ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「ドラッグ・ウォー 毒戦」、麻薬取引を巡るヤクザと警察の死闘

2014-03-22 20:14:18 | 中国映画
おススメ度 ☆☆☆

ジョニートー好き・やくざ映画好き ☆☆☆☆☆

香港のノアール映画の巨匠ジョニートーが初めて50作目にして、中国で撮ったアクション映画です。

死闘というにふさわしい銃撃戦。これがジョニートーの持ち味ですが、今回も後半すさまじい死闘劇が繰り広げられます。トーの良さは、その劇のすさまじさもありますが、そこまでの物語の振りと、死闘が巧みに絡み合ってみるものをわしづかみにします。

冒頭から、突っ走ります。まず、麻薬輸送犯を検挙するシーン。レントゲンで、腸の中に隠し持った麻薬の袋詰めを確認し、検査官のいる前で大便をさせ、すぐさま洗浄、麻薬を確認する。(ちょっと初体験の検閲場面です)。

一方、麻薬製造工場が爆発、そこから走り出たトラックが暴走、まさにじぐざぐ酔っぱらい運転、そして、コンビニに突っ込んで大破損。乗っていた男は、麻薬でらりっていた感じ。

トラックで暴走した男が、麻薬密売の実行犯。ルイスクーが好演。

中国では、麻薬はすぐ死刑。

ただ、この男の後ろにいる黒幕を逮捕すべく、この男を利用しようと、死刑を免ずるという取引をする。

そして、日本、韓国へもコネのある、大物二人と接触。

この時、2人に逢うのに、その相手に刑事が扮して交渉。このデカ長が、実にうまい。

この刑事を演じるのがスンホレイ、なんか、今は亡きたかじんに似ているようで、日本でこの役をたかじんにやらせたら、受けるだろうと思いつつ、その演技のうまさに唖然。

ハハというやくざ、ハッハとうまく笑い飛ばす癖が、それを別のシーンでは刑事が扮してハッハと笑い飛ばす。絶妙!

そして、この刑事、麻薬を鼻ですすれと言われ、なければ取引は停止だと、二度三度吸引、相手と別れた後ぶっ倒れる。氷、風呂、口から吐くなど、必死の救出が、そしてすぐ勤務。

その刑事たちの働きぶりに頭が下がるが、一方で、暴走男は別のたくらみを。

ラストは、香港7人衆と聾唖の兄弟が参加して見事な銃撃戦。カーチェイス。

106分、息つく暇なく見終わった。痛快!、

蛇足:中国の死刑シーンが見られます。
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「おだやかな日常」、原発事故で翻弄される二人の主婦!

2014-03-21 17:16:45 | 日本映画
おススメ度 ☆☆

  原発映画に関心のある方 ☆☆☆

福島原発事故で翻弄される、二組の夫婦。実は、ふだん接触のない二人(主婦)が、ある出来事で接触し、明日を生きる勇気を得る映画。

突然夫に離婚を切り出された子持ちの主婦。その日、あの地震が起きた。

東京近郊にも、放射能の脅威がささやかれるようになる。

筆者は、実は関西在住のためこの辺の緊迫感はあまり伝わってこない。

主婦は、娘を幼稚園に通わしているが、娘と二人の生活の不安の中で、放射能の驚異に敏感となり、マスク着用や、外で遊ばせないなど過剰な反応をしてしまう。放射能測定器を購入その値で、幼稚園に抗議する。

そのため、園の当事者は勿論、子供の親たちから、非難の声が持ち上がり、最後には、脅迫めいた電話やチラシが投げ込まれることも。

かくしてノイローゼになった主婦の行動は?

一方、隣に住むリポーター。普段は隣との接触はない。ただ、彼女も放射能の脅威を感じ、夫に転勤を進める。だが、管理社会の夫の会社は冷たい。

普段の穏やかに見える生活が、地震と原発事故というアクシデントで、急激に暴れ出し、事件へとつながる。

ほぼ、ドキュメント風に話が展開し、切々と原発の驚異が人々へ影響する様をあぶりだす。

ありふれた種の話だけに、よけい現実は深刻だ。

一方で、村社会である日本の、迎合主義も描かれ、今薦められている原発再稼働の動きをけん制する。

ただ、話が、2人の女性に終始するため、それ以上の発展はない。ラストは、明日を予想させるが、根本的解決ではない。



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「ロボコップ」、ロボット型警察官の活躍

2014-03-20 19:27:04 | アメリカ映画

おススメ度 ☆☆☆

ロボコップ好き ☆☆☆☆

瀕死の重傷を負った警察官が全身を機械化したロボコップとなって活躍するSF活劇は、1987年第1作が作られ、その後、2,3と続編が作られましたが、今回再びリメイクされた。

