである必要から、相棒にゲイの男性(彼の演技も素晴らしくアカデミー賞受賞)を招く。

薬を求めて、世界を駆け巡り、ここで日本の林研究所が出て、驚く。

エイズの治療に対する問題提起もあるが、基本は、このロンの生きざまだ。結局、薬の影響もあって、30日が来ても死なない。

普通、死に至る病の場合、悲痛な空気が漂うが、この映画は、それらを吹き飛ばしてしまう、バイタリティがある。

それは、自ら20Kgの減量を課して瀕死の男を演じた マシュー・マコノヒーの演技にある(アカデミー賞受賞)。

最後まで、生きる希望を捨てず、人々に生の喜びを与え続けたその雄姿だ。

ラスト、自らやせた体にムチ打って、ロデオにまたがる姿は見る者の胸を打つ。

これも実話の映画化だそうだが、アメリカには、まだまだいい話が転がっている。


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「レッドドーン」、北朝鮮がアメリカを占領!

2014-03-05 13:49:09 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆

  戦争映画好き ☆☆☆

北朝鮮がアメリカを占領、ありえない話だけど、この映画当時評判となった、ジョン・ミリアス監督の『若き勇者たち』(1984年)のリメイク作品。

当初、中国を想定して作られたが、中国との関係を考慮して、急きょ北朝鮮に変更されたらしい。おかげで随所にその名残が。

結構面白い映画なのに、その設定ゆえに、結局興行的にも成功しなかったみたい。

SFや歴史映画でなく、現代が舞台なので、結構緊張感もありよくできているのだが、いかんせん設定がちゃちすぎる。

それにしても、アメリカの小さな町が北朝鮮に占領され、それに対抗する青年義勇軍。

機関銃と爆薬で応戦する。

中で、軍経験者がいて、これがリーダーとなり、若者を鍛え上げていく。

弟が、最初反抗的だったが、途中で和解。これがこの映画のもう一つの柱になっている。

弱くなっているといわれる、アメリカにカツを入れる意味でも興味はあるが、たしかに、地元で自衛戦を戦ったことのないアメリカ、立場を変えればどうなるか。

国の防衛について、考えさせてくれる映画だ。
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