昨日は何と言っても彼女の独壇場。
ワインいくらでもどうぞ、のそれだったから、
「まず白ね」
「赤もいただける?もう一杯貰おうかしら」
なんて調子でまことにいい気分。
皇居を望む17階のホテルバイキング。
ほら我らそういう年代だから、親が亡くなってのもろもろ手続やら何やらが押し寄せて。
最高学府を出た兄上がなあんにもしないってえらくご立腹の様子。
いやいや何度も聞いている、が、何度も言わずにいられない事態が次から次へと。
で、
「主人が、君には言ってなかったけど・・・」
と打ち明けたそうな。
兄上、そういう学歴だから外国駐在も多くて、彼女のご主人もその当時海外出張が多くて。
ある年、偶然にも滞在先が同じ国で、兄上がご主人に、うちに来て、と誘ってくれたそうだ。
「出てきたのが、ビーフジャーキーだけだった」って。
ご主人もビックリ仰天だったらしい。
「ビーフジャーキーだけだったんだって!それだけでも分かるでしょ!!」
うん分かる。ごめん、あなたの大事な兄上なのに一緒になって悪口言いそう。
でも、おかしい、その場の皆、呆れるやら笑うやら。
妹のご主人お招きして、お皿の上に高級(勝手に決めつける)ビーフジャーキーのみが。
図が浮かんできて含み笑い、苦笑、次に大笑い。
「いくら何でもビーフジャーキーだけなんて考えられないわ」とますますご立腹。
「でもね、私が兄の悪口言うと母が悲しむのよ。最愛の息子だからさ」
と、彼女も我らの前でしか胸の内を思う存分吐き出せない。