2028年、オムニ・コーポレーションなどが中心となり、アメリカ軍はロボット兵士を大量に海外に展開していました。しかし、アメリカ本国では、ロボット警官は禁止されていました。その根拠法となっているのが、ドレイファス法です。ロボ警官の採用には、国民の72%が反対していたからです。

そこで人間の感情を持ったロボットを開発しようとしますが、適任がいませんでした。

デトロイト市警のアレックスマーフィー。武器商人を追い続け、黒幕と接触しますが、撃たれ仲間は重傷に、そして自らも車ごと吹っ飛ばされ体の殆どを失います。

オムニは、彼に目をつけ、頭部、肺、心臓、右手のみを残しての究極のハイブリッド警官を作り上げます。

頭部があるから人並の感情を手にしています。ただ、ハイテクで記憶などがコントロールされます。

家族の応援もあって、マーフィーは、ロボコップに挑戦します。

そして、彼を貶めた黒幕をやっつけますが、さらに奥深く、警察内部に敵はいたのです。

内部が敵と言う事で、話が複雑になり、アクションとしての面白味は薄くなりました。

ラスト近く、頭部、肺、心臓、右手のみのマーフィーを見せられ悲しくなります。

今回は家族愛も絡んで、そういった面ではいいのですが、やはりロボコップには、警察官としての活躍がもっと見たかったです。

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「江ノ島プリズム」、タイムトラベラーの青春物語

2014-03-19 17:59:31 | 日本映画
おススメ度 ☆☆

 青春SFもの好き ☆☆☆

小学3年から大の仲良しの3人組。修太、朔、ミチル。

高校2年の冬、突然イギリスへ留学しようと決意するミチル。

思いを直接告げられず、手紙を書いて、朔に届ける。それを読んだ朔は、走って、電車の駅へ。

だが、途中心臓発作で亡くなる。当日朔の自転車を借りていた修太は自分のせいで朔が死んだと悔やむ。

そして3周忌、朔の家で見つけたタイムトラベル本のお蔭で、突然、事件の前日にさかのぼって現れる。

まあ、いわゆる青春SFものだ。

女一人を巡った男二人の友情物語なのだが。

このタイムトラベルにすんなりと乗れないと置いていかれてしまう。

そして、タイムトラベラーが、朔の死を変えようと努力する話だ。

3年後の修太が、高校2年に割って入り、江ノ島というロマンチックなロケ地を得て、プリズムという光を利用してロマンスを盛り上げる。

ただ、深い恋愛があるわけでもなく、アメリカ映画などと比べて実に幼い。

二度目のタイムトラベルの時、タイムプリズマーと呼ばれる少女が現れ、学校で花火をして盛り上がる。


結局、自己犠牲のもとに友達の恋を成就させようという自己犠牲物語で、ここで涙するのもいいかもしれない。

福士蒼汰、野村修平、本田翼ら、若手俳優が、青春を盛り上げてくれる。

こういう幼い青春に胸キュンしたいものだ。

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「オールイズロスト 最後の手紙」、ロバートレッドフォードの一人芝居です!

2014-03-18 16:54:05 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆
 冒険映画好き ☆☆☆☆

昨年、元読売テレビの辛坊次郎氏が、太平洋をヨットで航海中、クジラとぶつかり、遭難したというニュースがあった。幸い自衛隊に救助され一命をとりとめたが、海の怖さを知らしめた。

で、この映画、自家製ヨットでインド洋を航海中、漂流中のコンテナにぶつかり、船の一部が壊れ浸水の被害に。

こちらは、かなり年配の(ちなみに演じるレッドフォードは77歳)ヨットマン。それも単独航海だ。

そして、通信機器など、連絡手段を失ってしまう。

それでも、冷静沈着に、壊れた個所を補修し、水を手動でかき出し、なんとか、航海を続ける。

しかし、更に、暴風雨に見舞われ、ついには船は沈没、救命ボートで生活することに。

この映画、全編、レッドフォード演じる男が淡々と危機を乗り越えていく姿を追っていく。それ以外ない。回想シーンも、その後のシーンもない。ただ、航海中の出来事だけを淡々と描いていく。したがって、この主人公の人となりは、その行動を通してしか知りようがない。

