まい、ガーデン

しなしなと日々の暮らしを楽しんで・・・

母の日

2021-05-09 08:54:14 | くらし

この頃、今の私の年頃に母はどのように過ごしていたのだろうかと考える。
私はまだ現役で自分のことで忙しく、母のことなど思いやることもなかっただろう。

母は癇性でとてもきれい好きな人だった。
朝起きるとまずは父が掃除機をかけ、母は狭い家の中をぞうきん片手に手順通りに
拭いていた。それが終わらないと食事も何も始まらない。
使った手拭い1枚でも残っていると、ほっておけなく気になると言って手洗いする。
私がその遺伝子を欠片でも受け継いでいたら、我が家はどんなにきれいなことか。
7人兄妹の長女ということもあり、まじめで几帳面で融通の利かない性格は、本人も
周りもなかなか大変だったのではないかと想像する、って母に失礼かしら。

母は90歳で脳出血で倒れた。
以来7年間話すこともできず形ある食事もとれず、寝たきりの生活が続いた。
毎日施設に行って声をかけると目を開け、手を握ると力強く握り返した。
握り返す力や目の開け方で母の健康状態が何となくわかった。
それでもやはり身体は弱っていって何回か入院を繰り返し、最後の入院は2014年1月。

亡くなる1週間くらい前だったかしら。
寝ていた母が急に目をぱっちり開け、天井をあちらこちら見回した。
それまでは目を開けてもぼんやりとした感じだったのが、本当にしっかりと見開いていた。
不思議なことがあるものだと。
しばらくそうやって天井を見ていたが、やがてゆっくりと目を閉じた。それっきり。

長く付き添っていると、もしかしたら今晩当たり逝くかもしれないということが分かる。
その日、病院から夜具を借りて母のベッドの横に敷き一緒に夜を過ごした。
母は高鼾をかき気持ちよさそうだった。
翌朝の3時半ころ私たち夫婦に見送られてあちらに旅立った。

できることはしたという思いはあるが、生きているときの母にもう少し優しくすれば
よかったなという後悔はある。
母の愚痴を邪慳にしないで聞いてあげればよかった。
さびしいと訴える母にもっと寄り添ってあげればよかった。
ホウレンソウはもう少し柔らかくゆでて、短めに切ってあげればよかった。

母の日。
たまには母のことも思い出して。年のせいか、ちょっと胸に迫るものがある。

 

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ノルマは果たさねば 高台公... | トップ | お気に入りの*コバノズイナ »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
誰でも?? (koro)
2021-05-09 13:45:44
同じような後悔をするものなのかしらね!

子供たちに後悔しないよう、今のうちに
ウンと孝行するように言っておこう。
違うか!!

我が母は、もう、わがままなんだからとか
文句を言いたいときもあったけど
私に迷惑をかけないようにほんの
ちょっとの期間患い、私に準備期間を与え、
サッと逝ってしまった。
本当に子ども孝行な母だった。
返信する
Unknown (mannmo_2005)
2021-05-09 18:52:49
そりゃあ違うけど。
あなたのお母さんは見習いたいお手本よね。
私もわがまま且つ自立して生活できるようになろう!
そして、お母さんて子ども孝行だったよねって言われるようになりたいものだわ。
返信する
母の日 (ルピナス)
2021-05-10 15:13:57
mannmoさん、お母様への思いに心が溢れました。十分にお優しく最後まで看取られましたね!
ほうれん草のくだりは…もう涙なしには・・・・。
ああすればよかった、こうしてあげれば~~と私も。
思いはみんな同じですね。

お庭の花たち、素敵! 好きな花ばかりで、いつも楽しませていただいております。
返信する
ルピナス様 (mannmo)
2021-05-11 07:29:42
やさしいコメント、ありがとうございます。
私は母には冷たい娘でしたから、今頃になって
「もう少し・・・」と思うのです。
年を取らないと実感できないことってあるものですね。

ネズミの額庭ですから、せめて写真くらいは器量よく
撮ってあげねばと頑張っています。
楽しんでいただけて嬉しい限りです。
返信する

コメントを投稿

くらし」カテゴリの最新記事