何とも冒険的な映画。

退屈と思えば退屈、面白いといえば面白い。

106分、長いと思うか、短いと思うか。

それにしても、後半、海の下からとらえられた映像は美しい。また、俯瞰シーンも素晴らしい。音楽も見事。

そして、ほぼ全編、ずぶぬれになりながら奮闘するレッドフォードの演技に感心させられる。

それにしても、人間はここまであきらめずに生きられるのか?
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「スリーヒットマン」、3人のヒットマンが、不明の殺しを引き受けて

2014-03-17 17:56:42 | アメリカ映画
おススメ度 ☆

劇場未公開

名前だけで借りると、ひどいしっぺ返しが。

まあ、わけのわからない映画に付き合わされることに。

ボスが死んで、跡目争い。

3人のヒットマンにボスの隠し子殺しの依頼が。

唯一の写真が入った封筒が誰かに盗まれていた。

まず封筒探しから。

でもそんなに単純に話は進まないので、プロットを知らずに見ると、まったく訳が分からない。

二度見する勇気もない。

事件らしい、殺しのシーンもあるのだが、誰が誰を何のために殺すのかわかっていないと意味不明。

有名な俳優が出ていないせいもあって、まず人を認識するのが大変。

低予算映画だそうだが、ヒットマンという名だけが突出。

女が一人絡んでいるのだけど。
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「偉大なる、しゅららぼん」、奇想天外青春ファンタジー

2014-03-16 19:56:59 | 日本映画
おススメ度 ☆☆

 万城目学好き ☆☆☆

「鴨川 ホルモー」「プリンセス・トヨトミ」の人気作家・万城目学の奇想天外なストーリーと軽快な語り口を原作とした映画。

琵琶湖が舞台ということで、滋賀県の映画館では早くから予告編が上映され、その奇抜さに惹かれて、鑑賞した。

こういった、摩訶不思議な世界の物語が好きな向きにはいいかもしれないが、その並外れた異常さに置いてきぼりを食らうと、琵琶湖が二つに割れてそこを馬で走る、いかにも、神話に出てきそうな世界に圧倒はされるが、あとはつまらないとしか言いようがない。

当然若者向きであるがゆえ、高校生(ちょっと年喰いすぎな配役だが)が主人公で、基本は校長の娘を巡ってのさやあて。濱田岳、岡田将生主演。

冒頭、特殊な出生のゆえ、伝統ある一族の跡取りとして、修業のため本家に居候をすることになった高校生が登場する。ナレーションがかぶさって、琵琶湖に生息する不思議な力を有する一族。本家には同級生がいて、彼が主家気取りで接することに。

ほかに、学校へ通うのに、渡し船に乗っていき、それには船頭がいる。なぜか二人だけ真っ赤な学ランと、ちょっと異常。

本家の姉は、和服で乗馬とかっこいい。深田恭子が様になっている。

本家の男が、校長の娘に一目ぼれ、しかし、彼女は、一族の敵である棗家の長男が好き。いわゆる三角関係。

そしてなぜか校長が出てきて、その念力で、一族を滅ぼそうとする。

この辺から話はますます現実離れしてきて、琵琶湖が割れるシーンへ。結局、なにか竜が出てきて、しゅららぼんの意味が!

琵琶湖のご当地映画ということで、ロケーションに協力したようだが、この映画ヒットしてくればいいのだが?



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「ビザンチウム」、吸血鬼美女の悲劇

2014-03-15 20:08:51 | イギリス映画
おススメ度 ☆☆

 吸血鬼好き ☆☆☆

『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』の鬼才ニール・ジョーダン監督が20年ぶりに撮ったヴァンパイアもの。それも美少女のヴァンパイア。演じるシアーシャ・ローナンが美しい。

それだけで、ミステリアスだが、物語は、現在の姉妹と、過去の母娘が交互に描かれ、なんとなくミステリアス。

美少女が主人公で、難病のため余命いくばくかの青年と出会う。そして二人は愛し合うのだが。

200年たっても年を取らないヴァンパイア。だが、ヴァンパイア組織の同盟に追われることになり、逃げ延びられるのか。

昔のシーンでは、まだ少女が生まれる前の母の行動から解き明かされ、それは、現代の少女が文章に書き綴っていたからだ。

かなり、詩的というか、綺麗な映像で物語が進み、現実的ではないヴァンパイアの世界が描かれていく。

離れ小島での、洞窟の中、そこに入るとこうもりの群れが、そして、今まで水が流れていた滝が真っ赤な血の流れに、なんとミステリアス。これぞジョーダンの世界。

一方で、鋭角の伸びた爪で首筋を刺し、血をすする。だが、ドバっとした血ではなく、血の描写はおとなしい。一方で、一刀のもとに切られて首がごろっと落ちる様。

やはり吸血鬼映画は異常だ。

でも、主人公の美少女は汚れた死を望まない、あくまで、相手の希望で血を得ているのだ。

その哲学が、同盟には理解されない。

美少女の恋という副次的テーマが、もう少し描き切れていればよいのだが、母との確執とかに時間を取られて映画を散漫にしている。


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「監禁探偵」、裏窓を思わせる盗撮と殺人事件!

2014-03-14 17:09:17 | 日本映画
おススメ度 ☆☆

三浦、山口夫妻の息子三浦貴大、NHK朝ドラヒロインを演じた夏菜。二人の競演が人気を呼ぶか?

三浦扮する男はカメラマンだが、裏窓から盗撮をしていた。怪しい動きに隣のマンションの女の部屋に行くと、女は殺されていた。そこへ、アカネという殺された女の友人がやってくる。

男は、自分が犯人にされやしないかと女を気絶させ、自分のアパートへ連れてきて監禁する。

それから、2人で犯人捜しをする。

前半は、ほとんどこの男女2人の会話劇。

監禁といっても、手錠でベッドにつなぐくらいで、SMものではない。

男よりむしろ女のほうが調査能力があり、パソコンを駆使して、殺された女が、高級娼婦をしていた事実をあぶりだす。

しかしそれにしても、後半まで二人だけの演技でもたせるのには無理があった。推理自体がややずさんなだけに余計粗が目立つ。

夏菜がタンクトップで頑張っているので、その向きには面白いだろうが、シャワーシーンがあるぐらいで目立ったものはない。

謎解きも必然性が薄く、なるほどというだけのものだ。

終わり近くに、警察が絡んで面白くなりそうだが、腰砕け。

韓国映画の緊迫感を見習ってほしいものだ。
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「グォさんの仮装大賞」、老人たちが仮装大賞目指して頑張る

2014-03-13 17:47:31 | 中国映画
おススメ度 ☆☆☆

  老人映画好き ☆☆☆☆

映画は題名だけではわからない。

ほかに興味を引く映画がない中で、妙に引っかかってみたこの映画、最近は、みな中国映画というと敬遠しがちなのだが、結構面白い。

近年、老人を描いた映画が多くなって、それもかなり出来のいい映画が見受けられるが、中国のこの映画も例にもれず、老人を描いて秀逸だ。

原題は、「老人ホームを飛び出して」だが、欽ちゃんの仮装大賞でなじみの題名にしたのだろう。

そもそも中国で仮装大賞って、パクリかと思ったが、日本で決勝大会があるというからどうなんだろう。

で、「しわ」と同様、息子との同居がいやで老人ホームに来たグォさん(妻に先立たれて)、最初は戸惑いの連続。友人のチョウさんがなかなかのユーモラスなごじん。おかげで、だんだんと溶け込んでいく。

チョウさんの発案で、仮装大賞に出場しようとホームの全員が張り切る。

だが、職員や家族の反対で計画がおじゃんに。だが、

おんぼろバスを調達、こっそりホームを抜け出す。もともと運転手だったチョウさんとグォさんの運転で、
そこから天津までのロードムービー。

これが、また、馬の群れの疾走に遭遇したり、遊牧民の家に泊まったり、日本では味わえないいい旅をする。

老人と孫の会話とか、ホームの院長が旅に参加したりとか、チョウさんの病気とか、いろんなエピソードがにぎわしてくれる。

仮装大賞自体には、てらいはないが、全編にみなぎる小市民的な笑いに暗さは吹き飛ぶ。

名優達が演じているので、安心して見ていられる。
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